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24th Dream 「居心地の悪い恋なんて」
「あ」
「君っ・・・・」
自宅謹慎処分を受け、荷物をまとめて派出所を出た鵜川だが、みここに「学校が終わったら派出所に来てくれ」と言ったことを思い出し、荷物を持ったまま派出所脇の道端で荷物の上に腰を下ろしていた。
そこで、あずみに出会った。
「お久し振りです」
ぺこり、とあずみがお辞儀をする。
「き、君のお陰で僕は・・・・!」
「お怪我、治りましたか?」
「怪我? あ、あれか・・・・そんな、怪我ってほどのものじゃなかったから」
「そうですか、良かったぁ」
ニッコリ微笑むあずみに「君のお陰で謹慎処分になった」と言えなくなる鵜川だった。あの時のことを思い出し、何となく顔が赤くなる。
「表面温度が上昇しています・・・・」
「え?」
「大丈夫ですか? どこか、お悪いんじゃ・・・・」
そう言って、あずみは座っている鵜川の前にしゃがみ、自分の額を鵜川の額に当てた。鵜川の目の前に、あずみの顔がアップになった。
「あれ、また熱くなった・・・・」
「あ、あ、当たり前だっ!」
鵜川はあずみの肩を掴み、慌てて自分から引き剥がした。
「わざとやってるのか!? からかってるのか!?」
「莉夜ちゃんが、こうすれば熱があるかどうか分かるって・・・・」
「・・・・そ、そうか」
あずみの目は澄んでいた。少なくとも鵜川には澄んでいるように見えた。
鵜川は少女に対して赤くなっている自分が恥ずかしくなり、照れを隠すように立ち上がった。
「そ、そう言えば、りよちゃんだったっけ? 見付かったのか?」
「いえ、それがまだ・・・・」
「そうか・・・・」
(やはりあの時、僕が捜してあげていれば・・・・いや、今からでも遅くはない。どうせ謹慎になったんだ、みここ君の件と一緒に、面倒を見てあげよう)
「えっと、あずみちゃんだっけ?」
「はい、苗字が『あ』で、名前が『ずみ』です」
「それはもういいから・・・・」
あずみは、理子に借りたTシャツにショートパンツという格好だった。肩までの長さの髪を両サイドでまとめている。鵜川は「犬っぽいな」と思った。垂れ下がった髪が耳の長い犬を思わせる。
そこに、息を切らせてみここが走ってきた。ゆかりと透子から逃げてきたのだ。
「みここ君、どうしたんだ、そんなに慌てて」
「お巡りさん、どこか、隠れる場所はないですか!?」
「隠れる?」
派出所には鵜川に代わる警官が既に来ていた。鵜川はその同僚に「家出少女なんだ」と言って、奧の部屋にかくまった。息も絶え絶えなみここに、とりあえず飲み物を出して落ち着くのを待った。
「家出少女ねぇ」
奥の部屋をチラッと見ながら、同僚が鵜川に話し掛ける。
「お前、謹慎処分の原因って、あの子たちとか? 手ェ出しちゃったとか? 詳しくは知らないが、そんな話を聞いたぜ」
「ば、馬鹿言うなよ」
確かに原因になったのはあずみだが、説明が面倒なので鵜川は否定しておいた。
「まぁ、な。そんなことする奴じゃないよ。お前は正義感だけは強かったから」
「だけは、って言うなよ」
(さて、これからどうするかな)
あずみが捜している莉夜を、一緒に捜してやる。
みここのために、う〜ちゃんを殺した犯人を捜す。
(捜して、どうする?)
(僕はどうする?)
(あの子はどうしたいんだ?)
犯罪を犯し、何の罪も問われぬまま平気な顔をして暮らしている奴は許せない。だが、許せなければ、どうするというのだ? 制裁? 罪を認めさせる?
う〜ちゃんの命は、それで報われるのか?
被害者の心は、それで救われるのか?
