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タイトル


 16th Future 「ようこそ闇の国へ」


 莉夜の足元には「時空ゲート発生装置」の片側が転がっていた。
「あ〜あ、倒しちゃった」
「だって、こんなに狭い所に置くのが悪いんだよ!」
 莉夜はロッカーに振り回した腕をぶつけ、涙目になりつつ抗議した。
 ゆかりが「ゲート」をくぐりイニシエート側に辿り着いた場所、それは狭いロッカーの中だった。真っ暗な場所に出て「ここどこ〜!?」とパニックになっている所に続けて莉夜が出現し、狭いロッカーはすぐに定員オーバーになってしまった。その拍子に莉夜が2本の棒が立ち並ぶゲート発生装置の片側を倒してしまい、ゲートが閉じてしまったのだった。
「元に戻らないの?」
 ゆかりが倒れた棒を元の位置に立ててみたが、何も起こる気配はなかった。
「駄目だよ、その装置は設定が難しいんだから」
「あずみちゃん、置いて来ちゃったね」
 取りあえずゆかりと莉夜は狭いロッカーから抜け出し、辺りを見渡した。灰色の壁に囲まれた部屋にロッカーが立ち並ぶ。部屋の明かりは薄暗く、ボーっとしていた。
「きっと装置が見付からないように、ロッカーの中に入れたんだよ」
「莉夜ちゃん、ここどこなの?」
「研究所の更衣室だと思う」
 二人は部屋を出て灰色の廊下を歩いた。辺りには誰もいなくて、何の音もしない。
「誰もいないのかな」
「そんなはずはないんだけどなぁ」
 この紅嵐が所長を務める研究所には、平日・休日、昼夜問わず人の出入りがある。だが今は人が全て消失したかのような静けさで満たされていた。
「まさか、みんなミズチにやられて・・・・」
 縁起でもないことを莉夜が口にしたその時、廊下の向こうから足音が聞こえてきた。
「莉夜ちゃん、人がいるよ!」
「行こう!」
 パタパタと二人の廊下を走る音が響く。それが聞こえたのか、向こうからも「おい、誰かいるぞ!」という粗野な叫び声が聞こえてきた。粗野でも何でもいい、人がいると分かったゆかりと莉夜は喜び勇んで廊下を駆け抜けた。
 だが・・・・。
「おおい、いたぞ。美味そうな娘二人だ!」
「美味そう!?」
 ゆかりと莉夜が廊下で対峙した人物は、およそ人物と呼べないような容姿をしていた。
「か、カエル!?」
「誰がカエルだ、誰が!」
 その男は、例えるならガマガエルの妖怪だった。その身長は二メートルほど、横幅は廊下の幅の半分以上を占めていた。肌はイボイボが無数にあり、顔はカエルそのものだ。
「り、莉夜ちゃん、あれなに!?」
「・・・・ミズチの手下だよ」
 莉夜の声が緊張したものに変化する。
「まずいなぁ、二匹もいる。けっこう強いよ、あいつら」
「強い以前に、気持ち悪いんだけど!」
 ゆかりの肌に鳥肌が立った。笠目が作ったカエル怪人もかなり気味悪かったが、カエルの顔で人間の言葉を喋られるのも相当に不気味だ。
「おい、俺らが気持ち悪いんだとよ!」
「もっと気持ち悪がらせてやろうか、例えば・・・・」
 ガマガエルの片割れが、ゆかりと莉夜目掛けて突進してきた。
「抱きついたりしたら、もっと気持ち悪いだろうなぁ!」
「いやぁぁぁぁ〜!」
 呪文を唱える余裕もなく、ゆかりは魔法の孫の手を突き出した。ちなみにゆかりはゲートをくぐる前に「ぷにぷにゆかりん」の衣装に変身していた。十六話まで魔法少女のコスチュームに変身しないとは、とんでもない魔法少女物だ。
「スウィートフェアリー、マジカルトゥインクルスター!」
 孫の手の先から無数の光の星が打ち出され、ガマガエルの体を襲った。
