「プロローグ」

 「お願いね杜人」
 この地をそして人を守る事、それが俺の守るべき約束。
 「プラス・・」
 プラス?
 「この子もよろしく!カモン!龍麻」
 ててててと3つ4つの子が翔けて来る。
 「・・・・は?」
 「龍麻。こっちが今日からお前のお父さんよ。いい子でね。じゃあ!」
 秒速60kmほどの速さで去っていく加代。
 着物なのに速いな・・・・
 「って加代ちょっと待て!」
 「・・・・とーたん?」
 「お前もちょっと待て」
 おちつけ。おちつくんだ杜人。
 「だいじょぶ?」
 子供が覗きこんでくる。
 お前の所為なんだがな・・・・
 「・・・お前のお母さんは何か言ってたか?」
 「んー?これ、わたせって」
 一通の手紙。
 Tハロ〜♪杜人ちゃん元気ィ〜?って今会った所かにゃ〜?
  ぢつは、彼と中国に行く事になったんだけどちょーっと命の危険性があるんで
  私のかわいい息子を預けていくわ。
  名前は龍麻よかわいいでしょ?
  それじゃあ、生きて帰れたら向かえに行きまーす。   緋勇加代より・U
 「・・・・・・・」
 何を考えているんだあの女は・・・・
 「とーたん。だいじょぶ?」
 「とりあえず、とーたんはヤメろ」
 この歳で子もちか・・・しかも他人の・・・
 「・・・・?かーたん?」
 「更に違う。とりあえず・・犬神先生と呼べ」
 「いぬせんせ」
 よしよしと頭をなでてやる。
 しかし、これからどうするか・・・・
 「いぬせんせ。オナカすいた」
 「わかったわかった」
 俺は子供の手を引いてアパートへと帰った。
 ・・・・大家には何て説明したらいいんだ・・・
 俺は守るべき約束の重さにウンザリした・・・・
 

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