話数選択へ戻る


タイトル


 32th Future 「みんな揃って犯罪者」


 夜が白々と明け、朝が来た。
 鳥のさえずりや車の音、人々の歩く音。街に喧騒が戻って来て、ゆかりは目が覚めた。
(あ)
 顔を上げると、既にバス停には人が二人並んでいた。時計を見ると、まだ朝の六時。二時間余りしか寝ていないゆかりだが、さすがにここで寝直すわけにもいかず、そ知らぬ顔でバス停を後にした。
「もう朝だよ・・・・」
 ゆかりはこっそりと孫の手を手にした。これだけ寝れば魔力は回復しているはずだ。
(あれぇ?)
 だが孫の手の魔力ドームは、まだほとんど空の状態だった。
(嘘、何で?)
 本当に壊れてしまったのだろうか、とゆかりが心配していると、前方にいた二人の若者がゆかりを指差していた。
(え、ゆかり、何か付いてる? それとも寝起きで目が真っ赤とか、寝癖が付いてるとか・・・・)
 ゆかりは慌てて銀行のガラス戸に映った自分の顔を覗き込んだ。確かに目は赤い、隈は出来ている、化粧をしていないので肌の色が悪い。
 恥ずかしいと思ったゆかりは、路地に入って孫の手を振ってみた。一瞬の内に中学生に変身する。魔法が使えたということで、孫の手は壊れていないことが判明し、ゆかりはほっとした。だがこの魔力の回復の遅さはなんだろう?
 中学生になり、すっぴんでも耐え得るすべすべ肌になったゆかりは、路地から出て街中を歩き出した。するとまた、自分を指差している若いカップルがいる。
(あれ、何で? まだ何か付いてる?)
 ゆかりがもう一度自分の顔を確かめようと思った時、そのカップルの男が近付いて来た。
「ねぇ君、姫宮ゆかり?」
「え? そうですけど・・・・」
 どうしてこの若者が自分の名前を知っているのだろうと疑問に思っていると、ゆかりの腕がその男によって掴まれた。
「きゃっ!?」
「よし、卯佐美公園だったよな!」
 もう一人の女が頷く。
「やったよ、これで百万円ゲット!」
(ひゃ、百万!?)
 ゆかりが何のことだろうと思っていると、男が自分の腕を引っ張って連れて行こうとする。
「離して、痛〜い! 誘拐!」
「馬鹿、誘拐じゃねぇ! お前、迷子だろ!?」
「ま、迷子!?」
「隠すなよ、ケータイにメールが来たんだ、お前を連れて行けば百万円貰えるってな! だから大人しくついて来い!」
「何それ、ゆかりそんなの知らないよ!」
「ははぁ、お前、迷子じゃなくて家出だな? だから行くのが嫌なんだろ。親に心配かけちゃ駄目だぜ」
 男の引っ張る力は強く、ゆかりはズルズルと引きずられてしまう。
「やだ〜、助けて!」
「おい、それじゃまるで俺が誘拐犯みたいじゃないか! 俺は親切で・・・・ん?」
 ゆかりの腕を掴んでいた男の肩に、誰かの手が置かれる。
「兄ちゃん、嫌がってるのに無理矢理連れて行くのは良くないなぁ」
 手の主はサングラスをかけた体格の良い男だったので、若者は一瞬ひるんだ。だが気を取り直して弁明する。
「違います、この子は家出少女で・・・・」
「無理矢理は良くねぇって言ってんだよ!」
 グラサンの男が若者を殴り飛ばす。ゆかりの腕を掴んでいた手が離れ、男は地面に倒れた。
「きゃぁぁ、信也!」
 カップルの片割れが男を助け起こす。その間にグラサンの男はゆかりに近付いて「怪我はなかったかい?」と聞いてきた。
「は、はい」
「そうか、良かったな。危ないから、おじちゃんと行こうか」
「ど、どこへですか」
「卯佐美公園だよ」
 殴られた男がゆかりを連れて行こうとした場所と同じだ。
(まさかこのおじさんもメールで・・・・!?)
「この野郎、横取りするんじゃねぇ!」
 殴られた男が起き上がり、グラサン男を後ろから蹴り飛ばした。
「このガキ!」
 グラサン男も負けじと蹴り返す。女が男に加勢し、ハンドバッグで頭を叩く。
「あわわ・・・・」
 ゆかりはその騒ぎに乗じて逃げようとした。だが、またもや「姫宮ゆかりだ!」指を差される。
(何なの、これ!? ゆかり、指名手配されてるみたいじゃないの〜!)


