「2010年正月」


 いつものごとく、龍麻と壬生のマンション。

 「ああ、今年も年賀状が二桁。嬉しい」
 年賀状を数えて微笑む壬生と、
 「毎年確認して喜ぶなよ」
 そんな壬生を見ながらモチ食う龍麻。
 「龍麻に、毎年年賀状が2通の人間の気持ちはわからないよ」
 「2通・・・・」
 「館長と母さん」
 「新年早々ブルーになるからやめい!」
 寂しい年賀状事情です。

 「それじゃ、龍麻。お年始参りに行こうか」
 「・・・・行かない」
 モゴモゴとコタツに潜ってしまいます。
 「どうしてそんなに無気力に・・・」
 「年末の新刊での扱いが酷かったから・・・・」
 (ああ・・・・)

 ※「誰か僕を〜」参照

 「まあ、そんな訳と。後、さっき干支神から電話があって今年は初詣の願い事を叶えない事にしたって」
 「何で!?」
 「なんか反抗期らしい」
 「今頃かい!?」
 「とにかく、今年の元旦はお前と家で一日中ゴロゴロする事にした。行きたかったら行ってきてええぞ」
 「・・・・・・」
 首からマフラーを外して、龍麻の横にちょこんと座ります。
 「・・・行かんのか?」
 「賽銭箱の前でお祈りしなくても叶ったようなので」
 「・・・・さよか」
 「うん」

 
 新年なので壬生に良い目を見せてみた
 
 今年もよろしくお願いします