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公然猥褻罪

「久しぶりに電車に乗ったら、正面でダンビラムーチョみたいな女がミニスカートはいて、足を限界まで開いてスマホいじってました。見たくもないパンツ見ながら「公然わいせつ罪」という言葉が頭をよぎりました。罰せよ!!」
「落ち着きなさい」
苦虫を噛み潰したような顔をした龍麻の頭を御門がポンポン叩いて押さえます。
「あんなん視界の暴力やぞ!びっくりしたわ!」
「わかるぞ。僕も女ボストロールが、ショートどころか、お前キッズ用を無理にはいてんじゃないか!?というくらい小さな短パンからはみ出た尻肉を見せられた時は本気で「滅しろ!」と思ったものだ」
「明鏡止水はどうした」
「見たくもない尻肉を見せられて静かな心など持てるか!」
至極真っ当な意見です。

「マジもんのダンビラムーチョだったら倒せんのに、なまじ人間やから始末におえん」
「まったくだ。いっそボストロールなら尻肉も我慢できたさ」
「とりあえず二人ともエニックスに謝りなさい」
とんだとばっちりです。

「御門はそんなんないん?」
「私は電車にあまり乗りませんから」
「お前は一応社長だものな」
「そういやそうやった」
「一応とは失礼な」
それなりの立場の人間なので移動は基本専用車です。

「壬生はなんかあるか?」
「……一度」
「話してみなさい」
「僕は立ってたんですが、前に座ってたおばあさんのブラウスのボタンがあきすぎてて、上からブラどころか……まで見えてて、一言いった方がよかったのかどうなのか」
「……婆さんの乳は辛いな」
「年齢的に単なるボタンのしめ忘れと思うからよけいに……」
「それは男が指摘するとまずいだろ」
「やっぱりそうですか」
「下手すると痴漢扱いされますね」
如月と御門の意見に龍麻が、
「いや、それが大阪のおばちゃんならば、「いややわー、はよ言うてくれんとー」くらいですむ可能性もある」
「大阪のおばちゃんてそうなのか」
「漫画のテンプレみたいな人ほんまにおるぞ」
居るけど意外と少数。

「電車ではありませんが、知り合いから聞いた話をしましょうか」
「御門もあんのか」
「よし、話せ」
「あれは、阪●百貨店のトイレで並んでいた時の事。先に個室に入ったおばちゃんが荷物をドアに引っ掛け、その段階でドアを閉めたと勘違いしたのでしょう、おもむろにズボンとパンツを共にズルッと下へ。モロに突き出されたおばちゃんの尻。しばらく脳裏に焼き付いたそうですよ」
「……恐ろしい」
「モロはきついな」
「うっかりにも程がありますね」

「もう、おばちゃんとかダンビラムーチョは着ぐるみとかフルアーマーで外出して欲しい」
「うっかりさんは時にな」


全部実体験です
最後のおばちゃんが全部ビックリしました




アルバム

例によってトウヤとサブマスの三人が部屋でダラダラしています。

「大人の猫を拾って飼った人が一度は思う事」
唐突にトウヤが喋りはじめました。
「今こんなに可愛いんだから子猫の頃はどんだけ可愛かったのか!子猫時代のこの子が見たい!!」
「と、言うわけでお二人の子供の頃のアルバム見せてください」
「「え?そういう流れ?」」
「そういう流れですよ」
あいかわらずよくわからない子です。

「まあ、いいじゃないですか。アルバムの一冊や二冊」
「いいけど……小さい頃のアルバムって持ってきてたっけ?」
「荷物になるので家かと」
「送ってもらってください!!すぐに!!!!」
「……わ、わかりました」
ノボリが電話します。
「代わりにトウヤの写真も見せてよ」
「エコー写真とかですか?」
「……胎児の頃は興味ないかな」
「そうですか。残念」
ちなみにトウヤはノボリクダリであれば胎児の写真も欲しいと思ってます。

「いえ、そうではなく……違います!ただアルバムを……ですから!」
何やらノボリが電話口でもめております。

「なんかもめてる」
「もめてますね」
「ところどころ、結婚とか聞こえるの、気のせい?」
「まあ、普段連絡とらない成人男性が急にアルバム送れ言うたら結婚式のスライド作成かと思いますもんね」
「え……なにそれ」

「ですので、まだ結婚とか考えてませ……恋人!……仕事が恋人でございます!!!」

「……なんかドツボにはまってますね」
「トウヤ、電話かわって「恋人です」って言ってあげなよ」
「嫌です」

なんやかんやで、後日アルバムが送られてきました。

「うわぁぁぁぁぁ!!!!可愛い!!!!チビサブマス!!!最高!!!!」
「うわぁ、なんか手紙ついてる。ノボリ読んでよ」
「嫌でございますよ。それよりお礼の電話はクダリがしてくださいましね」
「やだ。……こうなったのトウヤのせいじゃん。トウヤがしてよ」
「お断りします。じゃあ、僕はこれをパソコンに取り込む作業がありますので」

共有パソコンの壁紙が自分たちの子供時代の写真で、さらにスライドショーが始まるという罰ゲーム。


「だから恋人と同棲してるって返事してさー」
「それですと、家に連れて来いと言う話になるでしょう」
「トウヤ連れて行ったらいい」
「それもそうですね」
(なんか不穏な会話しとるなー)



我が家の猫が可愛すぎるので、タイムマシンに乗って子猫時代を見に行きたいと常々思ってます


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