 ユタカはカクンと首が前に傾き、目を覚ました。
(しまった、居眠りを・・・・)
 一晩中ゆかりを捜し歩いていたとはいえ、寝てしまうとは何事だとユタカは自分に腹が立った。
(もう朝か)
 白々と夜が明け始めた時、歩き疲れて公園のベンチで座ったところまでは覚えている。目を閉じた一瞬後にはもう眠気が襲って来て、ほんの数分だが寝てしまっていたようだ。右肩に重みを感じる。巳弥もさすがに疲れたようで、ユタカにもたれて寝てしまったらしい。
(・・・・どうしよう。起こすのも可哀想な気がするし、ゆかりを捜さないといけないし・・・・)
 ユタカの前を、早朝ジョギングをしている年配の人が走り去った。タッタッという軽快な靴音にも、巳弥は目を覚ましそうにない。
(参ったぞ)
「あの〜、巳弥ちゃん?」
 返事も反応もない。
「俺さ、ゆかりを捜さないと」
 かすかにシャンプーの香りがした。
(本気で参ったぞ・・・・)
 今度は散歩をしている老夫婦がユタカと巳弥を見ながら通り過ぎた。
(いや、そういうんじゃないんです、俺達)
 何故かユタカが心の中で曖昧な言い訳をしていると、突然ポケットに入れていた携帯電話が鳴った。すぐに鳴り止んだので、メールの着信音だ。
(ゆかりか!?)
 ユタカは胸ポケットを探り、携帯電話を取り出した。その動きで巳弥が目を覚ます。
「あ・・・・ごめんなさい」
 巳弥が慌ててユタカから離れる。ユタカは携帯電話を開き、慌ててメールのチェックを行った。
「・・・・何だ、これは」
 ユタカの口調が険しいものになったので、巳弥は携帯電話を覗いてみた。
「えっ?」
 その画面には、ゆかりの写真が映っていた。
「ゆかりんの写真?」
「・・・・文章が付いている。添付写真の娘は姫宮ゆかり。卯佐美市内にいる可能性大。見付けた者には礼金百万円。卯佐美公園に連れてくること・・・・何だこれは!?」
「まさか・・・・」
 巳弥は立ち上がり、公園を見渡した。早朝なので人はまだ少ないが、犬の散歩やジョギングをしている人もちらほら見かける。その中の一人がユタカと同じくメールのチェックをしていた。
「何だ巳弥ちゃん、まさかって」
「夜が明けたら分かるって、他の人に手伝って貰うって、このことだったの」
 憂喜が言っていたことは、こういうことだったのか。不特定多数の携帯電話にメールを送り、謝礼を渡すと言ってゆかりを捜させる。人海戦術と言う訳だ。
「早くゆかりんを見付けないと、町中の人がゆかりんの敵になる!」
「急ごう」
 歩き出そうとした二人の前に、一人の少年が現れた。
「あなたは・・・・」
「僕にも協力させて下さい」
 その少年は、手に銀色の塵取りを握っていた。


