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社会関連の本の書評

 

藤原正彦 (ふじわら まさひこ)

 
(プロフィール)
1943年旧満州生まれ。
東京大学理学部数学科卒、同大学院修士課程修了。
都立大学助手、コロラド大学助教授などを経て、現在お茶の水女子大学理学部教授。数学者。
 
  
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国家の品格

国家の品格

おススメ度:(5点満点)

本体価格:680円+税
発行所  :新潮新書
発行日  :2005年11月20日
形態   :新書・191ページ

ジャンル:社会

目次
第1章 近代的合理精神の限界
第2章 「論理」だけでは世界が破綻する
第3章 自由、平等、民主主義を疑う
第4章 「情緒」と「形」の国、日本
第5章 「武士道精神」の復活を
第6章 なぜ「情緒と形」が大事なのか
第7章 国家の品格
 内容
 「論理」、「合理性」がまかり通る欧米との比較から、過去の日本のすばらしさ、そして現状の日本の危うさについて解説している。 日本のすばらしさの根拠として、情緒」と「形」および「武士道精神」を挙げている。
その上で、日本が諸外国から威厳を持って尊敬される「品格」のある国家になるための進むべき道について、著者の主張を述べている。

 感想
 「民主原理主義」、「市場原理主義」が席巻しつつある現状の怖さがよく伝わってきた。 最近の「イラク戦争」や「ライブドア、村上ファンド事件」で「民主原理主義」、「市場原理主義」がなんとなく間違ってるのでは?、と考えていたところ、本書を読むことでその危なさがよく分かった。 すべては市場に任せるといって強引に民営化を推し進めてきた小泉はまずこの本を読むべきである。
 日本のすばらしさとして、 「情緒」と「形」および「武士道精神」を挙げているが、著者の主張はもっともであると感じる。 もちろん、これも一つの意見として「疑ってかかる」必要はあるかもしれないが。
 いずれにせよ、日本の文化を重んじ、国語のすばらしさ(読書の重要性)を説く点に関しては何も間違っていないと思う。 現状の危うさ、日本の進むべき道について考えたい人にはオススメである。 新渡戸稲造氏の「武士道」も読んでみたいと思った。
(書評作成:2006年9月18日)
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香山リカ (かやま りか)

 
(プロフィール)
1960年北海道生まれ。
東京医科大学卒業。
精神科医、帝塚山学院大学教授。
 
 
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テレビの罠 コイズミ現象を読み解く

テレビの罠 コイズミ現象を読み解く

おススメ度:(5点満点)

本体価格:680円+税
発行所  :ちくま新書
発行日  :2006年3月10日
形態   :新書・206ページ

ジャンル:社会

目次
第1章 「軸」は混乱した
第2章 考えられない出来事の数々
第3章 視聴率・テレビ・政治
第4章 “翼賛”化する日本
第5章 三島由紀夫の予言
第6章 新しい「大衆社会」の出現
第7章 ポストモダン社会の悪夢
 内容
 2005年の衆議院選挙は、コイズミブーム(コイズミ劇場)で自民党が圧勝に終わった。またその衆議院選挙はこれまでになくメディア・世間の注目を集めるものとなった。自民党の圧勝劇の背後でテレビが(期せずして)果たした危うい役割について解説している。

 感想
 着眼点は非常に面白く、コイズミ劇場の裏に潜んでいたものについて考えることができた。 また公共電波といいながらも、国民を先導してしまう役割を果たしてしまうテレビの危うさについても考えることができた。
 ただ本文中では他の人々の引用が大部分を占め(引用の部分はかぎ括弧で表示されているが、かぎ括弧だらけで見にくい)、香山氏自身の考えが見えにくかった。 またテレビの罠について警鐘を鳴らすのはいいが、それに対してわれわれがどう振舞わないといけないのか、その点について意見が述べられていないのは残念であった。
(書評作成:2007年11月21日)
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佐木隆三 (さき りゅうぞう)

 
(プロフィール)
1937年、朝鮮北部生まれ。
八幡製鉄に勤務後、作家に。
「復讐するは我にあり」で第74回直木賞受賞、「身分帳」で第2回伊藤整文学賞受賞。
 
 
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慟哭 小説・林郁夫裁判

慟哭 小説・林郁夫裁判

おススメ度:(5点満点)

