和庵の店内の簾をプロデュースして頂いた方です。
その名は 大阪簾の
『網音製簾』四代目・網田六左衛門



和庵・庵主との出会い

1998年、以前の勤めを辞めまして
1999年の9月に和庵を開店する為、1年間の充電期間を設けました。
店の構想、店内の設計・内装など、そっちの方は素人ですが
趣味といいますか、見るのも好き!作るのも好き!
ならば自分の店なので、資金も有りませんし、出来る限り自分でやろう!
と1年構想で店創りを始めた訳です。実質工期3ヶ月。
内装など、素人仕事で図面のようなものを書き、知り合いの工務店へ、
知り合いを頼って工務店には掟破りですが、違う材木店に!
それぞれ、お付き合い、取引がある世界です。
扉の『東大寺の千年杉・桜のカウンター・テーブル』などがそれです。
千年杉も桜も15年以上ねかせた巨大なもので、
桜など今は大きいものが今はなかなか有りませんし
樹齢1200年を越えた本当の東大寺の千年杉、
色々理由があってその材木屋さんに・・・
両方最後の物を譲っていただいた。
『いいお店造ってや』って・・・・・・・感謝!
材木買って来ましても加工場は工務店贔屓の材木屋サンで、
でも、『いいよ〜』て感じで・・・・
私も朝からそちらに出勤して2階の作業場を借りて
杉や桜を磨いたり・・・
楽しかったです!


器の骨董品もその一つで、骨董と言う物は『出会い』であり
ご存知の方は解ると思うのですがお金では買え無いものも多数。
決して高価で無くても買えないもの物も有ります。
時には知り合いの方の蔵から出してもらったり・・それが塗りの器
時代は明治の物です。お婆ちゃんの嫁入り道具。
田舎なので宴席等の為、数がまとまってます。
今ではなかなか業務用で無い限り30個とかは出ないですよね。
骨董屋の御爺ちゃん、日常使いの骨董を・・・『こんなんええで』って
いろんな人との出会い・・・私如きの為に・・感謝!!

そのような時に出合った方の一人です。
何もかも内装出来上がり、イメージの中に仕上げに座敷簾・・・て。
百貨店・京都・竹業者、当然 簾屋も
探しましたが、結構普段本物(お城・庭園・神社仏閣)を見てますと、
買うと成ると高価で手が出ません。
私の愛読書に趣味の情報収集アイテムとして
『BE−PAL』というアウトドア雑誌が有ります。
その本に以前、『琵琶湖の葦の事』で環境の面からのお話で
網田さんが出てられた事を思い出し、そこから調べて・・
大阪・大国町と解り、いきなり押しかけたわけです。
最初は当然『あかん!』の一言。
こちらも職人さんの考えは解るつもりなんで、失礼は承知でお願い!
だって、本当に店は出来ていまして、後それを飾ればいいだけ・・・
もう量産品でもいいかな・・とかも頭を過ぎりましたが・・・
正直此方も意地です。
『網田さん、店見に来て!頑張って作った、いい店に成ってる筈や!
後、簾が有ったらイメージ通りや!』て強引に交渉。
『そしたら、見に行く!それからや!』と
それから、後日店内見られて
『解った!やろっ。但し一切口出しするな!金の事いうな!』
という事を条件に・・・
そして出来上がったのがカウンター・座敷・玄関中・他
期日も最初は言うな!だったのですが、希望通り仕上げてもらって。
最初、きつい職人やな・・て思いましたが、
総て私の思うようにしてくれました。
それからのお付き合いです。そして、和庵の理解者のお一人です。
素晴しい出会いに感謝します。




以前オープンして数ヶ月目、有るお客さんが来店
そのお客さんの有名なHPに
『もっと店の説明とかしたらいいのに・・
作ってもらってるから解らんのと違う・・・
興味、あんまり無いのと違う・・・』
みたいに書き込まれた事が有ります。
この場を借りて言わせて頂きます。
私の店は上の理由で解って頂いたと思いますが、
店舗改装で単に発注した店ではございません!
もの凄く思い入れが強いので、説明し出すと
反対に中途半端な興味の方にはつらいと思って
説明はあんまりしてません。
だってそんな事、お客さんには関係ないでしょ!
て反対に言われるでしょ。

興味のある方、質問してください!
自分で関わってますので店内の事は総て解ります。
幾らでもお話出来ますよ。





続いてお料理に関する材料

お魚類は・・・


お魚はお店の場所を活かして野田の大阪中央卸売市場本場に。
大阪には北・東・木津・他幾つか有ります。
その、中心に成っているのが本場です。
和庵のような規模の個人店は、正直中央の規模は大きすぎて、
反って買い物はしにくい所も有るのですが、
やっぱり一番、物・種類も多いですし、いいですね〜。
河豚は修行時代にお世話になっていた関係で
木津に行ったりもしますが。


チョット話し飛びますが・・・
普段お店でも市場の事で質問が多いので
チョット私の経験で・・・昔の市場の雰囲気を。
昔は、小さい店は行けなかった。量が多いのでね、
魚屋さん、青果屋、八百屋、スーパー、百貨店などが買う所。
だから、ある程度の規模が無いと相手にしてもらえなかった。
親方について場内いつもの仲買を回り買い物して
『これ!これ!』って選んで『チョチョ』と話して、お金払って、
後は車に運んでくれる。それは今も一緒。
初めて、ついて行った時強烈に覚えているのは、
市場の事じゃなくて、親方の計算の速さ。
トロ箱単位だったら単価に数掛けたら終わり、
でも大きい魚ってキロ目で何ぼ、
その計算の早い事早い事。
そして、買い物の早さ、物を見て良い・悪いの判断力
総てが、早い早い!!ビックリ!!
買い物終わって、食べもん屋で朝飯、
親父さんは、肴・ビール(昔は当たり前)
私は御飯・おかず、でも毎日店を変えてくれるので、
それが楽しみについて行ってた。
親父さんは他店の人と情報交換してた。
私は何も考えず、明日は寿司?洋食?鰻?飯?って
よ〜く考えると、なかなか甲斐性有ったと思う。
だって毎日若い子連れて、今そんなの見たこと無い。
昔は皆がそんな感じやった、良い時代!
それで、いろんな事感じれて、自然と勉強できた。
材料の見方、買い方、交渉法、市場の決まり事、ルール、
色んな事!!
30年近く前の話、今役立ってる、感謝!!



