アテナさんの下で働くようになって3日過ぎた。
「ぎゃあ」
アテナさんに見つかる前に慌ててヨーギラスをボールに戻す。 「………あのケーシィ、どうなったのかな」 ふと、ライチュウドールの中に隠れていたケーシィを思い出す。今もパーラが持っているのだろうか。それとも、あの人に返してしまったかしら。折角だから仲良くなりたかったな、なんてぼんやりしているとアテナさんが帰ってきた。
「、書類の整理ありがとう」
アテナさんは私の前では優しい笑顔を見せてくれる。
「にも手伝ってもらうわよ」
早く早く早く!パーラは一体何をしているの!私は悪い事なんてしたくないのに!
「元気にしてた?」
やって来たのは待ちに待ったパーラだった。 「アンタをこっちの隊に異動させる準備が出来たのよ」 にやり、パーラはずる賢い笑みを浮かべた。
「ランスさまが最近すっごく不機嫌でねぇ」 振り返るとアテナさんがしかめっつらで私たちを睨んでいた。
「この子をうちの隊に異動しますねー」
私は勿論、パーラも目を点にしていた。
「あのねぇ、隊が違うのよ」 こうして、私とパーラはチョウジのアジトで仕事をすることになった。
私とパーラの持ち場はアジトの奥、つまりよっぽどのことがなければ侵入者なんぞと出くわすことはない。だから私もパーラも取り立てて緊張することも警戒することもなかった。
「あのケーシィってどうしましたか」
はい、とパーラがモンスターボールを手渡す。
「アンタが持ってるように、ってランスさまが言ってたわ」
あの人、私のことを心配してるのかしら。それとも面倒なことにならないよう気配りしてるのかしら。
「アタシのポケモン?気になるならバトルでもする?」
その時だった。 「ここのサイレンが鳴るってことは、ここまで侵入者が来たってことか」
いつもの口調、でもその声はいつもより恐ろしい。 「覚悟しろ!」 ヤドンの井戸で出会った少年が再び私たちに襲い掛かってきた。
「にっ、逃げましょう!」
こんなところでバトルするつもりなんてない。 彼とあの子と私
「アンタ!」「いいから!」 |