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電子・電機関連のビジネス書の書評

 

鵜飼明夫 (うがい あきお)

 
(プロフィール)
1938年京都生まれ。1962年ソニー株式会社入社。
商品設計、設計管理、コーポレート業務監査を歴任。1996年中小企業診断士資格認定。
1998年ソニー株式会社退職。武蔵工業大学環境情報学部客員研究員として、「商品企画論」「経営計画論」「マネージメント入門」等の研究、講義を行なっている(同年4月より現職)。
2001年ソニー・ヒューマンキャピタル株式会社エンジニアリングエキスパート商品企画研修、講演会講師を務める(同年8月より現職)。
一方、UGAI経営研究所を主宰。経営コンサルタント(中小企業診断士)として、商品企画、商品開発、生産合理化、品質保証・改善等の分野で積極的にコンサルティング活動を行なっている。
 
  
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ソニー流商品企画

ソニー流商品企画 売れる理由がここにある

おススメ度:(5点満点)

本体価格:1,400円
発行所  :H&I
発行日  :2003年8月
形態   :単行本・222ページ

ジャンル:ビジネス

目次
第一部  事例篇 ソニーは、なぜこれほどまでにヒット商品を出せるのか
第二部  基礎篇 売れる商品企画作りにはルールがある
第三部  応用篇 あなたの会社に”ソニー流”を注入する
 内容
 元ソニー社員の筆者が、ソニーのビッグヒット商品である「ウォークマン」、「VAIO」、「プレイステーション」が生み出された話をベースとして、ヒット商品を生み出すための商品企画について述べている。

 感想
 ヒット商品は偶然生み出されるのではなく、ちゃんとした商品企画があって生み出されているっていうことを学ぶことができた。 特に印象に残ったのは、ソニーの人は万人受けする商品ではなくあくまでも”自分が消費者だったらこの商品を買いたい”ってことを意識しているってことである。 商品企画の仕事をしている人は読んでみて損はないと思う。
 ただウォークマンの誕生話が何度も本文中に出てくるのは(あまりにも有名な話であるだけに)ちょっとうんざりしてしまう。 こんなしっかりした考えを持っているソニーが今どうして不況なんだろうか?
(書評作成:2003年11月22日)
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村田 昭 (むらた あきら)

 
(プロフィール)
(株)村田製作所名誉会長
 
  
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不思議な石ころ

不思議な石ころ 私の履歴書

おススメ度:(5点満点)

本体価格:1,456円
発行所  :日本経済新聞社
発行日  :1994年3月25日
形態   :単行本・229ページ

ジャンル:ビジネス

目次
両親  闘病生活  新分野開拓  父の死  「製作所」誕生
終戦  実用化への道  世紀の材料  新工場
弟の家出  技術革新  セラミックスの世界  海外への展開
株式上場  赤字と労働争議  国際化  東南アジアと中国
夢を育てるセラミックス  バトンタッチ  業界活動
家族  見果てぬ夢
 内容
 村田製作所を設立し、現在名誉会長を務める村田昭氏の半生および実業家としての信念などを書き綴ったエッセイ風の読み物。 村田製作所はセラミックを素材に用いる積層コンデンサなどのセラミック電子部品の大手企業であり、題名となっている「不思議な石ころ」とは、さまざまな特性を出すエレクトロニック・セラミックスのことを指している。

 感想
 村田昭氏の会社設立時の苦労話や家族のことなど面白おかしく書かれている。 特に現在の村田製作所の会長である弟の治氏が学生運動に熱を上げ、逮捕歴もあることなどが赤裸々に書かれているのには驚かされた。 また零細企業からセラミック電子部品の世界一の企業になるまでの過程も書かれている。
 ただ、松下幸之助氏や盛田氏の著のように、仕事などで参考になるであろう格言というべきものがなかったのは残念である。 良くも悪くもエッセイ風である。

(株)村田製作所のホームページ
http://www.murata.co.jp/
(書評作成:2004年4月1日)
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中村修二 (なかむら しゅうじ)

 
(プロフィール)
1954年、愛媛県生まれ。徳島大学工学部電子工学科、同大学院修士課程修了。
1979年、日亜化学工業入社。1993年、青色発光ダイオードの開発、実用化に成功。
その業績に対して仁科記念賞、朝日賞、ベンジャミン・フランクリン・メダル、武田賞などを贈られる。
1999年、日亜化学を退社、2000年、カリフォルニア大学サンタバーバラ校工学部教授。
 
  
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負けてたまるか

負けてたまるか!青色発光ダイオード開発者の言い分

おススメ度:(5点満点)