「うぎゃあ、いてぇぇぇぇ!」
 ガマガエルは足を止め、トゥインクルスターの当たった部分を摩った。
「こいつ、変な技を使うぞ!」
「俺がおしおきしてやるぜ」
 もう片方が指をパキパキ鳴らす恰好をして前に進み出た。指が柔らかいので、実際には鳴っていない。
「おい、いきなり喰うなよ。じっくり楽しんでからだ」
「分かってるって」
 何をどうやって楽しむのか分からないが、何となく嫌らしい視線にたじろぐゆかりと莉夜。無意識の内に足が後ろに下がる。
「あっ、あの部屋・・・・」
 莉夜が廊下の突き当たりにある部屋を見て呟いた。その部屋のドアはカエル二匹の真後ろにある。
「ど、どうしたの? 莉夜ちゃん」
「ゆかりん、伏せて!」
「え?」
 訳の分からないまま、ゆかりは莉夜に押し倒されて廊下に伏せた。
「タロー君、出撃! ろけっとぱ〜んち!」
「はぁ?」
 莉夜の叫びから一瞬後、カエルたちの背後のドアが吹き飛び、何かが猛スピードで飛び出して来た!
「ぎゃぁぁぁ!」
 その塊がカエルの顔面にヒットする。カエルはそのまま廊下に倒れて転がった。
 吹き飛んだドアから、人影が現れる。
「な、何だこいつは!」
 もう一匹のカエルがその人物を前にして身構える。
「タロー君、そいつをやっつけて!」
「オーケイ、プリティガール」
 タロー君と呼ばれたその男は、右腕の肘から先がなかった。廊下には先程カエルを吹き飛ばした塊が転がっている。タロー君の腕だった。
「ふざけやがって、ロボットか!」
 カエルがタロー君に向かって突進する。タロー君は残っている左腕を前に突き出した。
「ヘイ、ユー。受けろロケットパンチ!」
 掛け声と共にタロー君の左腕が飛ぶ。だが、カエルは見掛けに寄らず素早くロケットパンチを避けると、タロー君のボディにパンチをお見舞いした。
「アウチ、ユー、いいパンチしてるね!」
「誉めてる場合じゃないでしょ〜!」
 莉夜の叫びも空しく、両腕のないタロー君は殴られっぱなしのサンドバッグ状態だった。
「タロー君!」
「リヨ、ノープロブレム!」
「え?」
「リーサルウエポン、承認! ネックロック、リリーヴッ!」
 膝を折り、タロー君の上体が沈む。
「そ、それは・・・・!」
「受けろ、ロケットヘ〜ッド!」
 タロー君の後頭部から火が噴出し、頭が飛ぶ。それはカエルの顎にクリティカルヒットした。


 廊下に転がる二匹のカエルを横目に、莉夜がタロー君の両腕と頭を拾い上げ、本体に取り付けた。タロー君の頭部は、廊下に転がっていてもなお、アメリカンスマイルを保持していた。ちょっと不気味だ。
「大丈夫? タロー君」
「ノープロブレム」
「へぇ・・・・」
 ゆかりがタロー君を珍しそうにジロジロと観察する。
「ヘイ、プリティガール。そんなに見ないでくれ、照れるぜ」
「うわぁ、喋るんだ」
 感心しているゆかりに、莉夜が解説する。
「喋るって言っても、予め入力した言葉から選んでるだけだよ」
「ふ〜ん。莉夜ちゃんが作ったの?」
「うん。タロー君はロケットパンチを得意とするロボットなんだ」
 えっへん、という顔をする莉夜にゆかりが更に質問した。
「あずみちゃんも?」
「へ?」
「あずみちゃんも予め入ってる言葉しか喋らないの? でも凄く自然に喋るよね」
「あ・・・・まぁ、あずみちゃんは・・・・」
「莉夜ちゃんが作ったんでしょ?」
「そ、そうだけど・・・・あ、タロー君、ご苦労様! もうお家に帰っていいよ」
「シーユーアゲイン」
 タロー君は手を振ると、自分が入っていたロッカーに戻って自分でドアを閉めた。
