「アヲイ」


 「葵。お父さんと遊ぼう♪」
 「・・・・・(ふるふる)」←嫌らしい
 「マネキュア塗ってあげるからお父さんと遊ぼう♪」
 「・・・・・(ふるふるふるふる)」←すんごい嫌らしい
 「ほれほれ、お前の好きなブルーのマネキュアだぞー」
 「・・・・」←ちょっと心が揺れた
 「手を出しなさい、手」

 ・・・・と言って素直に手を出す息子もどうかと思うねしかし。
 ま、葵は青が好きだからなー・・・幼稚園の頃に部屋を青ペンキまみれにしたのを思い出すな・・・あん時は葵自身もペンキまみれで怒ると言うより笑ってしまった・・・懐かしい・・・・。
 と言うかなんでこんなに青が好きなんだ?
 髪も青いし。
 んーこの子の青い髪を見てると何かを思い出すね・・・何だっけ? 
 青、青、青・・・・。
 ああ、思い出した。
 あの時の青空だ。
 あの日、あの時の・・・。
 戦場で見たあの空だ。
 そこら中負傷兵だらけで、硝煙の香りと血の匂いと肉の焼けた匂いがしてて、弾のはじける音と悲鳴が木霊してた、あの最悪の場所で見た空だ。

 足を撃たれて倒れながら見たあの空だ。

 雲一つなくて綺麗だったな・・・・・。
 下はあんなに地獄だったのに・・・・・。
 うん、あの空は綺麗だった。
 多分一生涯で一番綺麗な空だった。

 あの時見た青のイメージがそのままこの子に受け継がれたのかな?
 だから葵は青い色が好きなのか?
 でもこの子本体は白。
 産まれた時は本当にびっくりした。
 俺の罪が許されたのかと思った。
 そんな訳はないだろうが。

 
 「お前は俺の罪を裁く為に産まれたのか?それとも許す為か?」
 「・・・??」
 「なんでも無いよ。お父さんの独り言。ホイ完成っと。学校行く前には落とすように」
 「・・・・・・♪」←それなりに満足らしい

 ははは、変な子。
 マネキュアがそんなにおもしろいかな?
 それとも青く染まった爪が嬉しいのかな?

 あの時見た空がお前に受け継がれて、それで青が好きならそれはそれで嬉しい事だ。

 「DNAは偉大だねー♪」

 さー風呂に入って寝てこよう。
 明日は買い物に行ってこよう。
 明日の夕飯は何にするかな・・・・。

 「〜♪♪」



 「・・・親父。鼻歌歌ってるよ」
 「・・・って言うか真横に座ってたのに無視されたねー、私達」
 「と言うか息子にマネキュア塗るな変態ジジイ」
 「でもマネキュアも似合う〜。葵ちゃん素敵。。。」
 「・・・・変態が移った」
 「♪♪♪♪」←青いマネキュアがちょっと気に入ったらしい
 「・・・・落としなさい」


 

 過去はどうであれ平和な司馬家の日常です。



結構前に書いた物。出さない気でしたがもったいないのでUP
司馬父がちっとポエムで嫌ざます
とりあえず変なお父さん。息子と遊ぶの好きみたいです
しかしこの人は過去に何をしてたんだ・・・・

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