ならべかた

ある日、買ってきたDVDをラックに並べていて考え込んでしまった。

「もっと見栄えのいい並べ方は無いものか」と。

DVDのお店などでは、単純にタイトルの50音順に並べているところが多い。
しかしDVDには大きく分けて2種類のケースのサイズがある。
一つはCDと同じサイズで、「ジュエルケース」と呼ばれている。
もう一つは「トールケース」。ちょっと背の高い、長方形のケースだ。
このサイズの違うケースを単純に題名で50音順に並べると、
極端な例では1作ごとにサイズが違って、ちぐはぐになってしまうのだ。
お店によっては、小さいケースにはアタッチメントを付けて背を高くして、
全て一定の高さになるようにしているところもあるが、
個人のコレクターふぜいにはそんなものは付けられない。

私も最初はお店のように50音順に並べていた。
「えっと、あのソフトはどこかな? ア…カ…サ…あったあった」
なるほど、探しやすい。しかし例のサイズの違いが問題だ。
ある程度の数のソフトが集まるともう、雑然としている感じになるのである。
ちゃんと並べているつもりなのに雑然。…許せん!(笑)

「もっと見栄えのいい並べ方は無いものか」

最初に考えたのが、ケースのサイズ別にわけたらどうか、ということだった。
すると、ジュエルケースはまぁ、同じ大きさで揃うのだが、
曲者はトールケース。発売元によって大きさが微妙〜に違うのだ。
よく観察すると、これも2種類あることがわかった。
ひとつは多くのソフトに使われている、「AMARAY」と社名が刻印されたケース。
エッジが丸く処理されていて、大袈裟に言えば“カプセル”といった印象か。
もうひとつは主にワーナーのソフトに使われているケース。
こちらは今までのVHSのセルビデオのケースのような感じ、と言ったらわかるだろうか。
エッジが出っ張っていて、本のハードカバーのような印象のケースである。
ワーナーのケースが微妙に奥行きが長く、微妙に背が低いのである。

こうなるともう、ワーナーのソフトは別で並べるしかない。
すると当然、他のソフトも発売元別で並べることになってしまうのである。
ということで会社別に分ける作業が始まった。
「これはワーナー、これはパイオニア、これはフォックス、これはソニー、これは…」
同じ会社でジュエルとトールと両方出してるところもあるが、とりあえず無視。
50音順も無視して、とにかく会社別に並べてみて、また問題を発見した。
「ラックに並べるときの、会社の順番はどうしよう?」
ここで私の頭にはなぜか社名のの50音順で並べるというシンプルな考えが浮かばなかった。
私が注目したのは、パッケージの背表紙等に印刷されている番号。
当然だが、DVDにもそれぞれ番号が付けられている。
見ればどの会社も、2〜4文字のアルファベットの後に数字、という組合せのようだ。
その番号のアルファベット順に並べれば、必然的に会社別に並べられるわけだ。
(あぁ、なんてマニアックな並べ方なんだろう)

これである程度背面のデザイン(会社のロゴや、DVDマークの位置など)に統一感が出て、すっきりした。
しかしまだ問題が…。
厳密に番号順に並べると、それは(基本的には)DVDのソフトが発売された順番になるのである。
しまった。これでは続編のあるタイトルなどが離れて並べられたり、
古い映画でもソフトとして発売されたのが最近なら、“明らかにそれよりも新しい映画”のソフトより
後ろの方に並べられてしまう(って並べているのは私だが)。
分かり易い例で言うと、「ウルトラマン」より「ウルトラセブン」が前になってしまうのだ。
うーん、分かり易くないかなぁ。とにかく困ったのである。

いろいろ試行錯誤した結果、今の私のラックはこうなっている。
会社別は有効。その中の作品順は、タイトルの50音順ではなく、作品の公開年順。
つまり、いくら新しいソフトでも、古い映画だと前の方に収められるのだ(って収めるのは私だが)。

私は、買ってきたDVDを並べる時に、「これはどこに入るのかな〜♪」と、入れるべき場所を探すのが楽しい。
新作だったらその会社の欄の右端に並べてしまえば終わり。後日、また新作を買ってもまた右端に並べて終わりである。
私はほとんどDVDは中古で買ってくるので、新作を買うことはほんとに少ないので、
この「これはどこに入るのかな〜♪」を存分に楽しめるというわけだ。

ただこの並べ方だと、例えば嫁さんが「あの映画ダンナが持ってたよね。ちょっと見てみよっと」
とか思って探すときに苦労するんだろうなぁ。

ま、いっか。
独りで映画観ようなんて思う嫁ではないし。