「春」

 「のーけぇーーー!」
 「なっ!」
 「晴明様!」

 ドッカン!

 「アイタタタタタタ・・・」
 「・・・それは私のセリフですよ・・」
 
 何が起きたのかというと帰宅途中の御門と芙蓉の前に龍麻が突っこんで来たのである。
 
 「・・・で、何をしているんです」
 「アイタ〜えっ?ああ、近頃はやりのキックボードなる物を試してたら坂道で止まらなくなった。なんで前を歩いてるかな〜」
 「・・・悪いのは私達ですか・・?・・・芙蓉」
 「御意」
 「わー!方陣技はやめてくれー!僕が悪うございました!!!」
 「わかれば良ろしい」

 「そいではまた・・・っとコレさっき作ったからヤル。芙蓉とマサキさんに」
 「雑草の束ですか?」
 「・・・・せめて花束と言ってくれ。そいじゃーねー」
 ギッコギッコ・・・
 「・・・芙蓉。キックボードとは赤い足こぎの乗り物でしたか?」
 「・・・私には解りかねます」
 「どーした?お前ら変なツラして」
 「村雨」
 「そーいや今、ローラースルーゴーゴーに乗った先生とすれ違ったぜ。しっかし先生も古いモンもってるよな」
 「・・・・・(それが解る貴方こそ何歳なんですか)」
 「晴明様」
 「なんですか芙蓉」
 「早くしないとせっかくの花束がしおれてしまいます」
 「・・そうですね帰りますか」
 「ヘッ、それが花束とは先生らしいな」
 「まったくですね」
 「そう言えば御主人様もお茶に誘えば良ろしかったですね」
 「先生の事だ。アレでそこら中周ってんだろ。歩いてりゃ会えるさ」
 
 タンポポ・ナズナ・シロツメ草・カラスノエンドウ・ペンペン草・はるじおん・レンゲ
・コスモス・クローバー・・・・

 春草の束はそれから1週間。秋月家の花瓶を飾りました。


 いや・・春だから・・・ね?

 いいのだ龍麻にローラースルーゴーゴーを乗せれただけで

 しかしこの3人はほのぼのしてていいよね

 LOVEだよ芙蓉。

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