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20th Future 「囚われの芽瑠」
アジトに戻った風刃と離水は「すぐ追いつく」と言っていた紫眼を待ってからミズチの元へ報告に行こうと、彼が帰って来るのを待っていた。
「・・・・遅いな」
「ええ・・・・まさか、やられたのでは?」
風刃は新入りなので離水に対しては敬語になる。
「まさか。奴は我々の中でも一番の実力者だぞ」
「そうですね・・・・」
(まさか萌瑠にあんな力があるとは・・・・)
風刃は腕を失った自分の肩を見た。普段あるものがないのは、やはり違和感がある。
「腕を移植して貰うか、風刃」
「ええ・・・・でもまずこれをミズチ様に」
風刃は左手に持ったマジカルアイテム(の偽物)を眺めた。
「こんなものが、ミズチ様の恐れるものなのか」
離水はそれをヒョイと摘むと、目を近付けた。
「かつてその力でミズチ様は倒されたらしいのですが・・・・信じられません」
「だな・・・・」
(しかも、使っているのはあの小娘・・・・ならば、私が使えばもっと強力な武器になるのでは? それこそ、紅嵐など一瞬にして・・・・まてよ)
「どうしました? 離水さん」
「・・・・」
(これを使えば、私でもミズチ様を倒せるのでは? いや、倒せる。あの小娘でさえ倒したのだぞ)
ミズチを倒せば、自分が王だ。
命令をされる側ではなく、する側だ。美味い物も喰えるし、女も抱き放題だ。
「ふふ・・・・」
「離水さん?」
「風刃、お前はミズチ様を尊敬しているか」
「それはもちろん・・・・俺の力を認めてくれて、このような地位に付けて下さった方ですから」
「もし仮に、万が一、ミズチ様が王の座を退いたらどうする?」
「何ですか? その質問は・・・・そうですね、そうなったら仕える理由はなくなりますが・・・・もっとも、誰が王になるかが問題ですけど」
「だろうな」
(ま、そうなればお前はいなくてもいい存在だがな)
「風刃、このマジカルアイテムは私が預かっておく。紫眼の帰りを待って、ミズチ様にお届けしよう。お前は医師に診て貰うといい・・・・心配するな、こいつを手に入れたのはお前だとミズチ様にお伝えするからな」
「いえ、心配など・・・・それではお願いします」
風刃は踵を返し、医師の元へと向かった。それを確認し、離水は紫眼を待つことなくミズチのいる部屋に足を向けた。
(さて・・・・ところでこいつはどうやって使うのだ?)
手の平に収まる大きさのマジカルアイテムで、どうやってミズチを倒せるのか。離水にはその方法が思いつかなかった。
(使い方を聞いてくれば良かったな。ここで使い方を知っている者は・・・・)
足音が聞こえ、芽瑠は目を開けた。ここに来るのは専ら風刃なので彼かと思ったが、どうやら足音が違う。
「水無池芽瑠君」
「あなたは・・・・」
芽瑠は離水の顔を見たことはあるのだが、名前が出て来ない。確か風水等の研究をしていたはずだという記憶はあるが、研究所も違うので面識がなかった。
「離水という」
「・・・・」
風刃以外の人物が来るのは、あまり良い兆候ではないと芽瑠は思った。食事を持って来たわけではないらしい。
「君は純血と面識があったね」
「・・・・はい」
「なら、マジカルアイテムとやらの使い方も知っているね」
「マジカル・・・・アイテムの?」
改めて「使い方」と言われても、実際に使用したことがない芽瑠にはピンと来ない。
(変身したり、物を作り出したり、攻撃したり、色々出来たと思うけど・・・・実際に魔法を使う際に何か呪文が必要なのか、持ち主以外は使用できないとか・・・・基本的なことも何も知らないわ)
「単刀直入に言おう」
離水は鉄格子に近付き、声を低くした。
「実はマジカルアイテムがここにある」
「えっ?」
「しっ、大声を出すな、人に聞かれる・・・・それで私はこのマジカルアイテムを使ってミズチを倒そうと思っているんだ」
「・・・・ミズチを倒す?」
「私は君達の味方だ。ミズチ側についたと見せかけて、ミズチを倒そうと思っていた。もちろん、君にも君の仲間にも危害は加えていないし、加える気もない。これでも私は研究所で紅嵐と一緒に研究をしたこともあるんだ。ミズチなんかの仲間になど、なるはずがない」
もちろん嘘である。離水は芽瑠からマジカルアイテムの使用方法を聞き出す為、仲間であると思わせる必要があった。
「・・・・」
芽瑠は離水の顔色を伺っていた。
(でも、どうしてマジカルアイテムがここに? 姫宮さんや藤堂院さんが持っているマジカルアイテムをどうやってこの世界に?)