「ねぇ、あずみちゃんとはかなり違うよね。あ、タロー君はロボットであずみちゃんはアンドロイドだっけ?」
「ま、まぁいいじゃん、そんな細かいことは。それよりカエルが目を覚ましたらやっかいだから、早く外に出ようよ」
「うん」
 莉夜がなぜあずみの話題を避けているのか、ゆかりには理解出来なかった。あずみのような凄いアンドロイドを作ったのだからもっと威張ってもいいはずなのだが、あまり誉められることが好きではないのかな、と取りあえず納得しておく。
「あ、そうだ!」
 前を歩いていた莉夜が突然立ち止まったので、ゆかりは莉夜が背負っているリュックにぶつかった。
「あのペンダント!」
「ペンダント?」
「えっと、こっちの部屋だったっけ」
 ゆかりが訳も分からずに立っていると、隣の部屋に入って行った莉夜が青く光るペンダントを手にして戻って来た。
「良かったぁ、無事だったよ」
「綺麗なペンダントだね、莉夜ちゃんの?」
「ううん、これはあずみちゃんのエネルギーなの。多分」
「多分?」
「あ、ううん、エネルギー、そう、エネルギー」
「でもそれがなくても動いてたよね、あずみちゃん」
「あ、案外、燃費がいいみたい」
「ふ〜ん。でも早く持って帰ってあげなきゃね。ゲートさえ消えなきゃ、あずみちゃんもこっちに来て、今頃はエネルギーを補給できたのにね」
「あ〜、それって遠まわしにこの莉夜ちゃんが装置を倒したこと、非難してる? 落ち込むよ〜・・・・」
「でも、あれは事故だし。仕方ないよ」
「そうだよね」
 ゆかりが驚くほど素早く立ち直る莉夜だった。
 二人は研究所の外に出た。全体的に薄暗く、ゆかりは「今は夜かな?」と思って莉夜に聞いてみたが「昼間はいつもこんな感じ」という返事が返って来た。
 あまり高い建物はなく、遥か向こうの山々まで見渡せる。研究所の敷地を出ると、荒野と呼ぶにふさわしい荒地が続いていた。
「どこに行けばいいの?」
 イニシエート初体験のゆかりは、心細くなって莉夜に訪ねた。だが、頼りない答えが返って来る。
「さぁ・・・・」
「さぁって・・・・」
「だって、みんな研究所にいると思ったんだもん。そこがもぬけの殻でしょ? どこかに場所を変えたのか、あるいは・・・・」
「みんなやられちゃったとか・・・・」
「ふ、不吉なこと言わないでよ、ゆかりん!」
「莉夜ちゃんだって、思ってたでしょ!」
「不吉だから言わなかったのよ・・・・」
 人影はなく、風の音だけが辺りを包んでいた。まるでこの世界が本当に滅んでしまったかのような気さえする。先程のカエル達に会っていなければ、その考えは更に増大していただろう。
「何とかして、捜し出すことは出来ないの?」
「う〜ん、仕方ない」
 ゆかりが「何だろう」とずっと不思議に思っていた、莉夜の背負っているリュック。莉夜はそのリュックを下ろして、ポケットから小さな木の棒のようなものを取り出した。それは巳弥が部屋に保管していた「魔法の竹箒」だった。
「あ、それって・・・・」
「こっそり持って来たの」
 莉夜が小さな竹箒を振ると、一瞬のうちに元の大きさに戻った。
「これで空から捜してみるよ! でも、ちょっと待ってね」
 莉夜は更にリュックから黒いワンピースとマント、それに帽子を取り出した。
「箒で飛ぶには、正装しないと」
 屋外なのに、ゆかりが見ているのに、莉夜は気にせず服を脱ぎだした。Tシャツと短パンを脱ぐと、靴下と下着のみの姿になった。ブラはその機能を持て余しているように見えるが、見栄もあるのだろう。手製の黒いワンピースを頭から被って、腕を通す。地面に置いた魔法の竹箒を持つと「やっぱこれでしょ!」とポーズを決めた。服装を気にするあたり、ゆかりよりも魔法少女としてのこだわりがある。脱いだ衣類をリュックに入れると、莉夜はミニのワンピースで箒にまたがった。