本体価格:1,200円
発行所  :朝日新聞社
発行日  :2004年3月25日
形態   :単行本・ 222ページ

ジャンル:ビジネス

目次
プロローグ 三流人生応援宣言
第1章  子どもたちにとってなにが最も大切なのか
第2章  新しい価値観が日本を変える
第3章  私はこうして青色発光ダイオードを発明した
第4章  技術とはいったいなにか
第5章  組織の中で
第6章  好きなことだけやればいい
第7章  いわゆる「中村裁判」について
エピローグ 強く願えば必ず
 内容
 青色LEDの発明および日亜化学との特許訴訟で有名になった中村氏が、これまでの半生、日亜化学での青色LED発明の背景、日亜化学との訴訟の概要について語っている。
 また日亜化学退社後、カリフォルニア大学の教授となったが、そこで体験した日米での教育や研究者の違いについて述べている。

 感想
 新聞や会社での話題でよく中村氏および、中村氏と日亜化学の間での特許訴訟に興味があったため、本書を読んだ。 青色LEDの開発の背景、特に青色LEDが発明できたきっかけやその際の考え方について書いてあると想い、大きな期待を持って読んだが、期待は見事に裏切られた。
 青色LEDについてはさっと流してあるだけで、結局なぜ青色LEDが発明できたのかは分からなかった。 訴訟中という微妙な時期に出された本であり、悪意を持って読めば訴訟を有利に進めようとしているさえ思えた。 また独自の教育論が展開されているが押し付けがましいところがありちょっと興ざめである。
 ただ中村氏の業績自体はすごいものであるので、別の本を読んで今回期待して得られなかった情報を得たいと思う。
(書評作成:2004年4月15日)
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テーミス編集部

 
  
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青色発光ダイオード

青色発光ダイオード 日亜化学と若い技術者たちが創った

おススメ度:(5点満点)

本体価格:1,500円+税
発行所  :テーミス
発行日  :2004年3月30日
形態   :単行本・ 189ページ

ジャンル:ビジネス

目次
第1章  「賞賛」から「非難」へと一変した青色LED報道
第2章  「沈黙」を破って語られ始めた日亜化学の「主張」
第3章  開発の真実(「ブレイクスルー」ではなかった「ツーフロー方式」
第4章  青色LEDから青色LDを誕生させた「技術者群像」
第5章  「ノーベル賞に最も近い男」に寄せられ始めた「疑問」)
第6章  注目の「東京地裁判決」と「残された問題」の行方
 内容
 200億円の金額の大きさに世間があっといわされた青色発光ダイオードの特許裁判、いわゆる「中村裁判」に対し、世間や世論、マスコミは中村賛美、日亜化学非難の立場を取った。 またその後中村氏自身が著者となったものも含め様々な「中村本」が発行され、中村氏を賛美した。
本書は悪となった「日亜化学」のサイドに立ち、日亜化学の立場から「中村裁判」に対しコメントしている。

 感想
 当然のことながら中村氏の主張と本書の主張は正反対である。 ただどちらが正しいかは現状では分からないため、この点についてコメントするのは控えたほうがよいであろう。 この点は裁判で明らかにされるであろうし、またアメリカでの中村氏の活動(活躍?)から判断できるであろう。
 中村氏が言うように、青色発光ダイオードの仕事が自分ひとりだけの功績であるならば次の革新的な技術が間違いなく生み出されるであろう(ただ多くの人が指摘しているように本来仕事は一人ではできないし、自分ひとりの功績を自慢しまくる中村氏にはかなり反感を覚えてしまう)。
 本書の内容に話を戻すと、これまで日亜化学のサイドから書かれた本はなく、その意味では読む価値ありである。 ただ中村氏批判に偏っており、読んでいてあまり気分がいいものではないことも事実である。
(書評作成:2004年9月12日)
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中嶋 彰 (なかじま あきら)

 
(プロフィール)
1954年、兵庫県生まれ。
東京大学工学部を卒業後、日本経済新聞社に入社。
日経産業消費研究所主席研究員。
 
  
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青色に挑んだ男たち

「青色」に挑んだ男たち 中村修二と異端の研究者列伝

おススメ度:(5点満点)