救われるはずがない。
僕は・・・・僕なら分る。犯人を殺したって、何も解決しない。あの人は帰って来ない。
だが、それでも・・・・犯人が憎い。出来ることならこの手で・・・・。
「鵜川、どうした?」
「え? いや」
(今は考えないでおこう。う〜ちゃんの件は、みここ君の問題だ。彼女の気持ち次第・・・・ということか)
うさみみ中学、みここを捜す透子。
透子はみここを知らない。う〜ちゃんも知らない。ただ、みここがゆかりの友達らしいので、マジカルアイテムを悪い方向へ使わせないために何とかしたいと思う。
(あれ?)
草むらを這い回っているタカシがいた。そう言えば、マジカルアイテムがこの辺りに投げ捨てられたので、探していたのだ。
(まだ探してたんだ、タカシ君)
確かに、草むらに放置されたマジカルアイテムを誰かが手に入れでもしたら大変なことになる。タカシを手伝うべきか、みここを追うべきかと透子が悩んでいると、視界の隅に人影を捉えた。
(こなみちゃん?)
透子は何となく身を隠してしまった。
(何してるんだろう、こなみちゃん・・・・)
こなみは、タカシの様子を伺っているようだった。
(手伝ってあげないのかな?)
そう思っていると、こなみはポケットから何かを取り出した。
(あれ、何だろ)
こなみがポケットから取り出したのは、笠目要が捨てたマジカルドライバーだった。だが透子はマジカルドライバーの形状を知らないので、それとは分からなかった。
透子が見ている前で、こなみはマジカルドライバーを両手で拝むように握り締めた。こなみの身体が光り始める。
(あれは・・・・!)
透子の見ている前で、こなみのシルエットは光に包まれたまま少しずつ大きくなってゆく。
(マジカルアイテム!?)
光が薄れると、そこには大人の姿になったこなみが立っていた。
「・・・・」
こなみは自分の手、脚を眺めた。ウエストやバストも確かめてみる。嬉しそうな表情をして、こなみはポーチからコンパクトを取り出した。
「すごい・・・・」
手の中の鏡に映った自分の顔を見つめる。ゆかりや透子と同じような年格好だが、ちょっとだけ化粧が濃い気がする。
「ようし」
こなみは拳をギュッと握ると、タカシのいる方へと歩き出した。
(まさか、こなみちゃん・・・・)
「くそ〜、どこへ行ったんだよ・・・・」
草をかき分け、タカシはマジカルアイテムを探している。手はもちろん、靴やズボンは土や草の汁でかなり汚れていた。
「タカシ君」
「?」
タカシは振り返って、その声を掛けた女性を見上げた。見覚えのない女性だ。
「はい・・・・えっと・・・・」
他の学年に来ている教育実習生かな、とタカシは思った。
「私。分からない?」
「・・・・えっと、どちら様でしょう」
「うふふっ」
タカシのかしこまった言葉遣いに思わず笑ったこなみは、出来るだけ大人っぽく振る舞おうとして姿勢を正した。
「私、こなみよ。芳井こなみ」
「芳井?」
タカシが立ち上がると、こなみとほぼ同じ背の高さになった。
「芳井、どうして・・・・」
「どうかな、タカシ君。私、綺麗かな?」
「え、あぁ、まぁ・・・・それより、どうしてそんな格好してるんだよ」
「マジカルアイテムで大人になったの」
「誰かに借りたのか? ゆかりんか、透子さんか、それとも出雲に?」
「そんなの、どうでもいいじゃない。ね、綺麗?」