「ゆかりんも乗りなよ」
「え。でも」
「二人乗りだよ」
「噂では、あずみちゃんを乗せて飛んだから落ちたって・・・・」
「あ、あの時は追っ手に追いかけられたからだよ。莉夜ちゃんの腕を信じなさい」
 どう転んでも信じられなかったゆかりだが、ちょっとだけ「箒で空を飛ぶ」といういかにも魔法使いチックな行動に憧れを感じる。
「じゃあ、ちょっとだけ・・・・」
 ミニスカで足を上げて箒にまたがるという行為はゆかりにとって結構恥ずかしいことだったが、他に誰も見ていないので思い切ることにする。莉夜の背中にはリュックがあるので少し窮屈だった。ゆかりはマジカルフェザーで飛ぶことが出来るのだが、魔法の消費が激しいので出来ることなら避けたい。これから何が起こるか分からないのだから、なるべく魔力は温存しておきたかった。
「ね、ねぇ莉夜ちゃん、これってちょっと・・・・その、痛くない?」
「痛いって、お股?」
「う、うん」
「大丈夫、すぐ慣れるって。あずみちゃんは気持ちいいって言ってたよ」
「そ、そう・・・・あ、そうだ!」
 ゆかりは魔法の孫の手を振った。
「みにみにすか〜と、ふりふりふりる! ぱんちらた〜んで、はぁとをげっと! おいでませ、クッションちゃ〜ん!」
 箒にまたがったままなのでいつものポーズは決められなかったが、久々の呪文も見事に成功し、箒の上に小さなクッションが現れた。
「これで痛くないかな」
「あ〜、ゆかりん、そんな邪道なことするなんて! 魔法少女の先輩として恥ずかしくないの?」
「お股が痛い方が恥ずかしいよ・・・・」
「ん〜、ま、いいか。じゃ、行くよ。しっかり捕まってて」
 少しグラグラしながらも箒は二人を乗せて宙に浮いた。
「うわわ」
「バランスとって! まっすぐ乗ってね!」
「だって、初めてなんだもん!」
 それでも少し慣れてくると、自転車と同じような要領で何とかバランスを取れるようになったゆかりは、莉夜の操る箒に乗って空に舞い上がった。
「あ、あんまり高く飛ばないでね」
「え〜、楽しいのに」
 五メートルほどだが、高い場所から見る景色は歩いている時とはかなり印象が違った。荒地は思ったよりも起伏に富み、遠くには川も見える。その近くには草木が茂っていた。
「村に行ってみようかな」
「村?」
「研究所は村から離れた場所にあるの。結構な距離があるけど、箒ならすぐだよ」
 箒は高度を上げ、スピードを増した。ゆかりは不安定なジェットコースターに乗っているような気分で、必死に莉夜にしがみ付いていた。
「あ、村が見えてきたよ」
 と莉夜は言うが、ゆかりには景色を眺める余裕が無い。
「あれ、何だろ」
 箒のスピードが緩む。
「どうしたの?」
「・・・・何か来る」
 莉夜の声が緊張した。何かが真正面からこちらに向かって飛んで来る。ゆかりは莉夜の背中でよく見えない。
「な、何が来るの?」
「逃げる」
「え?」
「しっかり掴まってて、ゆかりん!」
 そう言うなり、箒は方向転換して急発進した。ゆかりは振り落とされそうになったが危ないところで落下を免れる。
「ちょ、ちょっと莉夜ちゃん!」
「黙って、舌、噛むから!」
 先程までとは違う、魔法の竹箒のフルスロットルだった。その「何か」が後ろから追って来ているのだろうか? 必死にしがみ付いているゆかりには後ろを見る余裕はない。
「!」
 またもや箒が急転回した。
(ゆかりを落とす気なの〜!?)