本体価格:1,800円+税
発行所  :日本経済新聞社
発行日  :2003年10月24日
形態   :単行本・284ページ

ジャンル:ビジネス

目次
プロローグ
主要登場人物紹介
第1章 中村物語(その一)―四国に誕生した研究職人
第2章 赤崎物語―青色発光素子の「生みの親」
第3章 松岡物語―インジウムの青にこだわりつづけた研究者
第4章 中村物語(その二)―「青」の開発で赤崎と松岡を猛追
第5章 秋本物語―青色半導体レーザー開発で先行
第6章 河合物語―MOCVDのプロを誇りに
第7章 大場物語―不易の研究者の結晶作り
エピローグ
 内容
 日本人が成し遂げた「世紀の大発」青色発光ダイオードと青色半導体レーザーの開発について、これまでその中心人物として紹介されてきた中村修二氏に加え、これまではあまりマスコミや書籍に登場することがなかった人物について紹介している。

 感想
 これまで青色発光ダイオードと青色半導体レーザーについては、中村修二氏の功績ばかりが断片的に紹介されており、彼一人の成果が目立っていた。 本書を読んで彼以外の人の偉大な成果がよく分かり、しかもそれらすべてが日本人の業績であることに勇気付けられた。 特に赤碕氏は私が在籍していた名古屋大学で研究されていたということを知り、非常に誇りに思える(と同時に彼のことを知らなかった自分の無知が情けなくもあるが)。
 中村氏の巧みなマスコミ戦術によりあたかも青色発光ダイオードと青色半導体レーザーは彼一人の業績と錯覚させられてしまうが、本書では他の人の偉大な業績・知恵が紹介されており、これらの開発経緯の本当の姿が見えてくる。
 エピローグにはこれら開発者のその後の科学技術面での活躍ぶりが紹介されているが、中村氏の部分は日亜との特許論争のみであり、その後の技術分野での活躍は書かれていない。 彼は単なるめっきであったのだろうか?
(書評作成:2004年9月19日)
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ムン・ヒョンジン

吉原育子 (よしはら いくこ)訳

 
(プロフィール)
(前者)
オクラホマ州立大で学士号およびMBA取得。高麗大大学院の修士課程修了。
MBA取得後、サムスンSDIのPDP(プラズマディスプレイ)事業本部に入社、グループ長を勤める。
現在は、自動車部品企業のAuto Genでグローバル新規ビジネス業務を総括する専務理事として在職中。
(後者)
新潟県生まれ。
埼玉大学教育学部音楽科卒業。成均館大学などで韓国語を学ぶ。
2008年、韓国文学翻訳院短期集中課程修了。
 
  
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サムスン式仕事の流儀

サムスン式 仕事の流儀 5年で一流社員になる

おススメ度:(5点満点)

本体価格:1,800円+税
発行所  :サンマーク出版
発行日  :2012年1月9日
形態   :単行本(ソフトカバー)・281ページ

ジャンル:ビジネス

目次
序章 サムスン入社前―なぜ「五年」が大切なのか?
第1章 サムスン一年目―基本で圧倒しろ
第2章 サムスン二年目―誰にも文句を言わせない強力な仕事力
第3章 サムスン三年目―完璧主義と勝利へのあくなきこだわり
第4章 サムスン四年目―すべては関係によって完成する
第5章 サムスン五年目―バージョンアップで自分だけの成功神話を
付録 サムスンの評価法―幹部資質と面接における具体的な評価方法
 内容
 サムスンのグループ企業であるサムスンSDIにおいてグループ長まで勤めた著者が、サムスン流の仕事の特徴について解説している。 とくに、入社後の5年目までが勝負に時であると考え、5年目までの各1年ごとに身につけておきたいスキルや考えについて述べている。

 感想
 日本企業を蹴落として、一気に世界有数の企業に上りつめていったサムスンにおける仕事の仕方について学んでみたいと思い、本書を手に取った。 著者の言う入社5年目までが非常に重要という考えには激しく同意する。 多少無理をしてでもこの期間には自らの能力を高めていく必要がある。 そういう意味で、本書は入社直後の社歴の浅い方向けであるといえるであろう。
 他方、サムスンの仕事の流儀というと、とくにオリジナリティのあるものではなく、右肩上がりの成長が続いていた日本の仕事のやり方をそのまま踏襲しているといえる。 違いをあげるとするなら、日本を手本のしているためか、より無駄を省いてシンプルにしているということであろう。
 日本はいまや成長期から成熟期に差し掛かっており、より独創的な仕事のスタイルが求められている。 本書で述べられているような、当たり前でシンプルなやり方をベースとしながらもプラスアルファの仕事のやり方を求められるであろう。 サムスンの成長モデルに急激なブレーキがかかっている現状を見ると、サムスン自体も仕事のやり方に悩んでいるのかもしれない。
(書評作成:2015年8月26日)
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