「はぁっ、はぁっ・・・・」
 ゆかりは卯佐美駅の裏通りにある駐輪場の柵にもたれかかり、息を吐いた。
(どうしてゆかりがみんなに追われなきゃならないの!?)
 お金さえあれば喫茶店でもファミレスでも入って休憩出来るのだが、それも叶わない。喉も渇いたが、自販機のジュースさえ買えなかった。
(昔は公園に水飲み場とかがあったのにな・・・・そうだ、学校)
 うさみみ中学にはウォータークーラーが設置されており、休みの日でもクラブ活動の生徒がよく利用している。
 水でもいい、ゆかりはとにかく喉の渇きを潤そうと学校に足を向けた。
 先程からゆかりを捕まえようとする者が数名。どうやら携帯電話のメールが原因らしいが、ゆかりには訳が分からない。何故自分が家出少女で、卯佐美公園に連れて行かれなくてはならないのか。
(早く帰りたいよぅ・・・・)
 そんなゆかりの期待も空しく、携帯電話を手にした若者がゆかりを見て指を差した。
「姫宮ゆかりだ!」
「俺が先だ!」
 数人の男が目の色を変えてゆかりを追って来る。
「もう、やだぁ〜!」
 疲れ切った脚に鞭を打ち、ゆかりは方向転換して走り出そうとした。だが脚がもつれて転倒し、思い切り転んでしまった。
「いたぁ〜い!」
「捕まえろ!」
「百万だ!」
 いくつもの手がゆかりに伸びる。
「助けて〜!」
 耳鳴りがした。
 トンネルに入った時のような、耳がツーンとなる感覚。
 ゆかりは以前にも感じたことのあるその感覚を思い出していた。
(これは・・・・)
 周りを見ると、あれだけいた男達がいなくなっている。いや、ゆかりから遥か離れた場所に男達がいた。その群れ目掛けて、何故か巨大な樽が転がってゆく。
「うわぁぁ!」
「な、何だこれは!」
 人々は樽を避けようと左右に動こうとするが、体が動かない。
「くそ、飛んで避けるしかない!」
 樽を避けるため、一人がジャンプする。それに倣って他の者も跳んで避ける。だが失敗して樽と一緒に転がってゆく者も多数いた。
「な、何なのあれ」
 ゆかりがボーゼンとしていると、目の前に誰かが立ちはだかった。
「早く逃げろ、姫宮さん」
 その少年は右手に塵取りを構えていた。空いた左手で眼鏡のズレを直す。
「倉崎君!」
 その少年は倉崎命人(くらさき・めいと)だった。手にある塵取りはマジカルアイテムの「マジカルダストパン」だ。
 欠陥品マジカルアイテムを手に入れ、仮想空間に創り出したアクション、シミュレーション、対戦格闘ゲーム等でゆかり達に挑戦してきた倉崎だったが、最後はゆかり達と共に教育実習生の大河原と戦った。彼はゲームの世界を実体化させる「オタ空間」を得意としており、今のこの状況も彼のオタ空間の能力によるものだった。
「どうしてここに?」
「みここ君と芳井さんから事情は聞いた。彼女達が君の家からこの塵取りを持って来てくれたんだ。ここは僕に任せて逃げろ。僕のオタ空間『モンキーコング』で奴らを足止めする」
「で、でも・・・・」
「さっき出雲さんに会って、伝言を聞いている」
「伝言?」
「伝言は『友達になった場所で』だ。早く行け!」
「う、うん、ありがとう」
 ここは倉崎に任せ、ゆかりはその場から走り去った。倉崎から十五メートルほど離れた所でまた耳鳴りがする。どうやらここが今ここで作られているオタ空間の有効範囲らしい。範囲外に出ると、普段の街並みが広がっていた。
 ゆかりが大通りを避けて裏道に入ったことを確認した倉崎は、塵取りを掲げて更に転がる樽の数を増やした。次々と樽にぶつかって倒れる脱落者が増えてゆく。
「安心したまえ、この空間内で負った怪我は、この世界から出ると元に戻っている」
 ゆかりが逃げ切るまで時間を稼げばいい。ゆかりを捕まえようとしていた男達は礼金の百万円に目が眩んでいるだけなので、彼らに恨みはない。必要以上に痛めつけるつもりは倉崎にはなかった。
(指定アドレス受信の僕の携帯電話にもメールが届いたということは、犯人はこの辺り一帯の携帯電話に直接メールを送ったと考えるのが妥当か。これも魔法の力か? 一体姫宮さん達は、どんな奴等と戦っているんだ?)
「!」
 倉崎は目を見張った。
「な、何だって!?」
 前方から、転がる樽を気にせず真っ直ぐに歩いて来る者がいる。樽はその者をすり抜け、または直前で粉々に砕け散る。
「な、何だあいつは? 僕の『モンキーコング』のルールを無視するなんて!」
 オタ空間においては、強制的にその世界の創造主が決めたルールに従わなければならない。この場合は「プレイヤーは横方向に動けない」「樽に当たるとゲームオーバー」などだが、その少年は「当たればゲームオーバー」の樽をことごとく破壊しながら近付いてくる。
「妙な術を使う・・・・何者だ?」
 その少年は鷲路憂喜だった。予めみここ達から話を聞いていたので、倉崎も憂喜だと認識する。
「この妙な空間を作ったのは君か?」
「き、君はどうして僕のルールを無視出来るんだ!?」
「自分の心の世界を具現化し、自らの定めたルール外の行動を制限する空間か・・・・それが君のトランスソウルだな」
「トランスソウル・・・・マジカルアイテムのことか」
「この世界ではそう呼ぶらしいな」
 右肩に蒼爪を乗せた憂喜がゆっくりと近付いて来る。
