ラジオ塔占拠、それが行われるのが丁度1週間後だった。 きっとそれが彼の言った『ロケット団総員がかりの任務』なんだろう。 つまり、1週間後には。 「ランス、どうしよう…」 ランスをボールに戻しベッドに倒れ込む。
夢の中で、私はあの人に会っていた。 「ランス、さん…?」 頭を垂れて、どう見ても寝ているようだった。どうしてここにいるの、一体いつからいたのかしら。疑問は浮かぶが彼は起きそうにない。 「ランスさん、ランスさん」 名前を呼ぶと微かに返事が聞こえた。でも起きた訳ではないらしい。 「疲れてるみたい」 こんなに呼んでも起きないのだ、ならこのまま寝かせてて良いのでは。 「何だか……可愛い」 男の人に可愛いなんて変なのかもしれない。けれど、可愛いらしく見えて仕方がない。 「綺麗な顔……」 よく見ようと顔を近づけてみると、睫毛の長さや唇の形がよく分かった。 「ひやぁっ」 驚いて慌てて離れると何かに躓いてこけてしまった。 「どうやら私は眠ってしまったようですね」 ランスの手を借りて立ち上がると再び目が合った。さっきまで眺めていたからか、いつも以上に胸が高鳴った。 「どうしましたか、」 彼が私に探るような視線を送る。気づかれないように、と思っていたけれど気づかれてしまった。 「それは、その…」 最後まで秘密にしなければならない。ここでバレてしまっては、ダメだった。 「……危険な事ではないなら何をしようともの自由ですよ」 ランスが僅かに微笑む。 「あの、どうして」 一緒にいると心がほっこりと暖かくなる。それと同時に緊張して体が強張ってしまう。でも、出て行ってしまうと胸が痛くなるほど辛くなるから、ずっとずっと居てほしい。 「もうこんな時間ですか。 私は失礼します」 ズキン、胸が苦しくなる。 「私達の悪事を目撃した貴女は、もっと勇敢な瞳だったというのに」 ぎゅっ、と熱が私を包み込んだ。 彼とあの子と私
あと1週間だから、自覚したくないのに。 |