御堂ん坂(みどんさか)    クララ 様 より


 浦上天主堂の正面へと登ってゆく坂道を、「御堂ン坂」(みどんさか=みどうの坂=教会の坂)と、呼んでいます。

 私の祖母はもう十何年前に亡くなったのですが、病気で入院する前は、毎朝、早朝5時の教会の鐘がなると(寄せ鐘:よせがねといって)、朝の礼拝に向かっていました。

浦上天主堂 98/10 撮影

 その教会の老人には少しつらい坂を途中で休み休み、登っていたのですが、いつかその辛い坂が喜び(神へのささげもの)に変っていったのでしょうか?
 病床に伏して死ぬまで、『あン御堂ン坂ば、もういっぺん、のぼりたか。』(あの、教会の坂をもう一度、登って、礼拝したい)と口癖のように言っていました。

 今も楽しみに登って礼拝されているお年寄りが、たくさんいらっしゃると思います。

 修学旅行生でも少し辛そうに登る坂ですが、上からの眺めは、正面の稲佐山を中心にして辺りの岡々が連なり、すがすがしい景色です。 (1998/10/20 clara wrote)