久しぶりに「宇宙船」を立ち読み(^_^;)したら、スタートレック関連の記事が載っていて、
新シリーズなどの紹介に混じってなんと、パイオニアLDCがLDの生産をやめたので、
スタートレックのLD-BOXのリリースが途中にもかかわらず終わってしまうかも?との記事が…。
ショックだった。
その記事は、「スタートレックのLD-BOX」と自分との関わりについて、私の頭をいっぱいにした。
えー、「スタートレックのLD-BOX」とひとくちに言ってもいろいろありまして…、
まず最初に出たのはやはり最初のシリーズ、邦題「宇宙大作戦」である。
カーク艦長やミスター・スポックの活躍した、いわゆるTOS(The Original Seriesの略)。
3シーズン分の3つのボックスが出た。1シーズン1ボックスだから、でかいんだこれが(^_^;)。
1シーズン=1年分だが、日本の特撮ヒーロー物のように1年間毎週やっているわけではない。
「水戸黄門」や「渡る世間は鬼ばかり」と言えばわかりやすいだろうか、
半年やっては半年休む、というスタイルで放映されているのだ。
それでも1シーズン26話、13枚ものレーザーディスクが、
ご丁寧にも一枚一枚ちゃんと厚紙のパッケージに納められて、さらに化粧箱に入って1つになれば、
かなりの重量になり、場所もとるというものだ。
実は私は、最初にスタートレックと出会ったときからトレッキーになったわけではないので、
これらのボックスは発売されてすぐに購入!という状態ではなかった。
私の持っているファーストシーズンのボックスは、さんざん探しまわったあげく
中古で購入したので帯がないし、その後出た映画版ボックスは再発売(このときTOSの3ボックスも
同時に再発売されたが、改めて新品を買うほど金持ちではないし、こだわりもない)の時に
やっと買えたものだ。しかしこの後、ピカード艦長の活躍する邦題「新スタートレック」、
いわゆるTNG(The Next Generationの略)から始まる怒濤のボックス発売の時には
もうどっぷりハマっていたので、なんとかほぼ全て発売されてすぐに買っていた。
ではこのTOSとTNGのLD-BOXの発売のあいだに、私に何が起こったのか。
それを語るにはまず、私とTNGとの出会いから書かねばなるまい。
それはまだ平日の深夜にMBSテレビで「テレビのツボ」が生放送されていた時代。
私は毎日楽しみにチャンネル君の番組紹介を見続けていた。
ある火曜日の夜、「テレビのツボ」を見終わってもまだ眠くならない私は、
チャンネルをぱちぱち変えていると、何か面白そうな外国SFドラマを見つけた。
それこそが当時関西テレビでやっていたTNGだった。
面白くはあるけれど、なんせ初めて見たドラマだったので当然思い入れなどなく、
何週間かは「テレビのツボ」を見た後に、まだ眠くなければ、しかも途中から見る、という状態が続いた。
それが、である。設定やキャラクターに馴染んでくると、もう毎週見ずにはいられないのだ。
火曜日だけは、「テレビのツボ」が途中でもチャンネルを変えて、TNGを最初から見るようになった。
こうなるともうドツボ(^_^;)。このドラマを第1話から見たい!コレクションしたい!という欲求が、
私の中で大きくなり始めていたのである。
話は戻るが、私が「スタートレック」と呼ばれるものに出会ったのは、何もこれが最初ではない。
TOSの存在は(見たことはなかったが)知っていたし、映画も3や5をなんの気無しに見た記憶がある。
何より私には、自称“トレッキー”の友人Hがいたのである(こいつの影響で私は、
スタートレックファンのことを“トレッカー”とも“トレキアン”とも言わず、
“トレッキー”と言い続けている)。私は大阪の専門学校に進学、そのまま大阪の会社に就職し、
地元で就職したそのHとは疎遠になっているが、私の興味をTNGからTOSへ幅を広げるには
その存在の記憶が大きな役割を果たしたと言ってもいいだろう。
TNGを毎週見ながら、そろそろTOSのことも気になり始めていた頃、専門学校からの友人Uが、
実はTOSからのトレッキーであることがわかった。
しかしTNGは見ていないということなので、もちろん私は当時毎週放映していたTNGも見るように勧めておいた。
かわりに彼は私に映画のビデオを貸してくれた。当時出ていた6本全部(^_^;)。
TNGの第1話ももちろん見たいが、おかげでTOSの第1話も見たくなってしまった。
そんな時にLD-BOXが出ているという情報を得て、探し出したわけだ。
しかし、発売されたのはだいぶ前のようで、いざ探してみるとなかなか全て揃えて置いている店はなかった。
探す前はファーストシーズンから順番に揃えていくつもりだったが、そうもいかないようなので、
とりあえずすぐに見つけたサードシーズンをまず買った。
サードシーズン、すなわちTOSの最終シーズンである。このボックスの中にTOSの最終話が収録されているのだ。
ドラマの内容重視で、製作サイドの裏話など全く知らず、最終話には当然それなりの区切りがあるのだろうと