「・・・・」
タカシがこなみを見つめる。
(タカシ君、大人の女性が好きなんだもんね。今の私なら、透子さんに勝てるかな? ね、タカシ君。今の私なら・・・・)
「何やってんだよ、芳井」
「・・・・え?」
「似合わないよ、そんなの。大人になって、化粧して、そんなのお前じゃないだろ?」
「・・・・タカシ君」
「それより、お前が使ったマジカルアイテムって、ひょっとしてこの辺りに落ちてた奴じゃないのか? 出せよ、俺が一生懸命探してたっていうのに!」
「う・・・・」
こなみの目が潤む。
「じゃあ私、どうすればいいのよ!? どうやったら、透子さんに勝てるの!? 大人になっても駄目、子供のままでも駄目、どうすればいいって言うのよ!」
大人のこなみは、逃げ出すように走った。
「あ、おい、待てよ、芳井!」
後を追うタカシ。
透子は出るに出られず、様子を伺っているしかなかった。
(こなみちゃん・・・・)
うさみみ中学、みここを探すゆかり。
(どこ行ったのかなぁ、みここちゃん)
辺りを見回しながら歩くゆかりの目に、ウサギ小屋の小さな札が飛び込んで来た。
「う〜ちゃんのいえ・・・・?」
そういえば今朝、ウサギが殺されたという騒ぎがあったことをゆかりは思い出した。黒ウサギがいたことは知っていたが、名前までは知らなかった。
(う〜ちゃんて、あのウサギさんだったんだ)
かたきを取る、とみここは言っていた。
ウサギを殺した犯人が誰なのかは聞かされていない。生徒なのか、それとも教師なのか、外部の人間なのか、それすら分からない。
(かたきを取るって、どうするつもりなの? みここちゃん)
まさか犯人の命を奪うことまではしないだろう。そう考えて、ゆかりは怖くなった。
(駄目だよ、みここちゃん!)
「どうして? 私のお弁当、美味しくないの!?」
中庭を過ぎた辺りで、なにやら言い争っているような声が聞こえてきた。
「だから、量が多過ぎるんですよ、物には限度が・・・・」
ゆかりの担任の露里の声だ。相手は付き合っている同僚の立石先生。何やら険悪な空気が漂っていた。
「あなたのためにと思って、毎日作ってるのよ? あなたに食べさせたいものを全部詰めたらこうなっちゃうの、ううん、これでもまだ足りないくらいよ! あなたが美味しそうに食べている所を想像して、一生懸命作ってるのよ! そんな私の愛情が詰まったお弁当を、どうして残せるの!? ひょっとして、美味しくない!?」
「いや、味は美味いんです、でも・・・・」
「どうして敬語なのよ! 他人みたいじゃない!」
「でも、学校ではお互い、丁寧語を使おうって・・・・」
「今は2人きりでしょ、いいじゃない! ねぇ、ひょっとして・・・・」
立石先生の声が低くなる。
「他に好きな人でもいるの?」
「い、いえ・・・・」
「いるのね、いるんでしょ! だから最近、よそよそしいのね! 誰なの、私より好きな人って誰なの!?」
(うわ・・・・)
ゆかりは靴箱の陰に身を隠し、2人の会話を聞いていた。ゆかりが立石先生に持っていた印象とは、かなり違う。大人しくて、頭が良くて、スタイルも良くて、女性らしい女性という印象を抱いていた。
「私のこと、好きだって言ってくれたのに〜! 嘘つき!」
「ちょ、ちょっと待ってくれ、僕は好きだって言った覚えはないよ!」
(え?)