本体価格:1,700円
発行所  :講談社
発行日  :2004年2月23日

ジャンル:社会

目次
第一章  丸の内警察署取調室
第二章  東京地裁オウム法廷
第三章  麻原裁判の師弟対決
第四章  「自己愛的人格障害」
エピローグ−麻原というまやかし
 内容
 地下鉄サリン事件の実行犯の一人である林郁夫の裁判に焦点を当てることで、オウム真理教の真相や、無差別殺人に人間を駆り立てる心の問題について書いたノンフィクション小説。

 感想
 この本を読むまで、地下鉄サリン事件の本当の意味での真相(なぜ事件が起こったのか、なぜ事件が解明されたのか、その後の裁判はどうなっているのか)について知らなかった。 未曾有の大量殺人事件であるにもかかわらず、いかに自分の関心が低かったかということを認識させられた。
  このような凄惨な事件を二度と起こさないためにもこの事件を風化させてはならない。 その意味でこの本は読む価値に値する。 しかし林郁夫という、頭もよくてまともで分別のある人が、大量殺人の実行犯になってしまうという、人間の心の危うさ、怖さにはゾッとさせられる。
(書評作成2004年4月11日)
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田中慎一 (たなか しんいち)

 
(プロフィール)
港陽監査法人ベンチャーサポート部パートナー。
1972年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。公認会計士。
KPMGセンチュリー監査法人(現・あずさ監査法人)、大和証券SMBC、UBSウォーバーグ証券(現・UBS証券)等を経て現職。
 
  
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ライブドア監査人の告白

ライブドア監査人の告白

おススメ度:(5点満点)

本体価格:1,600円+税
発行所  :ダイヤモンド社
発行日  :2006年5月25日

ジャンル:社会

目次
第1章 強制捜査
第2章 監査人から見たライブドア
第3章 粉飾の構図
第4章 孤軍奮闘
第5章 監査人の苦悩
 内容
 世間を騒がした「ライブドア事件」について、事件当時にライブドアの監査を任されていた港陽監査法人の公認会計士である著者の視点から、事件の真相、内幕について述べている。

 感想
 いわゆる劇場型の事件として「ライブドア事件」は語られている。 新聞など読んだり、テレビを見たりしても事件の真相についてはいまいちよく分からなかった。 本書は一応ライブドア事件に関わった関係者が書いた本なので、客観性には乏しいかもしれないが、一応事件の真相や内幕について分かった点ではよかった。
 ただ現時点(2006/9/7)ではライブドア事件は裁判がはじまったばかりで、事件の真相はまだよく分かっていない。 本書でも、著者の推測が多く「・・・だと思う」、「・・・ではないか」、「・・・らしい」という言葉が多く並んでいる。 ライブドアの真相について知るためには、本書のように一人の関係者の意見だけでなく複数の関係者の意見をまとめた総説を待たねばならないであろう。
(書評作成2006年9月7日)
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毎日新聞経済部

 
  
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あなたの値段 当世給料事情

あなたの値段 当世給料事情

おススメ度:(5点満点)

本体価格:1,200円+税
発行所  :毎日新聞社
発行日  :2004年9月30日
形態   :単行本・189ページ

ジャンル:社会

目次
りそな銀行―実質国有化で年収激減
大手銀行―同期でも1000万円の差
地方銀行―不振行は火の車
生損保―大手はなお高給
高級官僚―次官の退職金9000万円
地方公務員―年収1000万がごろごろ
メーカー―年功全廃の波紋、他
 内容
 さまざまな職業で働く人々の給料(年収)について毎日新聞経済部が調査した結果を新聞紙上で連載したものを1冊の本にまとめている。 また読者の声と言うかたちで、新聞連載記事に対する読者の感想、反論についても紹介している。

