「太公望」

 太公望=釣りの好きな人

 釣り場=十二支高校グラウンド

 陸(3年ベンチ)
 「今日も釣りをするのだー」
 だー、と元気に竿を振り回すのは、鹿目筒良(3年)。
 「ははは、今日の餌は何だい?」
 そんな筒良に爽やかに質問を投げかけるのは牛尾御門(3年)。
 「今日の餌はコレなのだ」
 と言って見せたのは某女王のCD。それをエイヤっと針に。
 「大物狙いだね」
 そして満足そうに微笑む牛尾。
 「いくのだー」
 筒良のかけ声と共に針と餌は海(グラウンド)の中程へと飛んで行く。

 海(グラウンド)
 パサッ
 餌(CD)狩り場に落下。
 「・・・・・CDですね」
 辰羅川信二(1年)。
 「CDだな」
 犬飼冥(1年)。
 「CDっすね」
 子津忠之助(1年)。
 「司馬の好きなヤツだろ。コレ」
 猿野天国(1年)。
 「シバくん。なんか危ないから触っちゃ駄目だよ・・・・って言ってる側からぁぁぁぁぁ!!!!」
 兎丸比之(1年)。
 「・・・・・・・」
 釣られている司馬葵(1年)。

 対岸(反対ベンチ)
 「・・・・また先輩達が釣りしてるZE」
 ファンキー先輩、虎鉄大河(2年)。
 「それより後片づけ手伝って欲しいっちゃ」
 九州男児、猪里猛臣(2年)。

 
 「やったのだ。大物なのだ」
 「ははは、これは白身で美味しそうだね」
 司馬を前にしてはしゃぐ先輩2名。
 司馬はCDを持って心なしか嬉しそう。(状況判断能力鈍し)

 
 海側の心境
 (白身。白身って何っすか。キャプテーン・・・・・)
 (動きの少ない魚は白身になるのですよ。差詰め犬飼くんと猿野くんは赤身ですかね)
 (とりあえず、どうすんだ?)
 (まずは司馬救出だろ)
 (って言うかシバくんあのCD持ってる筈なのに・・・・)

 陸側
 「ところで牛尾。言っておくけど釣った魚は釣った人の物なのだ」
 「・・・・・少しくらいはお裾分けしてくれてもいいんじゃないかい?」
 「嫌なのだ。欲しけりゃ自分で釣るのだ」
 チラッと海を見て。
 「・・・・トレードはどうだい?」
 「バンダナくんとだったら可なのだ」
 釣り人2人が言い合っている内に、どこから来たのか蛇神尊。
 ハサミ片手にキャッチ&リリース。
 「我。無益な殺生は好まぬゆえ」
 糸から解放され、何だか解らないまま司馬はてくてく帰って行く。
 「ああー!!!何勝手な事をしてるのだ!釣った魚は食べるのが礼儀なのだ!」
 「そうだよ蛇神くん!せっかくの天然物(?)を」
 心底悔しそうな2人。
 蛇神、我関せず。
 「・・・こうなったら虎鉄くん!猪里くん!君達も参加したまえ。釣れるまでは帰さないよ」
 そして発動、無茶苦茶なキャプテン命令。

 
 対岸
 「・・・無茶言うZE。どうする猪里?」
 「・・・キャプテン命令やけん。さっさとしてさっさと帰ると」
 「了解」
 と言って取り出したるは一冊の本。
 軽く振りかぶって海へと投下。

 
 「シバくーん。無事で良かったよー」
 「何もされなかったっすか?」
 「とりあえず、良かったな」
 「ご無事で何よりです」
 「しっかしあの先輩達も毎日よくやるぜ・・・ん?」
 バサッと不敵な音を立て本到着。
 その時風はビュンと吹き、ページがパラパラめくれます。
 「h!」
 「ギャッ!」
 「・・・・・・・」
 「わぁーーーー」
 「・・・これはデンジャーです」
 口々に呟いて撃沈していく1年衆。
 そう、これこそ2年の放った毒薬。別名T明美ファースト写真集・気の毒U。
 哀れ1年。

 対岸
 「虎鉄。海に毒薬を蒔いたらいかんとよ。ホレ稚魚までいっとるやん」
 稚魚=兎丸
 「気にするなって。早く帰る為だZE」
 「生態系を崩すのはいつか自分の身に返ってくるっちゃ」
 そんな問題?エコロジー猪里。