驚いたのは、盗み聞きをしているゆかりだった。
「君が一方的に付き合おうって言って、なし崩しに付き合ってるみたいになったんじゃないか!」
「酷い、酷い! どうしてそんなこと言うの!? あなた、スーパーボールをくれたじゃない、告白の印のスーパーボールをくれたじゃない!」
「あなたが勝手に愛の告白だと決め付けただけじゃないですか! だいたい『今朝の占い』で『異性からスーパーボールを貰ったら、それは愛の告白』なんて胡散臭い言葉、信じる方がおかしいですよ! あれはたまたま引出しを整理していたら出てきたので、一番近くにいた立石先生にあげただけです!」
「お、おかしい? 私がおかしい? 運命なのよ、あなたにその気がなくても、あの日私にスーパーボールをくれたのは、運命だったのよ! 結ばれる運命だったんだわ!」
「やめてくれ!」
露里の叫びが静まった校舎の玄関に響いた。
「最初は嬉しかったんです。こんな僕を好きになってくれる女性がいた。あなたの気持ちを大切にしたい。その気持ちに答えようって・・・・悪い気はしませんでした。でも、段々とあなたの愛の形が分ってきたんです。そして、あなたを好きになれない僕自身を」
「そ・・・・そんなの、嘘でしょ? 嘘よね? あなたも私が好きなのよね?」
「これ以上はお互いに傷付くだけですから、はっきりさせましょう。僕は・・・・」
「言わないで!」
突然、立石が露里に抱きつく。露里は押し返そうとするが、立石の力はかなりのものだった。女性とはいえ、さすがは体育教師だ。肩幅は露里より大きいように見える。
「やめて下さい・・・・人が来ます」
「散々大声出してたくせに・・・・」
立石の顔が近付く。露里は必至で無理矢理のキスから逃れようとした。
「やめて下さい!」
「どうして? いつもしてるじゃないの! 好男さん、好きなの!」
「やめ・・・・」
露里とゆかりの目が合った。
「あ・・・・」
声だけ聞いていたゆかりは、段々と緊迫した空気になってきて、その様子をみたくなりつい顔を出してしまったのだ。
「姫宮!」
「えっ!?」
立石が慌てて露里から離れる。教師としての自覚はまだあるらしい。
「ひ、姫宮さん!」
「あ、あの、えと、今来たとこで、何も聞いてませんよ、ゆかり」
「そうか、聞いてたのか」
「聞いてないって言ったのに!」
襟を正し、立石は目を逸らす。
「立石先生」
「な、何ですか、露里先生」
「僕に、他に好きな人がいるんじゃないかと聞きましたよね」
「え、ええ・・・・」
露里はゆかりの隣に歩み寄り、ゆかりの肩を抱いた。
「姫宮なんです、僕の好きな人は」
・・・・しばしの静寂。
静寂を破ったのは立石だった。
「何を言ってるの、馬鹿馬鹿しい」
「馬鹿馬鹿しくなんかありませんよ。本当です」
「嘘。私と別れたいから、そんな突拍子もないことを言うんだわ」
「そんなことはない。僕は姫宮とキスしたこともある」
「えっ? ま、まさか」
「そうだよな、姫宮」
「ふぇぇ・・・・」
ゆかりの頭は真っ白だ。
(な、何を言ってるの、先生・・・・)
「キスしたよな。屋上で」
「は、はい・・・・」
「〜!!」
立石がいきなりゆかりに掴みかかった。
「生徒のくせに! 中学生の、ガキのくせに! 好男さんをたぶらかしたのね〜!」
ゆかりの髪の毛が掴まれる。
「いや〜!」
「やめろ!」
殴りかかる立石。逃げるゆかり。かばう露里。
ゆかりの頭の中は、真っ白な空間に「?」が飛び交っていた。
髪を引っ張られ、腕を引っ掛かれた。
夕暮れ、校舎の影が長く伸びる。
遠くでカラスが鳴いていた。
「すまなかったな、姫宮」
「・・・・」
ゆかりは言葉を発しない。
立石に掴まれた髪は滅茶苦茶、腕には引っかき傷、上着の一番上のボタンは弾け飛んで無くなっていた。
「本当に、一方的だったんだ。立石先生が『付き合いましょう』って言って来て、僕の返事を聞かないまま毎朝弁当を作って来たり、デートに誘ったり、帰り道に腕を組んだり・・・・付き合うなんて言っていないのに」