 感想
 様々な職業とは言うものも三次産業が中心であり、その点は物足りなく感じた。 お金の話と言うと非常に興味深いが、この職業はこんなにもらっているのかとか、こんなに苦労する職業でもこれだけしかもらっていないの、と新鮮な驚きがあった。
 ここで考えなければならないのは、市場原理/競争原理が働かない職業につく人たちが、世間一般の民間水準からするとかなり高額の所得を得ていたと言うことである。 市場原理に任せてよい職業と悪い職業はあるとは思うが、やはり市場動向は考慮したほうがよいと思う。 そもそも受け取る給料と言うのはその人の能力に見合った対価であって、その能力(対価)を推し量るためにはベンチマークとして市場情報は使えるであろう。
 市場原理/競争原理が働いていないと考えられる(本書で紹介されている)職業は、高級官僚、公務員、テレビ局(民間ではあるが放送法で守られる)、国会職員、外交官などなど。
 本書では取り上げられていないが、国会議員や地方の議員、知事は法律や条令で給料が決まっている。 これはおかしいのではないか?いまや国も地方も借金だらけ。 それは身銭を切ることがないマネー感覚のない議員さんたちの失策によるもの。 議員さんたちの給料も一部メーカーが導入している業績連動性のように毎年の収入、歳出のバランスから決めればいいのに。 そうすれば少しはマネー感覚も生まれ、予算も歳出をできるだけ抑えるような感覚となり、無駄な予算使い込みも無くなるのに。
(書評作成:2007年2月16日)
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森永卓郎 (もりなが たくろう)

 
(プロフィール)
1957年生まれ。東京都出身。
東京大学経済学部卒業 後、日本専売公社、日本経済研究センター、経済企画庁総合計画局などを経て、株式会社UFJ総合研究所経済・社会政策部部長兼主席研究員として現在に至る。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング客員研究員。獨協大学経済学部教授。経済アナリスト。
 
 
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誰がウソをついているのか

増税も改革も必要ない! 誰がウソをついているのか

おススメ度:(5点満点)

本体価格:1,500円+税
発行所  :ビジネス社
発行日  :2006年10月10日
形態   :単行本・191ページ

ジャンル:社会

目次
第1章 日本人は「ワーキング・プア」になる
第2章 増税なき財政再建は可能である
第3章 不良債権問題は存在しなかった
第4章 郵政民営化は必要なかった
第5章 敵対的M&Aは日本を滅ぼす
第6章 福井日銀総裁は即刻辞任すべきである
第7章 ゼロ金利解除は時期尚早だった
 内容
 現在の格差社会、郵政問題、敵対的M&A、日銀問題などに潜む矛盾について、著者の独自の視点から鋭くメスを入れ、今後の日本の進むべき一つの道筋について解説している。

 感想
 日ごろからおかしいと考えていたことを、痛快な言葉で表現されていて実に痛快であった。 今の日本は、楽して人のお金を右から左に流すだけの人が勝ち組といわれて富を築き、本来ならば資源に乏しい日本の唯一の稼ぎ頭である製造業のエンジニアは「働けど働けどわが暮らし楽にならず」という矛盾した構図になっている。
 森永氏は前者の人々を「インサイダー取引と節税と合コンのことしか考えない、創造性のかけらもない金の亡者たち」と切り捨てている。実に痛快である。
 本書では、不良債権問題や郵政民営化についても独自の視点で切り込んでいる。 今までは小泉の言葉だけのイリュージョンにより、国民の多くは小泉の取った政策が、ベストとは行かないまでもベターな選択であると思い込んでいた。 森永氏はそれらに真っ向から反論する主張をしており、(それがあっているかは別にして)そのような主張も有りかも?と考えさせられた。 これまでの政府の主張(小泉の主張)はまさにオールオアナッシングであった。 森永氏の考えのような選択肢もあるにもかかわらず、それらが国民に対して提示されなかったのは政府の姑息な手段であり、またオールオアナッシングの二者択一しか選択できなかった国民は不幸であった。 森永氏をはじめとして、真に日本の国益を考えられる有識者たちはどんどんこのような本を出版してもらいたいものである(できればもう少し低価格で)。
(書評作成:2007年3月14日)
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杉山知之 (すぎやま ともゆき)

 
(プロフィール)
1954年東京都生まれ。工学博士。
1979年、日本大学大学院理工学研究科修了後、日本大学理工学部助手。
1987年よりマサチューセッツ工科大学メディ ア・ラボ客員研究員として3年間活動。国際メディア研究財団・主任研究員、日本大学短期大学部専任講師を経て、94年10月、デジタルハリウッドを設立。
現在、デジハリ学校長とデジタルハリウッド大学・大学院学長を務める。
 
  
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クール・ジャパン 世界が買いたがる日本

おススメ度:(5点満点)

