ＴＯＰへ戻る


飯塚雅弓コンサートツアー「Ｓｔｒａｗｂｅｒｒｙ　Ｒａｉｎｂｏｗ　Ｔｏｕｒ　２００２」　ＩＮ　ＯＮ　ＡＩＲ　ＯＳＡＫＡ


　まただ。
　「今回で終わりにしよう」と思ったのは何度目だろう。特に今日はパンフすら買うつもりはなかった。なのになぜ、会場で見るツアーグッズはあんなに魅力的なのだろう。それにいつものデザインとは異なる、興味を引く形状をしている。結局うちわと一緒に購入してしまった。
　ＣＤは買っているが、それもライブの予習の為と言ってもいい。ラジオも聞いていない。飯塚雅弓は本当に年に２度のツアーに参加するだけの存在なのだ。
　たったそれだけだった。

　まずは何となく予想していた通りに最新シングルで幕を開けた。飯塚シングルには珍しくアイドル然とした曲調で、ノリも良い。服は今回のツアー名にちなんで七色のストライプ。
　前半は春から出たマキシシングル２枚から、そして今月末に発売になるアルバムから新曲を披露。初めて聞く歌だが、手拍子や掛け声のタイミングは他の曲と同じようにすれば何となく分かるので対応しやすかった。中でも楽しみなのは「とびたつ季節」。今までにない歌い方で、今回これまた初挑戦の楽器であるギターを引っさげ、次からのツアーでも期待できる楽しい曲だった。
　そして今回、何よりも特筆したいことは「聴かせるライブ」だと感じたこと。新曲たちももちろんライブ初だったこともあるが、恒例の今までの曲を集めた「メドレー」が何と「バラードメドレー」で、会場はせいぜい手拍子だけという珍しい構成だった。そしてその選曲が今までのアルバムからほぼまんべんなく選ばれている辺りが、その曲を聴いていた頃の事を懐かしく思い出され、コールも手拍子もないことが曲を聴くにあたっての一切の邪魔な要素を無くし、集中することができて今までのメドレーにはない感動があった。
　メドレー終了後、少し涙ぐむ飯塚雅弓。それを見て「何でこんな所で泣くんだ？」と思われる方もいるかもしれない。だが飯塚雅弓の５年間の縮図のようなメドレーを、聞いていた立場ですら感慨に耽っていたのだから、当人は同じ、いやそれ以上の思いを乗せて歌っていたに違いない。

　後半はヒートアップかと思いきやこれまた前回のツアーで私が「飯塚雅弓の集大成」という感想を持った「小さな私から」でスタート。前回よりも更に力強く、思い切り歌い上げる彼女に、少し違うかもしれないが怖さすら感じた。
　後はノリのいい定番曲をズラリと揃える。前半は聞かせ、後半はのせる。今回のツアーは今までで一番好きな構成でした。空調が良かったのかポジションが良かったのか、最後の方でやっと暑くなってきたのは珍しいことです。いつぞやはずっと腕を上げっぱなしで「殺す気か」という構成もありましたが（笑）。服装は去年の「高原の少女」風から今回は「浜辺の少女」風に。
　これを聞かなきゃ飯塚ライブじゃない、という「ストロベリーキャンドル」の後でアンコール。当然アレが来るものと思っていた所が「ロマンチックだね」と「Ｓｈｏｏｔｉｎｇ　Ｓｔａｒ」（これは今回の最後だと思っていましたが）で終了。何と記念すべきライブになりました、今までずっと定番化していた「Ｄｅｓｔｉｎｙ」がなかったのです。これも良い意味でのレボリューション。定番もいいけれど、毎回違う楽しみ方を提供してくれる飯塚ライブ。だからこそ私はやめられないのかもしれない。
　心残りは、ポジションが右端だったためステージの幕で長谷川さんをあまり見ることができなかったこと。飯塚ライブに行く理由の約２０％は彼の笑顔を見るためだと言っては過言かもしれないが、それほど楽しく演奏する長谷川さんは見ていてこちらも楽しくなります。

　今回はしてやられました。思い出や記憶を呼び覚ますメドレーの構成に。今回ほどオールスタンディングのライブで疲れなかったのも珍しい。思い切り暴れたい人には物足りなかったかもしれないが「聴く」ことを目的としていた人には最高のライブだったのではないかと思う。
　もう、諦めました。私にとって飯塚ライブは「萌える」とかいう次元じゃない。半年に一度の、思い出を作る場所なんだと。
　帰り道の電車で、出来すぎかもしれないが車窓から見えた虹は、今日のライブ「Ｒａｉｎｂｏｗ　Ｔｏｕｒ」の締めくくりとしてこれ以上に相応しい光景はないのではないだろうか。


ＴＯＰへ戻る