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歴史小説の書評

 

岳 真也 (がく しんや)

 
(プロフィール)
1947年東京生まれ。慶應義塾大学大学院社会学研究科修了。
1966年、学生作家としてでデビュー。
現在、西部文理大学客員教授、法政大学講師。
 
  
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新撰組武勇列伝 剣侠

新撰組武勇列伝 剣侠

おススメ度:(5点満点)

本体価格:1,800円
発行所  :学習研究社
発行日  :2004年1月
形態   :単行本・303ページ

ジャンル:歴史小説

目次
近藤 勇−義を取り生を捨つる
芹沢 鴨−色よく花の魁けて
沖田聡司−わが生は一陣の風のごとく
土方歳三−鬼となり修羅となりて
島田 魁−ふところ深き漢であれば
相馬主計−みずからに引導を渡す
斎藤 一−われ士道に殉ずべし
 内容
 幕末の新撰組の活動について、一人の人間に着目して、その人物ごとに描いた短篇集である。登場人物は有名な近藤、沖田、土方をはじめ、芹沢ら計7名である。

 感想
 一人の人間に着目して話を進めるという構成をとっているため、同じ事件(たとえば池田屋事件など)でもそれぞれ人により違った視点から語られているのは面白い。 またどちらかというとマイナーな人々にも着目されているのは良い。
 この本が私にとって新撰組デビューとなったが、非常に興味深く読み進めることができた。 新撰組は日本の近代史において書くことはできない存在でありながら(特に土方などは)、学校の日本史で触れられることは少ない。 この本を読んで、遅ればせながら勉強できたのは良かった。 またこの本では新撰組の面々のかっこいい表の面だけでなく、非情な裏の面についても書かれており、その分リアリティが感じられた。 今後も新撰組に関する本を読んで生きたいと思う。
(書評作成:2004年2月24日)
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松永義弘 (まつなが よしひろ)

 
(プロフィール)
1928年佐賀県生まれ。日本大学法文学部史学科卒業。
日本文芸家協会会員。
 
  
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大石内蔵助

大石内蔵助

おススメ度:(5点満点)

本体価格:660円+税
発行所  :学陽書房
発行日  :1998年12月21日
形態   :文庫・281ページ

ジャンル:歴史小説

目次
昼行灯
刃傷
赤穂開城
山科の日々
離合集散
討入り
 内容
 大石内蔵助の立場から、忠臣蔵の世界を描いた歴史小説。 主人の無念を晴らすため、また武士としてのプライドを守るため、討入りを決心するまでの苦悩や、同士をまとめる苦労を描いている。

 感想
 もともと少年少女向けに書かれた小説を、大人向けに再構成したものであり、文書としては非常に読みやすい。 浅野内匠頭の切腹から吉良上野介を討ち取るまでの大石内蔵助の苦悩がよく描かれている。 忠臣蔵は日本人としてはぜひ知っておきたい出来事であり、それを知るにはやさしく描かれている本書は好適であろう。
 ただ物語は討入りまでで終わっており、47士を惜しんで切腹の回避が懇願されていた逸話が挿入されていなかったのは残念であった。
(書評作成:2005年4月22日)
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近衛龍春 (このえ たつはる)

 
(プロフィール)
1964年、埼玉県生まれ。
大学卒業後、暫しオートバイレースに没頭。
その後、通信会社勤務を経て、フリーライターに転職。
 
  
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前田慶次郎

前田慶次郎

おススメ度:(5点満点)

本体価格:857円+税
発行所  :PHP文庫
発行日  :2007年12月18日
形態   :文庫・518ページ

ジャンル:歴史小説

目次
第一章 東国の戦陣
第二章 三国峠合戦
第三章 天下の騒乱
第四章 別人に非ず
第五章 賎ヶ岳
第六章 傾奇者対決
第七章 越中の戦い
第八章 小田原合戦
第九章 前田家出奔
第十章 仕官と準備
第十一章 最後の戦い
 内容
 秀吉も認めた「天下御免の傾奇者」前田慶次郎の波乱万丈の生涯を描いている。

 感想
 前田慶次郎といえばマンガ「花の慶次」でちょっと知っているだけで興味があった。 実際この本を読んでみると不遇な境遇ながらも、己の信念にまっすぐ生き抜いたということがわかった。 この本に書かれているのは50歳を過ぎてから、「人生50年」の戦国時代からするとまさに人生の末期。ただそんな人生の終わりにおいても傾奇者を貫き通したのはすごくかっこいいと思う。
 歴史に「たら、れば」はないが、もし前田慶次郎が前田家を継いでいたならば、江戸時代も違った形になったかもしれない。
(書評作成:2010年2月7日)
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浜野卓也 (はまの たくや)

 
(プロフィール)
1926年、生まれ。
早稲田大学卒業。
作家・評論家。日本文芸家協会所属。
 
  
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黒田官兵衛

黒田官兵衛

おススメ度:(5点満点)

本体価格:638円+税
発行所  :PHP文庫
発行日  :1996年6月17日
形態   :文庫・381ページ

ジャンル:歴史小説

目次
プロローグ 天満宮の村夫子
上方騒然  室の津の修道士
信長に賭ける  「筑前」と呼ばれる男
播州の風雲  反覆常なし
恨み深し上月城  牢舎の藤
備中高松城  中国大返し
九州の戦雲  城井谷無惨
如水の憂鬱  秀吉の死後
見果てぬ夢  万民の罰
あとがき
 内容
 数ある戦国武将の中から信長に組みすることをきめ、またその後の秀吉からも一目置かれる存在となった、戦国時代の名軍師・黒田官兵衛の生涯について描く。

 感想
 黒田官兵衛については、名前は知っていたが、その功績や人となりについては恥ずかしながらほとんど知らなかった。 本書を読むことで、黒田官兵衛は日本の歴史上、非常に重要な位置づけにあったということが良く分かった。
 まさに日本の行く末を見通すことができる大局観のある貴重な人物といえよう。 もし官兵衛に大きな野心があり、その知恵を自らの野心のために働かせたとしたら、日本の歴史は大きく変わっていたかもしれない。 長政に言い放ったと伝えられる有名な台詞「お前の左手は何をしていたのだ」はまさにその象徴。
 黒田官兵衛が如何なる人物であるかを知りたい人にはお薦めの一冊である。
(書評作成:2012年2月4日)
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