「辰羅川のラヴ。ラヴ大作戦」
「なんか最近司馬見ると変なんだ」
犬飼冥が親友辰羅川信二にそう言ったのは初秋のある日でした。
「・・・・これって何だろうな・・・」
「・・・・・辰羅川?」
「・・・・おい?」
いつまでたっても返事のない親友を不審に思い振り返った先には、
「犬飼くん!ついに!ついにやったのですね!とてもアンビリーバブルです!グレイトです!最高ですよ犬飼くん!!!」
思い切りフィーバーした辰羅川が居りました。
「今夜はお赤飯ですね。ああ、私はこの日をどれだけ待ちわびた事でしょう・・・」
そしてついには泣きだしました。
「・・・・・・辰羅川?どうしたんだよ一体・・・」
「何言ってるんですか。犬飼くん貴方は恋をしたんですよ!!!」
「・・・・・・・・・・・・(思考停止中)
(再起動)恋?????????????」
「そうです恋です」
辰羅川は本当に嬉しそうに犬飼の肩を叩きました。
「犬飼くんと出会って10年。いつかはこの日が来るだろうと私は待ちわびていましたよ。相手が司馬くんとは以外でしたが、考えようによってはベストカップルと言えるでしょう・・・・・いえ!言わしてみせます!!言わせてみせましょうとも!!T十二支随一のベストカップルUと!!!見ていて下さい犬飼くん。貴方の恋はこの辰羅川信二が必ず成就させてみせます!!!!!」
「さあ、やりますよー」意気揚々と去っていく親友の後ろ姿を犬飼は呆然と見送りました。
そして、自分が押してはいけないスイッチをONにしたのだと悟りました。
犬飼冥の受難が始まったある秋の日の出来事です。
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