「えっと、離水さん。それはどうやって手に入れたんですか?」
「紅嵐達の生き残りに『マジカルアイテムを渡せば見逃してやる』と言ったら、ピンクの娘が差し出した。おっと、紅嵐達をどうやったら助けられるかということを考えてやったことだ。敵を騙すにはまず味方からと言うからな」
「ピンク・・・・」
(と言う事は、ゆかりんがこの世界に来てるってことね。どうやって来たかはひとまず置いといて、そのマジカルアイテムは本物なのかどうかね)
芽瑠は以前、ゆかり達にマジカルアイテムの力で作り出した、捜し求めていた宝玉のレプリカを渡されてまんまと騙されたことがある。今回もその可能性がないこともない。
(マジカルアイテムが本物でも偽者でも、とにかくこの離水って人が本当に味方なのかが問題だわ)
ミズチ側に寝返ったと見せ掛け、ミズチを倒すきっかけを待つという話は、不自然ではない。
「他に仲間は? 離水さん一人ではマジカルアイテムがあったとしても無謀では・・・・」
「あんな小娘が倒せたんだ、私が同じ武器を使って倒せないはずがない。雑魚の対策は考えてある。この地下にある水脈を使って洪水を起こし、混乱しているその間にミズチを倒す。ミズチの部屋はこの基地の頂上だ。洪水の影響は受けない」
(もっとも、マジカルアイテムの使い方さえ聞き出せば、お前も一緒に溺死させてやるがな)
「・・・・そうですか」
(マジカルアイテムが偽物だとすれば、この離水って人がミズチにやられちゃう。本物だとして、魔法を使えたとして、本当にミズチを倒せるの? 倒してもらえるなら有難いんだけど、倒せなくておまけにマジカルアイテムをミズチに奪われたらそれこそ最悪・・・・)
「あの、先生や魅瑠姉さん達は?」
「私達を追って来ていたようだが・・・・あの人数ではどうしようもなかろう」
「離水さんが一人でミズチに挑むよりはいいと思います。彼らが来るまで待ってはどうでしょうか? 地上界の人は、そのピンクの女の子だけでしたか? 青いロングスカートの女の子は?」
「・・・・いや、そういう奴はいなかったな」
「そうですか・・・・」
「早くこのマジカルアイテムとやらの使い方を教えてくれないか。私が帰って来た事はミズチ様にも伝わっている。早くこれを持って行かなければ、余計な疑いがかかる」
「は、はい」
「離水様、ここにいらっしゃいましたか!」
牢獄全体に響くような大声で、下っ端の兵が叫んだ。
「ミズチ様がお待ちでございます!」
「ちっ・・・・早く使い方を教えろ、このガキ」
「・・・・」
(急に言葉遣いが変わった・・・・)
「ちょっとそれ、見せて下さい」
「何だと、駄目だ!」
「見るだけです、その・・・・スイッチはどこにあったかなと思って」
「駄目だ駄目だ、信用出来ん。囚人に武器を渡すなど・・・・」
「・・・・」
(囚人という表現・・・・私を仲間だとは思っていない証拠・・・・やはりこの人は私達の味方なんかじゃない。かと言って、ミズチに教えるためにマジカルアイテムの使い方を聞きに来たわけじゃない。それなら一度ミズチにマジカルアイテムを渡してからでも、ゆっくり私から聞き出せばいいだけのこと。マジカルアイテムを持ったままミズチに会える唯一のチャンスである、今を逃してはならないという焦り・・・・この人はミズチを倒すつもりだけど、私達の仲間というわけでもない。この人はミズチに取って代わって王になるつもりなのかも)
「早く教えろ!」
「・・・・分かりました」
(ゆかりんの性格なら、先生達を助けるためなら本物のマジカルアイテムを渡しちゃうことも考えられる・・・・もし本物だったら・・・・)
「離水様!」
「分かってる、すぐ行く!」
「いえ、それが・・・・紅嵐達が基地の外にいるとの情報が!」
「来たか・・・・」
(紫眼はどうしたのだ? どれ・・・・)
離水が両手で円を書くような動きをすると、そこに鏡のような板が現れた。何かを念じたかと思うと、表面に何かが映し出された。どうやら外の景色のようで、紅嵐や魅瑠、雨竜等の姿が見える。その中に、うさぴょんモードのゆかりもいた。
「何だ、こいつは。こんな奴はいなかった・・・・いや、あのピンクの魔法少女か。服が変わっているので分からなかった」
「・・・・服が? あの、離水さんがマジカルアイテムを奪った時は別の服装を?」
「あぁ、もっと派手な恰好だったな」
「・・・・そう」
(ゆかりんはマジカルアイテムがないと変身できない。衣装が変わっているのは、ゆかりんがマジカルアイテムを持っているということ・・・・つまり離水さんが持っているのは、偽物!)