 喋るなと言われたゆかりは、叫びを声にすることが出来ない。方向を変えた莉夜はまたも急発進するが、すぐにまた方向転換、急停止、急発進を繰り返す。
 そしてついにその動きが止まった。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・・」
 肩で息をする莉夜の後ろで、これまた心臓バクバクのゆかりが息を切らせていた。
「お、落ちなかった・・・・奇跡かも」
「・・・・」
「莉夜ちゃん?」
 ゆかりは首を伸ばし、莉夜の肩越しに前方を見た。
「なかなかにすばしっこい娘だったが・・・・もう逃げられない。観念するんだな」
 背中に羽根の生え、顔は鳥類のそれに酷似した人間が空中で静止していた。
「と、鳥人間・・・・」
 ゆかりはこんな時だが、頭の中に自転車に巨大な羽根を付けて人力で飛ぶコンテストを思い浮かべてしまった。
「このところ食物が減って困っていたところだ。二匹共柔らかそうだ。俺様の大好物の胸が小さいのが残念だが・・・・」
「ひぇぇ・・・・」
「ゆかりん、魔法でやっつけて!」
「この状態じゃ孫の手を振れないよ!」
 ゆかりは箒の柄に必死でしがみついている為、手が塞がっている。もし孫の手を持てば、腕一本では体を支えるには心もとない。だが、何もしなければ食べられてしまう。
「え〜い! マジカルトゥインクルスター!」
 バランスを崩さない程度に孫の手を振り、ゆかりは攻撃魔法を繰り出した。だがそのへろへろな攻撃は鳥人間に簡単にかわされてしまう。
「妙な技を使うな・・・・まさか、それがマジカルアイテムという奴か?」
「し、知ってるの!?」
「これはいい・・・・食料とミズチ様が欲しておられたマジカルアイテムが一度に手に入るとはな!」
 鳥人間の血走った目が莉夜とゆかりを射抜く。
「いやぁぁ、食べられたくないよ〜!」
 莉夜が恐怖に駆られ、魔法の竹箒を急発進させた。
「わ、ちょっと!」
 片手でバランスを取っていたゆかりの体が傾く。視界が反転した。
「きゃぁぁぁぁ!」
「ゆかりん!」
 箒の後部が軽くなり、莉夜もバランスを崩す。その様子を見て鳥人間が口を開けて莉夜に襲い掛かった。莉夜はその攻撃から逃げるのが精一杯で、落下するゆかりを助けに行く余裕はなかった。
 ゆかりは落ちながらも何とかマジカルフェザーで落下を防ごうとするが、速度が速くマジカルフェザーの浮力が力負けしてしまう。
「助けてぇぇぇ!」
 その時、風が舞った。
 風に包まれたと思った瞬間、ゆかりの体は宙に浮いていた。急に落下速度が落ちたことで、マジカルフェザーの浮力で浮く事が出来たのだった。
「・・・・風?」
 マジカルフェザーの浮力により、安全に地面に降り立ったゆかりの前方には大きな人影があった。
「何故ここにいる、姫宮ゆかり」
 その人物も背中に羽根があり、宙に浮いていた。だが鳥人間と違う所は、その羽根以外は人間と同じだった。赤と黄色で彩られた丈の長いローブを身に纏い、膝まである長い髪をなびかせている。
「く・・・・紅嵐(くらん)さん」



17th Future に続く



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