「お姉ちゃん5」
世界は愛で満ちていると言ったのは誰だったかしら?
とりあえず麗らかな日曜日。
「おはよー」
「遅ようお姉ちゃん。もう昼だよー」
昼近くに起きて台所にやって来たら妹が何か作っていた。
「いいじゃないの。日曜なんだし・・・・つーか葵とお父さんは?」
何やらお家がガランとしているわ。
(あ、ちなみにお母さんは仕事ね。365日居ない人だからノーカン)
「葵ちゃんはークラブ。今日練習試合なんだって」
「ふーん」
日曜だっちゅーのに大変だね、そりゃ。
「で、何してんの?アンタ」
「んー?作ってるの」
だから何を?
と言いかけてハタと止まる。
我が家はカウンター式キッチン。
という事で今現在妹と向かい合わせにいるのですが、
さっきから好いたらしい匂いもするのですが、
問題はそこではなく・・・・・・
「妹よ」
「あい?」
「その狂ったようなハートの食材はなんぞ?」
人参→・
ゆで卵→・
豆腐ハンバーグ→・
ハム&ベーコン→・
はんぺん→・
レンコン→・
キュウリ→・
レタス→・
トマト→・
リンゴ→ウサギ
極めつけ、
ご飯の上に桜デンブで。
上に海苔でTLOVE・AOI。U
「・・・・・・・・・・・・」
「ラブラブ弁当。略してラブ弁・」
「略すなぁぁぁぁぁぁ」
「届けるの?ねぇ、届けるのコレを!」
駄目だー涙出てきた。
「?もちろん、決まってるじゃない」
あー決まってんのかい・・・・。
「試合で疲れた葵ちゃんにそっと手渡す手作り弁当。ラブーラブラブー♪」
・・・・よけい疲れるぞ、その弁当。
つーか手渡しかー・・・・・
「お姉ちゃんも一緒に行く?」
いやもー胸一杯で・・・いや、マジ。
「それじゃ、行ってきまーす♪」
「・・・・行ってこい」
と言うか帰ってくんな。
(葵。あと30分もしたら、ピンクのエプロンドレスの実姉がラブ弁持ってテメーの所に行くぞ・・・・・・心臓マヒ起こさんよーにな・・・・)
なんか朝(つーても昼)からすんごいハードで・・・・
世界は愛に満ちてんのかもしれんが・・・どーも私の周りは偏っているように思う。
愛は綺麗な物ではないと痛感できた麗らかな日曜。
・・・・ところでお父さんどこ行ったよ?
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