本体価格:1,600円+税
発行所  :祥伝社
発行日  :2006年2月15日
形態   :単行本・249ページ

ジャンル:社会

目次
第1章 「クール」の帝国・日本
第2章 ビジネスとしての「クール・ジャパン」
第3章 「ジャパン・オリジナル」の強さ
第4章 AKIBAから世界へ−国境を越えて増殖する「OTAKU」
第5章 「クール・ジャパン」を産み出す人々
第6章 新・文化産業のための世界戦略
 内容
 アニメ・漫画・フィギュアをはじめとする新産業において、今や日本のコンテンツは””クール・ジャパン世界のトップをひた走る存在となっている。そのような日本の現状の強さ・弱さ、今後の展開について解説している。

 感想
 アニメや漫画というと日本人にとってはごく当たり前の存在となっているので、特に意識はしていないが、世界各国では日本のそれらは羨望のまなざしで見られているという。 ここでいう「クール」とは「かっこいい」という意味。 これまで日本製品は家電、自動車などハード面のすばらしさが目立っていたが、ソフト面でも世界を席巻しつつあることに驚いたし、また頼もしく思った。
 一方で、これらはきちんと知的財産を守らないとすぐに真似されてしまう分野でもある。 特に近隣にコピー大国を抱く日本としてはやはり国を挙げてそれらの権利を守るべきであろう。 すぐ近くには平気で「クレヨンしんちゃん」を商標登録して、本家が販売を差し止められるということを平気でやるような恥知らずな泥棒国家があるのだから。
(書評作成:2007年12月8日)
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ジャン−ノエル・ジャンヌネー (Jean-Noel Jeanneney)

佐々木 勉 (ささき つとむ) 訳+解題

 
(プロフィール)
前者:
1942年グルノーブル生まれ。
シンクタンクのユーロパルトネール所長。
パリ高等師範学校を卒業し、1979年からパリ政治学院教授。1982年から1986年ラジオフランスの会長。1991年から1993年通産省そしてコミュニケーション省政務次官を歴任。2002年から2007年春までフランス国立図書館長。

後者:
北海道生まれ。慶応大学商学研究科博士課程修了。
郵政研究所研究官、慶応大学総合政策学部講師、文部省教科書調査官、群馬大学社会情報学部助教授、郵政総合研究所客員研究員などを経て、現在、情報通信総合研究所客員研究員、在フランス。
 
  
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Googleとの闘い 文化の多様性を守るために

Googleとの闘い 文化の多様性を守るために

おススメ度:(5点満点)

本体価格:1,600円+税
発行所  :岩波書店
発行日  :2007年11月28日
形態   :単行本・166ページ

ジャンル:社会

目次
第1章 目を見張る進歩
第2章 市場というリスク
第3章 ハイパーパワー
第4章 困難な問題
第5章 独自の検索エンジン
第6章 知識の体系化
第7章 文化と産業
結論 新たな方法の模索
 内容
 Googleが発表した1500万冊の書籍をデジタル化するという「グーグル・プリント」の構想。 強力な検索エンジンによって、英語圏以外の言語や文化が一元化されるのではないか、と危惧した著者が、「グーグル・プリント」の問題を明らかにする。あわせて文化の多様性を守るための著者独自の考えを提唱する。

 感想
 グーグルは普段から特に意識することもなく、便利だと思って使っていた。 しかし本書を読むことで、言語や文化の一元化の恐れがあるということ、検索順位の背景には英語圏を中心とした商業主義が潜んでいることが分かった。
 非常に考えさせられる本ではあるが、この本の背景にはアメリカ・イギリスに対するフランスの反骨(反発)精神があることも理解しなければならない。 もう少しやさしい文書で書かれていればなおよかったと思う。 難しい表現が多くて読むのに非常に骨が折れた。
(書評作成:2008年3月12日)
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浅川夏樹 (あさかわ なつき)

 
(プロフィール)
銀座クラブホステス、会社経営者の顔も持つ個人投資家。
 
 
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円が元に呑み込まれる日

円が元に呑み込まれる日

おススメ度:(5点満点)

本体価格:1,500円+税
発行所  :実業之日本社
発行日  :2008年2月29日
形態   :単行本・237ページ

ジャンル:社会

目次
第1章 上海が東京を追い抜く日
第2章 中国の台頭を加速させるグローバリゼーション
第3章 「世界の工場」から「チャイナ・マネー」へ
第4章 東京が東アジアの金融センターになるために
 内容
 急速に力をつけつつある中国の金融、力を失いつつある日本の金融の現状について解説し、これからの日本金融の進むべき道に関する持論を述べている。