 
 「ああ、あれなら手づかみで捕まえられるね」
 「虎鉄もなかなかやるのだ」
 倒れ伏す1年を見てご満悦な両名。
 「・・・不吉な予感がするなり」
 そしてどうも3秒後の世界を見ているらしき蛇神。
 しかしそんな蛇神を無視して網を片手に海へと繰り出す2人。
 「じゃあ、さっそく行こうか」
 「三象。手伝うのだ」
 「うがぁぁぁぁ」
 人語を喋りましょう、三象男歩(3年)。

 
 
 「司馬くんは僕にくれるよね?鹿目くん」
 「まーいいのだ。その代わりバンダナくんはもらうのだ。三象お前も欲しければ適当にチョイスするのだ」
 結構もの凄い事を言いつつ釣り人は魚の群へと到着。
 さー捕るかといったその時。
 「おーほほほほほ!明美登場!!!」
 死屍累々の中から猿野が女装して飛び出した。
 本人では効かないのも道理。
 「もー虎鉄先輩ったらせっかくの明美の写真集を放るなんて超ショック〜。明美出る所でちゃうゾ☆」
 バチッっと虎鉄に特大ウインク。
 「ギャァ!!!・・・猪里すまNEー」
 毒にやられた模様。
 流石は生きた毒物明美。遠距離攻撃も出来るらしい。
 ちなみにこの海の化け物出現で流石の3年達も固まっている。
 「うふふふふ。アイドルは明美一人で充分。って事で司馬くんはゲッチュー。それじゃあ皆様アディオース」
 言うが早いか、司馬をお姫様抱っこして明美は猛スピードでグラウンドから消えた。
 「・・・・・・・・」
 「・・・・・・・・」
 「・・・・・・・・」
 ボーゼンと見送る3名。
 あまりにもショックだったのか、足下ににじり寄って来ていた1年達に気付いていない。
 そして気付いた時には遅かった。
 「せーーんぱーーい」兎丸
 「お裾分けです先輩方」辰羅川
 「っていうか見ろ」犬飼
 3人に足をガッチリホールドされ、抵抗する間もなくT気の毒Uが眼前に。
 これは嫌でもに目に入る。
 「うわぁぁぁぁぁ」
 「ぎゃー!目が腐るのだー!」
 「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁ」
 案の定3人直撃。

 バタバタ倒れる3人を見て、対岸の猪里が一言。
 「・・・だから自然は甘く見たらあかんと」



 ところでところで釣られた魚はどうなったかと言いますと。

 どこかの児童公園。
 キィーキィー
 ブランコに腰掛ける釣った人と釣られた人。
 「とりあえず制服着替えに帰らねーとな」
 「(こく)」
 「まーほとぼり冷めるまでここに居っか?」
 「(こく)」
 「ジュースでも飲むか?奢ってやるぜー」
 「(こくこく)」

 
 結構のんびり漁夫の利噛みしめ猿野天国本日勝者。


 

 そして夕暮れ。
 と言うには遅い時間。
 日もとっぷり暮れて。
 部室に残るは子津一人。
 「おー子津。出迎えご苦労!」
 「・・・・・・・」
 そこへ猿野と司馬ご帰還。
 「・・・ご苦労じゃないっす。二人が着替えてないから部室も閉めれないし、あの後大変だったんすよー」
 しくしくと子津が泣きつつ訴える。
 そんな子津に司馬が渡すは飲みかけコーヒー。
 「・・司馬くんありがとうっす。っで、猿野くんとどこに居てたんすか?」
 「あ?あーその辺ぶらぶらな」
 「・・・(こくん)」
 (・・・・理不尽っす。なにか理不尽っす!!!)

 ここで一句・常識人 とばっちりを よく喰らう

 次の日。
 「今日も大物狙いなのだー!!!!」
 「ファイトだよ。鹿目くん」

 〔懲りてねー・・・・・・・〕

 一年の深いため息なんのその。
 釣りは一生涯の娯楽です。

 チャンチャン♪

  

イメージ司馬争奪戦で書き始めたつもりなんですが・・・
冗談なんでサラッと読んで下さい
テンポ良く書いたつもりなんですが・・なんとなく落語調
確かこの書き方相方嫌いだったような・・・まーいいか
最近猿馬がマイブームでちょっと問題ですなー
理想は、猿→馬←犬
無理ですか?無理ですねー。茨道。かなりヤバイ目の
ミスフルは掲示板カキコとか無いんで読んで下さってる方がいらっしゃるのか本気で心配なんですが・・・一言でいいから書いて下さると嬉しい・・・
次はまた姉シリーズが書きたいです
「司馬姉弟IN勝浦」(笑)

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