思い込んでいた青い私(^_^;)。はやる気持ちを抑えながら、最終話からディスクをデッキに差し込んだのであった。
「…ぜんぜん終わってないやん!」
そう、その話はまだまだ続きそうな予感さえ残して、突然番組は終わっていたのだった。
ボックスに付いていたかなり詳しい解説書に、そのへんの事情が書いてあった。
なるほど、そんな終わり方だったからこそ、今に続く人気が出たのかも知れない。
では第1話はどうなんだろう。私の頭の中では「宇宙戦艦ヤマト」の第1話のごとく、
カーク船長や乗組員が地球からエンタープライズ号で船出するシーンとか、
各設定に関する説明的なシーンがあるだろうと、また勝手に思い込んでいた。
その後セカンドシーズンを買い、中古でファーストシーズンをやっと手に入れ、
ついに第1話を見ることができた。
しかし…
「…途中の話か?これ。」
いかにも前からやってそうな雰囲気の第1話であった(^_^;)。 ちょっとがっかりしながらボックスをよく見ると、
付録扱いでパイロットフィルム「ザ・ケイジ」というのが入っていた。
「これか?これが第1話なんか!!」
勢い込んで見てみた。
「…船長、カークちゃうがな。」
船長は見たこともないパイクという男であった。ミスター・スポックが出るには出ていたが、
ニカッと笑ったりなんかして、まだキャラクターが確立されていなかったようだ。
まぁそんな感じでTOSの世界に入り込んだ私だが、TOSの魅力を私に一番教えてくれたのは、
先の友人HやUではなく、ボックスに付いていた前述の解説書であった。
あらすじはもちろん、裏話や撮影エピソードまで、各話カラー写真数点付きで解説されているのである。
とにかくこれがないと、このボックスの魅力半減と言っていいだろう。
私はこの解説書のおかげで、今日まで続くスタートレックシリーズを、
飽きることなく楽しむことができていると思う。
TNGのLD-BOXは、私がTOSの解説書を読みまくり、そろそろ全ての解説が頭に入っているころに、
ぼちぼち出始めた。“ぼちぼち”と言うと何か変だが、その後の2シリーズ同時進行の時代に比べれば、
4ヶ月に1ボックス発売はやはり“ぼちぼち”だったのだ。
ちなみにTNGからのボックスは、1シーズンで2ボックス。
1ボックスの重さや体積はどうってことなくなったが、なんせ7シーズンもあるので、
これもひどい話だ、と言っておこう(^_^;)。
TNGはもちろん毎週欠かさずテレビで見ていたので、“見たことない話”ばかりだったTOSと違って
ある時期からは“見たことのある話”になるわけだが、とりあえずそれまでの“見たことない話”、
つまり第1話から、私が夜中に「テレツボ」からたまたまチャンネルを変えて初めて見た話
(後でわかったのだが、その話はファンの間で“TNGで一番ひどいエピソード”とされている、
それまでのフィルムを再編集して作ったような低予算バリバリの話であった)までは 買ってみることにした。
いざ最初のボックスを買ってみると、TOSのボックスについていたような豪華解説書はなく、
かわりに各ディスクのパッケージの裏に、そのディスクに収録されているエピソードの
あらすじと裏話などの解説が掲載されていた。ちょっと経費削減?(^_^;)
まぁ、製本されているかいないかの違いだけで、そういう解説があるだけでありがたかった。
おかげで“見たことのある話”に突入してからも買わないと気が済まなくなったが。
さて、ここまで私はまだ映画版スタートレックのLDを1枚も持っていなかった。
以前、友人Uにビデオを借りて全部見てしまったというのもあるが、
実は個別のLDを買うより、ボックスで買いたかったのだ。
ただそのボックスは、発売されているらしいことはわかっていたが、
私(と友人U)は一度も店頭で見つけたことがなかった。
LDのボックスは見つけられなかったが、ビデオのボックスを見つけたことがあった。
なんとそれには、映画のビデオ6本と、付録でスペシャルビデオが1本入っていたのである。
本国アメリカでテレビスペシャルとして放映されたものらしい。
実は友人Uが以前、輸入盤の、全く同じ内容のビデオを買っていたのだが、
当然吹き替えや日本語字幕などはなく、ひたすら英語だった。…さっぱりだった(^_^;)。
そのビデオのボックスを見つけたとき、発作的に友人Uは買ってしまいそうになっていたが、
「よく考えてみろ。ビデオボックスにこの付録が入っているということは、LDの方にも入っている
可能性が高い。今はまだ見つけられないが、いつか買えるときがきっと来るだろう。
今ビデオを買ってしまうとお前は映画のビデオだぶりまくりだろ? 欲しいのはこの付録のみだろ?
今はがまんだ!」 と、制したものだ。今思えば、がまんして本当によかった。
しばらくして、TOSのLD-BOXシリーズと共に、映画版のLD-BOXも再発売されたので、
私はやっと映画版を買えた。 ちゃんと例のテレビスペシャルも収録されていましたとも!(もちろん字幕付で!)
