「四角い空」 単に気になったから聞いてみた。 「なあ、お前なんでいっつもサングラスかけてんだ?」 T光が眩しいからU 眩しい? T光が眩しいからU←T目の色素が薄いからU 矢印が司馬らしいなと思いつつ、重ねて聞いた。 「病気か?」 T生まれつきU 「ふーん」 相槌を打ったもののあんまり理解してなかった。 (目の色素が薄いとサングラスがいるのか?) 聞きたいような聞いてはいけないようなそんな質問が頭をぐるぐるした。 よっぽど眩しいんだなーと思った。 鳩だけが相変わらずグルグル言っていた。 日曜が終わって、いつものように1週間が始まった。
って事で辰と駅ビルに行った。 辰は駅ビルのデカイ本屋に用が有るとかでついて行った。
(・・・これが似てるな) 見つけたソレをそっとかけてみた。
今まで白かった物が全部薄暗く見えた。
思い立ってソレをかけたまま外の見える所まで行った。 渡り廊下の所から空が見えた。 今日はピーカンの青空だった、でもサングラスを通してみる空は暗かった。 (アイツいっつもこんな空見てんのか・・・) そのまましばらくぼーっとしてた。 よくアイツがしてるみたいに。
結局そのサングラスを購入して俺は本屋に戻った。 レジの所に辰が居た。 「あ、犬飼くん。どこに行ってたのですか?」 辰がレジで会計している間、なんとなく周りを見渡せば、レジの横にたくさん絵葉書があった。
その中の1枚。 真っ青な空を切るみたいに走るヒコーキ雲 (ああ、キレイだな) 辰が「珍しい物を買ってますね」とか言ってたような気もするが無視した。 「それじゃあ、犬飼くん。また明日」 辰と別れて帰る途中、鞄から買ったサングラスを出してかけた。 んで、さっき買った絵葉書をどうしようかと考えた。 本当は買った時にどうするか決めてた。 (司馬に送ってやろう) 俺がこんな物送らなくてもTVとか本とかで見てるわけだし、もしかしたら同じ様な物を持ってるかもと思った。 思ったけどアイツに見せたかった。 とりあえず、ただ何となく。
(50円切手買わねーとな) (中身何て書くかな・・) (コレ見てアイツ何て思うだろ) 顔が笑ってた。 なんでか走った。 凄いワクワクした。 この時の絵葉書はまだ俺の机の引き出しの中にある。 サングラスと一緒に入れてある。 アイツともうちょっと仲良くなったら送ってやろうと思う。 それか鳩達の居るあの公園で渡してやろうと思う。
そう書かれた絵葉書は結構長い間引き出しで眠っていた。 |