「遊んだ後はお片づけ」

 「もー君の部屋には我慢できない!」
 珍しく壬生が叫んでいる。ちなみにここは龍麻のマンション(分譲の4LDK・広い!)
 「・・・・なんだって?」
 床に寝っころがって雑誌をパラパラしていた龍麻も驚いた。
 「何で!こんなに散らかってるんだ!」
 冷静な壬生が思わず叫んでしまうくらい龍麻の部屋は散らかっていた。
 ここの床って何色?と聞いてしまうくらい物が溢れかえっている。
 床に寝っころがっていた龍麻も床というよりは本の上に寝ているといった具合である。
 「何でって・・・何でだ?」
 「・・・君の所為だよ」
[部屋での龍麻の行動]
@雑誌を本棚に戻そうとして他の本を出すAその本を台所に置いてコップを取るBコップを冷蔵庫に入れて牛乳パックを取るCコップが無い事に気づくが、まあいいかと思いパックのまま牛乳を飲むD牛乳を机に置いて雑誌を取るE雑誌を読み終って本棚に向う、そして@に戻る
 「―でひとつずつ置き場所がズレて散らかるんだ」
 「どうりでたまに教科書が冷蔵庫に入ってると思ったら」
 他にも制服が入っていたりもする。
 「とにかく僕はもうこんなゴミ箱のような部屋に居るのは嫌なんだ」
 「・・・・居なきゃいいだろ。帰れよ自分家に」
 「それは却下」
 「・・・・・・・」
 「とにかく片づけよう」
 「・・・・・嫌」
 龍麻は掃除が好きではない。だからこんな部屋になるんだが。
 そんな龍麻を冷やかに見つめる壬生。ちょっと拳武館モードになっている。
 「龍麻・・・僕を怒らせるつもりかい?」
 ゆらりと近づいてくる壬生。
 「喜んで片づけさせていただきます」
 「よろしい」
 色々と逆らえない龍麻。って言うか家主はどっちだ?

 「何で!片づかないんだ!」
 三角巾もよく似合う壬生がまたも叫ぶ。
 ビクッ、ドサドサドサ・・・
 その声にびびった龍麻の手から大量の雑誌が滑り落ちた。
 「僕も手伝ってるだろ」
 「それが原因なんだ」
 またも冷やかに壬生。
[龍麻の片づけ方]
@壬生が片づけた箱やら引き出しを開けるAまた出して他の場所に持って行く@へ戻る
 「・・・外出してようか?」
 「結局、また戻った時に同じ事になるからいっしょだよ」
 「じゃあ、どうすんだよ」
 片づけなくてもよさそうなのでさっきの雑誌は放っておく。
 「よく使う所だけを片づける」
 「なるほど」
 とりあえず片づける所が減ったので喜ぶ龍麻。
 「ところで、よく使う所って?」
 素朴な疑問。
 「フロ場とベット」
 「・・・・・・・」
 「・・・・・・・」
 「龍麻、外出しててもいいよ。やっとくから」
 「・・・・・・変態」
 「合理的と言ってくれ」
 「何が合理的だ!テメーが快適なだけじゃねーか!」
 さっきの雑誌の束を足で蹴りとばす。気持ちは解るが・・
 「邪魔だから外に出ていてくれないか」
 シッシッと手で払う壬生。
 「家主を追い出すんじゃねー!」

 結局、その日から龍麻の部屋はベットとフロ場のみいつもキレイになりました。

 「やっぱりキレイなベットはいいね。」
 「・・・・・・(別れようかな)」 
 「別れたら殺すよ。」
 「・・・・・・(しくしくしく)」

 珍しく強気な壬生。

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