簡単な解説書も付いていた。
そのころ、スタートレックの別のシリーズのLD-BOXが発売されることがわかった。
その名も「まんが宇宙大作戦」である。なんと、アニメーション!
これは、TOSが放映終了してだいぶ経ち、再放送で人気が出たころ、ファンの「再開してほしい」という声を
テレビ局が受け止めて(?)、TNGよりはるか以前に制作されたものだ。
その存在はTOSのボックスの解説書で知っていたが、まさかこんなものまで発売されるとは。
というか、日本語吹き替えのテープが残っていたことが奇跡なのではないだろうか。
声優さんは実写とはまったく違っていて、カークはささきいさおだったりした。
1話30分なので、全話収録されていてもそんなに大きなボックスではなかった…えぇ、買いましたとも(^_^;)。
関西テレビのTNGが全話終わると、翌週から新シリーズのDS9(Deep Space Nineの略)が始まった。
(本国アメリカではTNGの放映中に始まっていたが)
TNGのLD-BOXはまだ途中で、てっきり私は、テレビと同じくそれが終わってから、
DS9のLD-BOXが発売開始されると思っていた。それならまだ金銭的に余裕があった。
…甘かった。
本国アメリカでは、TNGが終わると次の年から、さらに新シリーズのVGR(Voyagerの略)が
始まっていたのである。
TNGのLD-BOXの終了を待たずに、DS9のLD-BOXは発売され始めてしまった。(T_T)
ここからが地獄である。ふた月ごとくらいに、TNGとDS9が交互に発売されるのだ。
ちなみに1ボックス30,000〜35,000くらい。ほとんど破産状態である。
今のこずかいでは到底買えなかっただろう。結婚してなくてほんとに良かった…。
やっとTNGのLD-BOXが終了すると、やはりというか当然、VGRのLD-BOXが発売開始である。
しかしこの時ほど、私はLD-BOXを買い続けてきて良かったと思ったことはない。
実は、その時はまだ関西テレビの放送はDS9をやっており、VGRはまだ衛星放送でも始まっていなかったのだ。
つまり、LD-BOXを買った人だけが、VGRを先に楽しむことができたのである。←大きな優越感
TNGがVGRになっただけで、地獄には変わりはなかったが…。
しかも、LD-BOXの発売がしばらく中断(経済的にはラッキー♪)したりして、その優越感も永くは続かなかった。
この頃、私にとっては涙もののLD-BOXが発売された。
スタートレックの映画シリーズ(1〜6)の二カ国語版LD-BOXである。
テレビシリーズのLD-BOXはすべて二カ国語で収録されていたので、テレビで聴いて馴染みのある
声優さんの声で聴けて問題なかったのだが、それまであった映画版LD-BOXは字幕版だったので、
(他の映画でも同じだが)理解するには字幕を読まねばならず、いまいち内容に集中できなかった。
私は、ごくたま〜にテレビで放送される映画版スタートレック(もちろん吹き替えあり)を録画して
(浜村純の的はずれな解説も含めて)、オリジナルのラベルを作って保存版にしていたくらいだ。
しかもそれも全部は揃っていなかったので、二カ国語版LD-BOXの発売は本当に嬉しかった。
ただ、途中まではテレビの「宇宙大作戦」の声優さんがほとんどだったのに、
新しくなるほど声優さんが変わって、イメージが違ってきたのは残念だったが。
ところで、私はDS9とVGRのLD-BOXに少し不満がある。
TNGまではあった裏話的解説が、なくなってしまったのだ。
だから私は、DS9とVGRに関する裏話をほとんど知らない。
「このエピソードに出ている誰それは、別のエピソードでは誰それとして出演している」とか、
「このエピソードのこの航宙鑑は、別のエピソードでナントカとして製作されたものの使い回しである」とか
別に知らないからといって、番組が楽しめないわけではないが、
知っているとより深く楽しめるというものだ。(と、私は思う)
だから現在発売予定の、DS9のエピソードガイド本が非常に楽しみだ。
というわけで私は、スタートレックに関してはこだわって、ほとんどすべてのLD-BOXを買い揃えている。
もちろんこれからリリースされる分も買い続けるつもりだった。
そう、結婚するまでは。
私が結婚してから発売されたボックスは、わずか3つ。丁度日本語版の製作会社が変わったりして
発売される間隔が開き気味になっていたので、少ないこづかいを工面してなんとか2つは買えた。
そう、私が買っていないのは、いまのところ最後に発売されたことになる、
VGRの5thシーズンのVol.2のみなのだ。
しかし、これから発売され続けるであろう残りのボックスの数とかかる費用、世間のDVD化の波を考えて、
「ここいらでけじめをつけて、いつかDVDで出るときに買おう」と嫁さんの圧力もあり(^_^;)決めたのだ。
で、最初に書いた記事である。もうLDでは出ないとなると、唯一買ってないボックスはやはり
コレクションとして買っておいたほうがいいのか?とか考えたりもして(^_^;)。
しかし、私の人生で一番金のかかるコレクションだったなぁ…(感慨)
………あ、DVDになったら続きを買うから、まだ終わってないんだった(^_^;)…(T_T)