和庵も、何店かの仲買さんにお世話に成っていますが、
ある魚の仲買さんとの最初の出会いは・・・・・・・
『うまそ〜やな!その鯖、わけてくれる?
うちの規模は小さいから、量はよう買わんけど・』って。
見るからに活けのバリバリ。
その日の市場の鯖の中では一番光ってた!
上でいったように本場は通常トロ箱で買うんですよね。
昔は特にそ〜だったんですが、
今は市場もそ〜も言ってられないので。
私も行ける訳です。でも、昔を知っている者としましては
やっぱり遠慮も有りまして・・・・ましてや初めて・・・・
でも、そこの御主人
『かめへんで!それ、紀州や!ええやろ。こっちは関、どっち?』
私は、チョット触って『紀州がええな!』
お母さんが、『うち、鯖は専門やネン、紀州出身やし』って。
そして、自分の感覚で紀州物を・・・・・
なんか試されたみたい。
それからのお付き合い、他の魚もほぼ天然。
和庵は当然天然物しか買わないので・・・
今はどんなもの買うか好みも知っていてくれるので、
使えるものしか言ってこない。『これ、美味いで〜』って。
たいした量買わないのに本当に良いもんだけ・・・
感謝・感謝!!


お野菜は・・・・

お世話になってる方々が奈良に、
その周りのお百姓さんに・・・
自分達で食べる分以外を分けて貰っている感じ。
だから、本当の意味での旬、
収穫時(季節)しか無い。これが、きっと本当の姿。
春夏秋冬、季節でそれがドッサリの時も有る。
でも、和庵では問題なし、
その材料の量や味で献立たてれば済む話。
そ〜やって考えてる時が
生甲斐!!楽しいんですよ!
何故かは解らない部分も多いが大阪にも
大和野菜・京野菜、売ってるけど何かちがうよ〜な?
・・・っと思うので、やっぱり買いに行ったり送ってもらったり。
和庵に来られて野菜食べられると
皆さん、本当に喜んでくれる。
『味する〜、甘!美味い!
これって、こんな味なんや!』って


続いて日本酒について・・・・

和庵の日本酒はカテゴリーでいうと純米酒(純米造り)のみ
なぜならそれが本来の姿だと思うから
この意見に異論のある人はいないと思う。
ただ、酒として本醸造酒が悪いとは思わないし大吟醸も同じこと。
私にはどうしてアル添するのか聞かれたら、明白にお答え出来ない。
以前は蔵巡りも結構しましたが、杜氏さん・関係者、お答え色々。
答えが有る様で無い感じ、そしたらややこしい事はやめて
オープンした時から純米酒のみ・・・・こんな感じ。
だからこんな考えの庵主に
酒を分けてくれる酒屋さんにお世話になってます。
エリアは広いですよ・・・取引先は。
何処に行っても『感ずる酒屋さん』には入ってしまう。条件反射!
そして色々教えてもらって、取引できるように・・・感謝!
でも共通するのは皆さんプロ!
当たり前に勉強してる。
生意気なようだけど酒のことを知らない業者・酒屋が大半
真っ当な知識を持った酒屋さん、多分1割もいない、これが現実。
恵まれていると思う、たいして買わないし、1軒に決めて無いし・・・
でも、皆さん とても良くしてくれる。
『これ分けて貰えるの?後1ケースなのに?』
*ちなみに1ケースて後6本。
『いいよ1本だったら持って帰って』・・・こんな感じ。
他に分けたいとこ沢山有るだろうに・・・
『こんなんどうです、同じ仕込ですが樽が違うんよね・・・
こっちの方が今飲むには良いよね・・・』
こんな感じで、酒は仕入れてます。ちなみに必ず買いに行きます。
たとえ、遠くても・・・・御主人に会わないと・・・・・話さないと・・・・
当然、総て利いてから・・・
そこの御主人と、あ〜でも無いこ〜でも無いと・・・
色んなこと教えてもらって、私は楽しく選んでます。
ちなみに蔵から直買いはしません
酒屋さんに失礼!・・・・と思うので。
ど〜してもその酒が欲しかったら
蔵にその酒を安心して買えるところを聞きます。

よく御客さんに『此処の酒、なんか他と違うなあ?』
当たり前!中身が・・・状態が・・・違う!
解り易い例を
『和』という酒が有ったとします、
冷蔵にするなんぞの事は常識なので除いて、
3月からそのお酒が出荷されてても飲んでダメなら買いません
でも1年後だったら・・・・もの凄く美味いかも。
そしたら買います、見た目は同じ酒。
こんな感じ。
だから、そ〜いう状態の物を分けてくれる酒屋さんに・・・

本当に感謝!感謝!です。

こ〜して考えると和庵がお世話に成っている方々は
皆その道のプロばかり、
もしくはそれを目指している人達。
皆さん!御教授有難う!




確かに此の仕入れ方、不便は山ほど有るけど、
徹そうと思っています。
求めるお客さんがいててくれるし、
協力してくれる人たちがいるし・・・・
出来る限り・・・・・・・



一期一会
出会いに感謝!


庵主   合掌!