「風邪ののちハレ?」
熱が出ました。
頭が痛い・・・・・・
「37度5分。うっわー低い!つーかこんなので寝込むか?普通」
・・・・普通は寝込むと思います。
「我が家だったら38度から熱と見なされるね」
そんな家は嫌だ・・・・。
「お前平熱が低いもんな・・・」
そうです。
「ま、寝てろ」
そうもいかないのです。
今夜も仕事が入っている。
しかも今回は一人新人が混じっていて、僕は彼の教育係になっている。
だから休む訳には・・・・・・。
・・・・・頭痛い・・・・。
「・・・・それで仕事に行ったら確実に死ぬのは手前だと思うがな」
・・・・そうかもしれないけど。
「しょうがねーなー。僕が行ってやるわ」
・・・・は?
「いいから、お前は寝てろ」
そう言って龍麻は僕にキスをした。
・・・・・キス?
いや、それ以前に・・・・。
今目の前に居るのは・・・・・・
僕?????
「フフン♪変身〜」
僕が僕の顔で龍麻の台詞を喋っている・・・・はっきり言って気持ち悪い。
もの凄く。
「そいでは行ってまいりやす。寝てるんだぞー。ゼリーか何か買って来てやっから。じゃ〜に〜♪」
満面の笑み・・・・・我ながら大変笑顔が似合わない。
あ、熱上がったかも・・・・
「たっだいまー!暗殺業務を終えて今戻りました!!」
良かった、本当に良かった、ハイテンションな僕が帰って来なくて・・・・。
「あー変身はそんなに長くは持たんのよ。ホイ土産。熱は下がったか?」
おでこにゼリーを当てられる、冷たくて気持ち良いけど・・・・その生暖かいゼリーは誰が食すんだい?
と言うか先程の変身て何ですか?
「変身は変身。相手の身体的特徴をトレースするんだわ。初めてやったけど上手にいけたよなー。龍麻くんビックリー☆」
僕の方がビックリしました。
「ちなみに応用するとこんな事も出来ます♪」
そう言って龍麻がまた変身した。
今度は・・・・モミモミ・・・ポニポニ・・・ムニムニ・・。
「やっぱり女の体柔らかいよなー。あー二の腕が萌え。」
確かに柔らかい。気持ち良いな・・・・。
「やっぱ女の方が良いですかー?それともこんなのは?」
今度は・・・・・僕いくつですか?
「うーん、しゃんさい。ってコトでコドモー!つーかヨウジカー!」
あ、ちょっと可愛い。
元気だったら抱っこしたいかもね。
でも小さい子は扱いが解らないので困ります。
「ふーん。だったらいつもの僕〜」
それが一番しっくりきます。
「まー僕自身もこの体が一番使いやすいけどな。せっかく半黄龍したからー小技は使わないと損かな☆って感じー」
小技・・・・変身て小技なんだ。
「あ?まー小技と言ってもピンキリだけどな。大体今回みたいにちゃんと細胞単位から変える方法とか、あと相手の視覚を狂わしたりとかな・・・色々あんだよ変身つーても。視覚を狂わす代表的なのは昔から言う狢に化かされたとか言うやつ。アレは相手の脳細胞に特殊な電気信号を流す事によって一時的な幻覚症状を見せる・・・」
龍麻が得々と喋ってくれてるけど頭が痛くてよくわからない。
「・・・・他に臭いによる幻覚などが・・・・コレは主に・・・が使う事で有名に・・・・」
龍麻の声が途切れ途切れに聞こえて・・・・・・。
「あとはー寄生虫を眼球の裏に寄生させる事によって・・・って寝たのかー?壬生ー?」
「・・・・・クー・・・」
「なんだ、こっからがT龍麻くんの無駄に知ってる知識−変身編−Uの山場なのにもったいない」
「ま、いっか。ゆっくりお休み」
瞼の上に何か暖かい物が触れた気がした。
次の日。
すっかり熱も下がり学校に行けるようになった。
「良かったねー僕の献身的な介護のお陰だね」
夜中に目が覚めた時君は爆睡してた気がするのですが・・・・?
「気の所為でっす。ま、風邪治って良かったじゃん」
「そうだね」
いつもと同じようにトーストを食べる龍麻を見て、そう言えば昨日は色々変身してくれたのに熱のお陰であんまり覚えていないと言う事を思い出した。
もしかして僕はとても損な事をしてしまったのでは?
今思えば女体化龍麻なんてもう一生見れないかも・・・・。
ああ、僕は何て失態を。
「なに?また変身はしてやっから落ち込むな」
「・・・・はい」
気を取り直して登校した学校で僕はまた熱が出るかと思った。
それは新人くんが僕を見るなりこう言ったからだ。
「あ、壬生さんおはようございます。昨日は危ない所を助けて頂いて申し訳ありませんでした。僕が足を引っ張った所為で他の方にも迷惑をお掛けしてしまって。本当に壬生さんがいなかったらどうなってたか、今後は絶対にあんな真似は致しません」
「・・ああ、いいんだ」
どうやらそんな事があったらしい。
やっぱり龍麻に行ってもらって良かった・・・とそこまでは思った。
「でも、壬生さんと組んだのは初めてだったんですけど。壬生さんて以外とお茶目なんですね」
・・・・・・はい?お茶目?
「あんな一面があったなんて思いませんでした。こう言ったら何ですけど凄く親しみが持てました。これからも宜しくご指導お願いします。それでは失礼致します」
礼儀正しく一礼して去って行く後輩を見ながら僕は確実に風邪がぶり返して来ている事を悟った。
(・・・・・龍麻)
(・・・・君は僕の顔と体で何をしてきたの?)
まず問いつめても言わないであろう謎を手にして僕は簡単に意識を手放した。
ああ、寝込んでしまいたい。
「龍麻。とても楽しそうね。どうしたの?」
「あ、美里。いやー昨日は楽しくてねー。アレでちっとは壬生の株も上がったかなーなんて」
「うふふふふ、龍麻。親切とお節介は紙一重よ?」
「わかってるさ。つーか解ってやってるさ☆」
「うふふふふふふふ」
「くくくくくくくく」
どこか遠くで悪魔の笑い声が聞こえた。
「壬生!大丈夫か?」
「誰かタンカ!」
「昨日はあんなに元気だったのに」
「どうしたのかしら?」
本当にどうしたらいいんだろう・・・・・・。
久々に壬生主。
かなり前に前半を書いて放置してた物
我がPCにはそんな小説が山のようにあります
大半はオチを忘れてしまっています
多分コレも最初考えてたオチとは違うでしょう
1年半前の私よ。オチはコレでよかったのかー
行間が狭いのでは?と最近思います
広い方が良いですかね
変身龍麻。むしろ変態龍麻
壬生の体で何をしてきたかは謎
でもクラスでの評価とか激変わり
「壬生くんてー以外だったけどぉー結構おもしろ系だったんだー」
とか言われてそう
壬生不幸(いつもの事です)