「妙な魔力を感じたので来てみると、思わぬ人物と出会ったものだな。君のトランスソウルはデータにはない。いつ、どこで手に入れた?」
「ひ、姫宮さんが何をしたって言うんだ!」
 倉崎の手にある塵取りが光り、無数の樽が憂喜目掛けて降り注いだ。しかし憂喜は一歩も動かずにそれを全て蒼いマジカルバリアで防いだ。
「このゲームの世界で、バリアなんて存在しないはずだぞ!」
「この世界も所詮、魔法で創り出されたもの。圧倒的な魔力差の前には、そのルールすら僕を縛る枷にはならないよ」
「なっ・・・・」
「可哀想だな。自分の世界が他人に破られるなんて、考えたこともなかったんだ、君は」
「くっ・・・・」
 倉崎は自分が作ったゲームのルール内でゆかりや透子に負けたが、ルール自体を破られたことはなかった。
(魔力の桁が違えば、オタ空間と言えど効力を発揮出来ないと言うのか。小さなルールは、巨大な力の前には無力なのか。卑小な僕の力なんて、所詮は大きな力に踏みにじられる運命なのか)
 倉崎の足がジリジリと後退する。
(姫宮さん、この敵はヤバい。今までの敵とは世界が違う)
「君は姫宮ゆかりの逃走の手助けをした。トランスソウルの悪用にあたる」
 憂喜の手が光ったかと思うと、倉崎の体を蒼い輪が取り囲んでいた。
「・・・・?」
 何をする気だ、と倉崎が思っていると、その輪が縮まり、彼の体を締め上げた。
「うわぁぁっ!」
「言え。君の言っていた出雲巳弥からの伝言『友達になった場所』とはどこだ?」
「き・・・・聞いていたのか!」
「別行動を取っていた蒼爪が君の言葉を聞き、僕に伝えてくれた。言え、その場所はどこだ? 姫宮ゆかりはその場所で仲間と落ち合う気だな?」
「き・・・・君はその場所で、姫宮さんを捕まえる気か」
「姫宮ゆかりだけじゃない。その逃亡の手助けをした者、全てだ」
「無茶苦茶だ・・・・それは君達のルールで、僕達には関係ない。よその世界のルールを僕達の世界に持ち込まないでくれ!」
「そう言って、いつまでも自分の殻に閉じこもっているがいい」
 憂喜の目が鋭く光り、蒼いリングの締め付けが強くなった。
「ぐああっ!」
 腕が千切れるほどの痛みで、倉崎は地面に膝をついた。その頭に、蒼爪が飛び乗る。倉崎は文字通り頭を鷲掴みにされた。
「出雲巳弥の伝言の意味、言わなければ蒼爪の爪が君の目をえぐるぞ」
「ひっ・・・・や、やめて・・・・」
「素直に喋ればいいだけのことだ」
「し、知らないんだ、本当に!」
「つまらない言い訳はよせ」
「本当に知らない・・・・誰もが知っていたら、暗号にならないだろう!」
「心当たりは?」
「さぁね。姫宮さんと出雲さんが友達になった場所なんて、知っているわけがないだろう」
 更に締め付けが強くなる。
「ぐああっ、し、知っていても言わないぞ!」
「何故、庇う?」
 地面に倒れた倉崎の眼鏡が飛んだ。
「い、今まで僕は一人だった・・・・そんな僕に、頼ってくれる人が出来た。守ろうと思う人、一緒に何かを出来る人達が出来た。それは友達になれる、仲間になれるかもしれない人達だ・・・・僕は、この大切なものを・・・・失いたく・・・・ない・・・・」
 そこまで言って、倉崎の言葉は途切れた。気を失ったのだ。
「軟弱なくせに。仲間だと? 弱い者同士の馴れ合いだ・・・・」
 倉崎を縛っていた蒼い輪が解け、蒼爪は憂喜の肩に戻った。
「姫宮ゆかりはまだそう遠くには行っていないはず。追うぞ、蒼爪」
「コノ者ハ?」
「つまらない男だ。いざとなれば直ぐにでも捕まえられる。放っておけ」
 倉崎が気を失い、彼のオタ空間は消え去っていた。憂喜は横目で倉崎を見ると、蒼爪から聞いたゆかりの逃げた方向に向かった。
「倉崎さん!」
 憂喜が遠ざかったのを見計らい、こなみが倉崎に駆け寄った。
「みんなに連絡しなきゃ・・・・」
 こなみはマジカルアイテムを持っていない。ゆかりの父親に「ゆかりさんの友達です」と名乗り「もう一泊するので代わりに着替えを取りに来ました」と言ってゆかりの部屋に入り、マジカルダストパンとマジカルハンマーを持ち出したのだが、愛着のある方がいいだろうと言うことで、塵取りは倉崎、ハンマーはみここが持つこととなった。
(そうだ、これを借りよう)
 こなみは倉崎の持っているマジカルダストパンを借用し、近くにあった植え込みの縁に倉崎を座らせ、治療を行った。見様見真似だが、マジカルアイテム自身が使用者を承認して願いを聞くだけなので、難しいことは何もなかった。みるみる青紫色になっていた倉崎の首が元の色を取り戻す。
「ん・・・・」
「気が付きましたか?」
「芳井さん・・・・そうだ、奴は!?」
「もう行ってしまいました」
「そうか・・・・とにかく出雲さん達と合流しよう。あの敵は危険だ。決して戦ってはいけない」
 倉崎はこなみからマジカルダストパンを受け取ると、公衆電話に入ってユタカの携帯に電話をした。公園で打ち合わせをした際、何かあったら電話をくれと電話番号を預かっていたのだ。
「だが、どうすればいいんだ? ずっと逃げ回るわけにもいかないし、相手の思うように捕まればどんな処分を受ける分からない・・・・かと言って、戦えば絶対に負ける」
「そんな・・・・」
 倉崎の真剣な表情を見て、不安になるこなみだった。



33th Future に続く



話数選択へ戻る