「離水さん、マジカルアイテムの使い方を教えます」
一方、ゆかりは「うさぴょんサーチ」で芽瑠の居場所を探っていた。
「どうですか?」
紅嵐は邪魔にならないようにと、小声で問い掛けた。
「これ・・・・かな、でも遠過ぎて、はっきり分かんない・・・・」
「そうか、やはりもう少し近付かないと無理ですか・・・・」
「しかし、これ以上近付くと危険です」
雨竜は目を閉じたまま腕を組んでいた。
「既に我々はあちらに気付かれている・・・・今にも襲い掛かろうとして、山に潜んでいる者が数十名・・・・」
「ひぇぇ」
莉夜が雨竜にしがみつく。
「心配ありません、雑魚ばかりです」
と紅嵐は言うが、紅嵐にとっては雑魚でも莉夜には強敵であるに違いない。
「莉夜・・・・こんな時だ。いい加減に力を使え」
雨竜の台詞に首を振る莉夜。
「嫌だ、恰好悪いもん。あんな姿、絶対にならない!」
「そんなことを言っている場合か。お前の力一つで戦局が変わるかもしれないのだぞ。命を一つでも多く救えるかもしれないんだぞ」
「だって・・・・覚醒したって莉夜は弱いから・・・・」
「いつも俺が助けてやれるとは限らないんだ。来たぞ」
「えっ!」
莉夜の目に、数十人とも見える敵の部隊の姿が映った。飛んで来る者、走ってくる者、様々だ。
「仕方ない、突破します」
紅嵐は地面に着きそうなほど長い法衣を脱ぎ去ると羽根を拡げ、そのまま空の部隊に向かって飛んだ。
「我々も行くぞ、迅雷、櫂!」
雨竜も紅嵐の後を追う。迅雷と櫂は飛べないので、地上から迫り来る舞台を迎え撃つ為に地を蹴った。
「えいっ」
ゆかりもうさぴょんモードから通常モードに切り替えた。これで魔力は消費するが、マジカルフェザーにより空を飛ぶことが可能になる。
ゆかりが空を見ると、紅嵐が風の攻撃で敵の空中部隊をことごとく吹き飛ばしていた。彼の周りには誰一人として近付くことが出来ない。
「私が道を開けます!」
「乗り込むお積りですか!?」
「雨竜、あなたは姫宮ゆかりと共に付いて来て下さい。取り敢えずは芽瑠を助け出します」
「は、はい!」
地上では迅雷が雷、櫂が炎で敵を迎え撃った。魅瑠は莉夜と萌瑠を庇いながら迅雷と櫂が開いた道を進んだ。
「失礼致します、ミズチ様。離水にございます」
離水は緊張した面持ちでミズチの部屋の前に立った。少しして「入れ」との応えがあり、離水はゆっくりと重いドアを開け、ミズチの部屋に入った。部屋の外には三人、部屋の中に二人のボディガードがいる。
部屋と言っても洞窟の中なので、豪華絢爛というわけにはいかない。部屋の周りは岩の壁で、上を見ても下を見ても岩ばかりであった。確かにミズチには洒落たデザイン等は似合わないだろうが・・・・。
「離水、ご苦労だったな」
ミズチは足首まである黒い法衣を着て、椅子に座っていた。雨竜はその前に膝を付いて座った。
「報告によれば、例の物を手に入れたということだが?」
「はっ、マジカルアイテムを手に入れて参りました」
「おお・・・・あれさえ手に入れば、もうわしに敵はいない。どれ、見せてみよ」
「はっ」
離水はマジカルアイテム(の偽物)を手の平に乗せ、ミズチに見えるように差し出した。
「・・・・それが、か?」
「はっ、間違いなく」
「・・・・わしの知っておるマジカルアイテムは、もっと大きかったが」
「これはコンパクトに畳まれた状態だそうです」
「ほう」
玉座に座った状態で床まで届く髭を撫でながら、ミズチは離水の手の上に置かれた物を見ていた。
冷や汗をかきつつ、離水はタイミングを計っている。
(チャンスは一回、失敗すれば終わりだ。だがこの機会を逃せばミズチを倒す好機はない・・・・既に手は打った。後は堰を切るだけだ)
頭の中で、芽瑠に教わったマジカルアイテムの使い方を反復する。
(恥辱の限りだが、ミズチを倒せるのなら安いものだ)
「離水、それをよこせ」
ミズチの皺だらけの手が差し出されたかと思うと、離水の目の前まで伸びてきた。
(化け物め・・・・!)
離水は「念」で「堰」を切った。
その瞬間、地の底から激しい揺れと轟音が襲ってきた。
「な、何事だ!」
ミズチのボディガード達が慌てる。
離水の水を操る能力によって、この蛇神山の下に眠っていた水脈がミズチのアジトに向かって襲い掛かったのだ。
「何事か、見て参れ!」
ミズチがボディガード達に命じる。彼らは一斉に部屋を飛び出し、部屋の中はミズチと離水の二人になった。
揺れはまだまだ激しく続いている。
(今だっ!)