 感想
 読んでがっかりの本であった。 まず誰に対して自らの主張を訴えたいのかが分からない。 また文書の構成自体も未熟で、中国の体制、仕組みを非難したかと思えば、一転して賛美するところがある。そのような構成や主張がころころ変わるため内容に一貫性がないと感じられる。 本の帯には日本経済復活の「てこ」にするための緊急提言、と書かれていたが、とてもそんな主張が繰り広げられているとは思えなかった。
 著者は自らの知識をただ単に自慢したいだけではないのだろうか? それとも一投資家として自らの利益につなげるため、この本を読んだ人を扇動しようとしているのであろうか?
(書評作成:2008年4月4日)
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中西輝政 (なかにし てるまさ)

 
(プロフィール)
1947年大阪府生まれ。
京都大学法学部卒業。ケンブリッジ大学大学院修了。
京都大学助手、三重大学助教授、スタンフォード大学客員研究員、静岡県立大学教授を経て、京都大学大学院教授。
国際政治学、国際関係史、文明史。
平成14年正論大賞受賞。
 
 
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日本人としてこれだけは知っておきたいこと

日本人としてこれだけは知っておきたいこと

おススメ度:(5点満点)

本体価格:740円+税
発行所  :PHP新書
発行日  :2006年10月30日
形態   :新書・254ページ

ジャンル:社会

目次
第1章 歪められた自画像
第2章 あの戦争をどう見るべきか
第3章 日本人にとっての天皇
第4章 日本文明とは何か
 内容
 タイトルにあるように、「日本人として、これだけは知っておきたいこと」のうち歴史・天皇家・日本文明の項目をピックアップして分かりやすく解説している。

 感想
 日本人として知らなければならない(知らされていない)ことが非常によく分かった。 これまでの歴史観や社会観が一変するほどの衝撃があった。
もちろんここで紹介されているのは社会や歴史に関するひとつの側面からの意見であり、それをすべて受け入れる必要はないが、少なくとも現代社会で常識といわれていることをもう一度考え直す上で本書を読むことは有益である。
 この本を読むと国民ウケをしようとする政党の考えがいかに歴史的に見ると誤っているのかということがよく分かる。 また天皇家に関する考え方も一変すると思う。
 まさに日本人として、みんなに読んでもらいたい本であると思う。
(書評作成:2011年2月27日)
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伊藤洋一 (いとう よういち)

 
(プロフィール)
1950年、長野生まれ。1973年、早稲田大学政治経済学部卒業後、時事通信社に入社。
1986年、住友信託銀行に入行。1998年、住信基礎研究所主席研究員。
 
 
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日本力。アジアを引っ張る経済・欧米が憧れる文化!

日本力。 アジアを引っ張る経済・欧米が憧れる文化!

おススメ度:(5点満点)

本体価格:1,600円+税
発行所  :講談社
発行日  :2005年6月25日
形態   :単行本・270ページ

ジャンル:社会

目次
第1章 勝ちパターンに入った日本
第2章 中国が抱える大弱点
第3章 中国の創造力の真実
第4章 いびつな韓国経済
第5章 「祭りなき国」の反乱
第6章 神格化されたインドの実像
第7章 世界を席巻する文化と経済
第8章 くたばれ悲観論
 内容
 バブル崩壊後、失われた10年といわれ、何かにつけて悲観論が渦巻いている日本。 しかし技術的な視点、政情の安定性などの視点で見ると、日本は欧米をはじめ、活気があるといわれる韓国、中国、インドに対して、絶対的な優位性を保っていると解説されている。
 メディアで報じられているように、本当に日本は不況でどうしようもない国なのか、世間に渦巻く悲観論は正しいのか、という疑問に対しアジア各国を訪れた著者がその思いを語っている。

 感想
 冷静に考えてみると、日本の力はまだまだ世界のトップレベルであるし、分野を限ってみると世界のどこもついてこれない技術を持っている。 少なくとも格付けでアフリカの某国と同じレベルであるということは全くない。 この本を読むと日本に対して自信がもてるし、勇気づけられる。 著者が書いているように、今の悲観論は早く払拭してもっと日本という国に自信を持たなければと思う。何事につけても慢心というものは怖いので、慢心を戒めるという意味で今の悲観論を使えばよいと思う。
 この本を読んでいて、日本の企業というのは世界一流であるがビジョンが全く無い日本の政治(政治家)というのは三流以下の最低な存在と感じた。
(書評作成:2006年1月29日)
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