「龍麻とゆかいな仲間達」
「No3龍麻と御門」
「・・・・・」
ポッカリと大穴の開いた結界。
それとは対象的にきちんと揃えられた靴。
これをやった人物の性格をかいま見たようで自然と眉間に皺が寄る。「おかえりなさいませ。晴明様・・・・そのお客様が・・」
「解ってます。下がってよろしい」
「御意」
珍しくうろたえた感じの式を下がらせ自室に向かう。ガラッ
「・・・・・」
そこには結界を叩き壊した張本人が大の字で寝ていた。
それはまあ、いつもの事。
問題はその人物がペンギンの着ぐるみを着こんでいる所である。(まったくこの人は・・)
この暑い日中にこんな物をわざわざ着てくる神経が御門には解らない。
(・・・解る人は居るんでしょうかね)
とりあえず無視して自宅着に着がえる。「ムーーーーヴヴヴーーーー」
足元のペンギンが暑さにもがいている。
「フゥ・・・」
御門は軽くため息をつくと、優雅な動きで足元の生き物の頭を・・蹴り飛ばした
「ふぎゃーーーーー!」
「・・・・目が覚めましたか?」
着ぐるみの頭の部分が取れて龍麻の顔が表れた。
「・・覚めました・・あーあっつー」
すっかり汗をかいた髪をかき上げる。
「・・・・・・・」
「ん?なに見てん?・・見とれる程美形ですか?なんて・・」
「ええ」
「・・・・・・は?」
ふざけて言ったら即答されて返事に詰る。
「そうやって前髪を上げていれば、見とれる程美形ですよ。貴方は」
「・・・・・えーっと」
にこりともせずに淡淡と言われて二の句がつげない。
「ただし」
「・・・ただし?」
「しゃべらなければの話ですけど」
「・・はぁ」
「貴方はどうしてそう口を開くと印象が変るんでしょうね。完成された芸術品が一瞬にして砕かれたような物です」
「・・はぁ」
「もったいないですね」
「・・もったいないですか」
「ええ」
・・・と言われても・・・
ちょっと落ち込んでしまう・・
「・・でもそこが私の気に入っている所でもあるんですが・・」
「・・ええ・・あ?」
いきなりの優しい口調に顔を上げると・・いつもの御門。
「御門?今・・何て」
「いつまで、その暑苦しい物を着てるんです?さっさと脱いで湯にでもつかって来なさい」
「えーっと・・ウィッス」
とりあえず言われたとうりに湯に向かう。
その後ろから御門の声が追いかけてくる。
「出て来る時はソレは脱いで来て下さい。私はペンギンと食事する気はありませんから」
「・・へーい(これは一応気に入られてると見ていいんかな・・・)」
ブツブツ言いながら廊下を歩いていく人物には聞こえてなかったが、(この私が好いてもない者を部屋に通すと思ってるんですかね・・)
さも心外だという風に呟く御門の顔は楽しげに笑っていた。
久々の更新・・・この話プリンターさえ壊れなけりゃ26日の新刊だったのに
くそーキャ●ン!めー!
とりあえずなんか優しい御門という気色い御門が書けたんで良し。
なんでペンギンの着ぐるみかって言うと単に「御門ビックリするかな?」と思ったから着てきた。
出たての芸人のようだな・・ウチの龍麻は・・・・
もちろんそのまま電車に乗って来たさ、ウチの馬鹿は・・・