「犬祭り・交流編」

 今宵は大変月が綺麗だったので、靴を履かずにお外に行きませう。
 ペタペタと足の裏が音を立てて楽しいなーと思います。
 T今夜ハ月ガトテモ綺麗デスネU
 ええ、本当に。
 月が綺麗だと言うだけで、どうしてこんなに心が躍るんでしょう。
 きっとディーエヌエーに組み込まれているんでしょう。
 ああ、そう言えば心配性の恋人に声を掛けるのを忘れておりました。
 でもまあ、それも月の所為にして、今は散歩を楽しみませう。

 おや、前から同じように犬を連れた少年が。
 髪が青いね。
 アレは、
 人でせうか?
 魔でせうか?

 「こんばんは。良い夜ですね」
 「・・・・・(こくり)」
 「貴方は人ですか?」
 「・・・・(首を傾げる)」
 「それとも魔ですか?」
 「・・・・(やっぱり首を傾げる)」
 「その犬可愛いね」
 「・・・・・(こく)」
 「僕の犬も可愛いでせう?」
 「(こくこく)」

 Tこんばんは、良い月ですねU
 「うん」
 T貴方は人ですか?U
 「いいえ」
 Tそれでは貴方は何ですか?U
 「黄龍です」
 T犬、フサフサですねU
 「可愛いっしょ?そっちもフサフサだーねー」
 Tフサフサです。可愛いですU
 「うん。本当に」

 
 
 触った犬は冷たくて、中身がコチコチ言っていた。
 目玉を覗くと華が舞っていた。

 「コレは犬ですか?」
 「・・・(こくり)」
 「生きた犬ですか?」
 「・・・(ふるふる)」
 「可愛いね」
 「(こくり)」

 触った犬は温かくて、毛並みがフサフサしていた。
 撫でる度に毛先から火花のような物がパチパチと飛んだ。

 
 T貴方のコレは犬ですか?U
 「んにゃ」
 T貴方のコレは魔ですか?U
 「うん」
 T可愛いですねU
 「そうだろう」

 お互いに犬を撫でっこしてたら、左右からご近所迷惑な大声が、

 「龍麻!」
 「葵!」


 僕は龍麻と呼ばれ、右を向き。
 青い人は葵と呼ばれ、左を向いた。

 右にはダッシュで出てきたんだろう、つっかけ履きの壬生が立っていて。
 左には怒った感じの女の人が立っていた。

 「靴はあるし、君は居ないし。探したじゃないか」
 探すのは手前の勝手なんだけど、まー探してくれたらしいので謝ってやる。

 「靴履かないで外に行くんじゃない!心配するでしょ!!!どうして一声掛けない!」
 確かにそれは正論で、青い人もちょっと反省してる模様。

 
 「さ、帰ろう」
 「ほら、帰るよ」

 僕は壬生に手を引かれ、青い人は女の人に手を引かれ。
 お家に向かって歩き出す。

 2〜3歩歩いて振り向いたら、あの子もコッチを見ていて、
 手を振ったら振り返してくれた。

 そんで壬生が軽く会釈して、女の人が軽く礼して、
 『お互い苦労しますね』
 って表情してて、ちっとむかついた。(壬生のクセに)

 でも今夜は月が綺麗だから流してやろうと思った。



 それはとても月の綺麗な晩の出来事でした。
 

 
 


月明かりフンワリ落ちてくる夜は〜♪
(クレヨンしんちゃんED)

馬と龍
こんな時、龍斗だけ時代が違うので仲間ハズレ
悲しいね
連れているのは、フェンリルと(元)剥製犬
剥製犬の話しはまた追々と


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