離水はマジカルアイテム(偽物)を握り締めると、手を振り上げた。
「い、いくよ!」
ミズチに向かってウインクを一発!
「みにみにすか〜と、ふりふりふりる! ぱんちらた〜んで、はぁとをげっと!」
つま先で一回転ターンを決める。
「いっけ〜、スゥィートフェアリー・スターライトスプラ〜ッシュ!」
(死ね、ミズチ!)
静寂。
「・・・・」
さすがのミズチもあっけに取られていた。
(・・・・おや?)
離水は芽瑠に教わった通りにやった。彼の頭の中にはミズチが倒れるシーンが描かれていたのだが・・・・。
「気がふれたか、離水」
「え、いや、こんなはずは・・・・! くそ、芽瑠の奴! 騙しやがったな!」
「貴様、わしに向かって攻撃を・・・・」
「め、滅相もございません!」
離水の目の前が真っ赤になり、すぐに暗くなった。口を開けて襲い掛かってきた大蛇に咥えられたのだと気付いた直後、ボキボキという嫌な音と共に彼の体中の骨が砕かれ、飲み込まれた。
「・・・・偽物を掴まされよったな、離水」
大蛇の首がミズチの背中に帰り、消えた。
「貴様の妖気は良い馳走になった。光栄に思うが良い」
なお地鳴りが続く床に降り立つと、ミズチは玉座の横に置かれた杖を手にした。
「この地鳴りも離水の仕業か・・・・? 中途半端に力を持った者はろくな事を考えぬ」
地鳴りが起こり、地面が揺れたかと思うと、岩の扉の隙間から大量の水が侵入して来た。
「な、何なの!?」
座っていた芽瑠は慌てて立ち上がった。みるみる内に、牢獄の中に水が溜まってくる。あっと言う間にひざの辺りまで水に浸かった。
(洪水・・・・? まさか、ここは川より高い位置にあるのに!)
芽瑠は爪を伸ばすと鉄格子に向かって振り下ろした。だがカキーンという金属音が鳴り、爪の跡が少し残っただけだった。
(どうしよう・・・・!)
既に腰まで水に浸かった。水温はかなり低く、冷たい。
「誰か、ここから出して!」
見張りはどこかに行ったきり戻って来ない。逃げたのだろう。
水面は胸の辺りまで迫った。
「誰か・・・・!」
何者かが水に潜り、鉄格子の鍵を開けた。その人物は牢獄の中に入ると、芽瑠の腕を掴んだ。
「来い、逃げるぞ!」
「風刃君!?」
驚いている暇は無い。芽瑠は風刃と共に水に潜ると、鍵の外れた扉から外に出た。風刃が妙に泳ぎ辛そうにしているなと思った芽瑠は、彼の片方の腕が無いことに気付いた。
「風刃君、それ・・・・」
「まずは脱出だ!」
水路となった通路を泳ぎ、上を目指す。非常事態の知らせで全ての外に通じる扉を閉めたことが裏目に出て、蛇神山のミズチのアジトは巨大な水槽と化していた。既に溺れ死んだ者の死体が浮かぶ中、芽瑠と風刃はまだ水に浸かっていない上の階に向かっていた。
その異変は外にいたゆかり達も感じていた。
「この地響き・・・・」
自分達の隠れ家を襲った、憎らしい洪水の前に聞いた地鳴りに似ている、と紅嵐は感じた。
紅嵐が山の中腹に降り立つと、山の上から兵士が転がるように降りて来た。
「おい、中で何があった!?」
「し、知らない、水がいきなり・・・・!」
「水・・・・」
凄まじい音と共に岩が崩れ、大量の水が噴出した。水流に混じり、ミズチ軍の兵士も一緒に吹き飛ばされている。
「あんたも早く逃げろ!」
転がるように逃げる兵士を見送り、紅嵐はついて来ている雨竜とゆかりに向かって叫んだ。
「なるべく地表から離れなさい、水が噴出すかも知れません!」
「分かりました!」
ミズチのアジトに近付き、ゆかりは再び「うさぴょんサーチ」を行った。すると、微かに芽瑠のものらしき息遣いが聞こえる。
「雨竜さん、芽瑠ちゃんだぴょん!」
「何、どこだ!?」
「もっと上・・・・頂上付近だよ!」
「上か! 先生、芽瑠は上です!」
紅嵐、雨竜、ゆかりが頂上を目指している頃、覚醒した魅瑠、萌瑠、迅雷は山の斜面を駆け上がり、櫂は莉夜の魔法の竹箒に乗せられて上を目指していた。
21th Future に続く
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