「・・・・」
「さっきので、諦めてくれただろうか。立石先生には悪いけど、付き合う気はないんだし・・・・」
「先生が悪いよ」
久し振りにゆかりが口を利いた。
「そうだろう? 全部立石先生が悪いんだよ。こっちの気持ちも考えないで・・・・」
「悪いのは、先生!」
露里はゆかりに指を指され、睨まれ、目が点になった。
「え?」
「どうして最初に断らなかったの!? どうせ立石先生は美人でスタイルもいいから、付き合ってみてもいいかな〜なんて軽い気持ちだったんでしょ!」
「ひ、姫宮・・・・」
「その内、相手のいい所とか分ってきて、好きになるかなって考えてたんでしょ! 男の人なんて、所詮そんなものなんだ!」
図星だったため、露里は何も言い返せない。
「それに、ゆかりを好きだなんて言って誤魔化そうとしたこと、悲しかったよ。その場しのぎで好きなんて、それに、キスのことを立石先生に言うなんて。そんなこと言う人だなんて、思ってなかった」
「ち、違うんだ、その、俺は本当に・・・・」
「嘘だよ。立石先生と別れたかったから、一番手近なゆかりをダシに使ったんだ」
「違う!」
「ゆかり、誤解してた」
(先生、女の子の気持ち、全然分かってない)
立石が露里に強引にキスを迫った時のセリフを思い出す。
いつもしてるのに・・・・。
「付き合っていれば、キスだってする。でも、先生は立石先生を好きじゃないって、一方的に迫られてるだけだって言った。なのに、どうしてキスなんて出来るの? 好きじゃないんでしょ?」
「・・・・拒むのも悪いし、魅力的な女性だったら、キス・・・・してもいいかなって、男なら思うんだ」
「ふぅん、相手が可愛かったら、美人だったらエッチでもするんだ」
「姫宮、そんな言い方・・・・」
「男だったら、何て言い訳だよ」
ゆかりは当人の意思ではないとはいえ、露里とキスをした時は嬉しかった。
だが、今は全然嬉しくない。
あの時、既に露里は立石と付き合っていた。露里は立石とキスをしていたのだ。
(いやっ!)
ゆかりはあの時の思い出を振り払おうと、頭を振った。忘れたい。今は忘れたくて仕方がない。
汚らわしい、とさえ思った。
「先生のばかぁ〜!」
ゆかりの振り回した鞄が、露里の肩に当たる。
「姫・・・・」
ゆかりは走った。
涙を拭いながら。
ユタカと別れた、あの時を思い出した。
あの時も、鞄で殴ったっけ。
(勝手に好きになって、勝手に失恋して。馬鹿みたい、ゆかり)
「ゆかり!」
「え、ユタカ?」
息を切らせ、前方からスーツ姿のユタカが走ってくる。ゆかりの前で立ち止まると、ユタカは両手を膝につき、呼吸を整えた。
「はぁ、はぁ、くそ、運動不足だな・・・・」
「どうしたの? ユタカ」
「ゆかりが心配で、仕事が手に付かないんで、早退してきた。だ、大丈夫だったか、ゆかり」
「う、うん・・・・」
(ユタカ・・・・ゆかりのために?)
ぜぇぜぇと肩で息をしながら、ユタカは「無事で良かった」と微笑んだ。
「ユタカ、お疲れのところ悪いんだけど・・・・ゆかり、人を捜してるの」
「人?」
「ほら、ユタカも会ったでしょ、みここちゃん」
「あぁ、巨乳コスプレ眼鏡っ娘か」
「そのみここちゃんがマジカルアイテムを手に入れて、殺されたウサギさんのかたきを取ろうとしてるの」
「ウサギの?」
「詳しい話は後、学校の中にはもういないみたいだから、居場所の検討がつかないの。みここちゃんの顔、覚えてるよね?」
「あ、ああ。二手に分かれて捜せばいいんだな?」
「お願い、透子もその辺りを捜してるはずだから」
「服装は?」
「えっと、多分制服。魔法で変装することは出来ると思うけど、街中でコスプレはしないと思うし」
「分った、見付けたら携帯に掛ける」
二手に分かれ、みここを捜しに出るゆかりとユタカ。陽は既に沈みかけていた。
25th Dream へ続く
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