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自動車関連のビジネス書の書評

 

桜井淑敏 (さくらい よしとし)

 
(プロフィール)
元本田技研技術者・ホンダF1チーム総監督
現 レーシング・クラブ・インターナショナル。
 
  
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ゼロからの挑戦

ゼロからの挑戦 私はいかにしてF1で世界を制したか

おススメ度:(5点満点)

本体価格:1,456円
発行所  :祥伝社
発行日  :1989年11月
形態   :単行本・237ページ

ジャンル:ビジネス

目次
プロローグ 挑戦の時代
一章 チャレンジング・スピリットの原点
(1)「真実は権力よりも強し」、(2)CVCCエンジンの誕生、(3)あくなき挑戦
二章 理想に向けて妥協するなかれ
(1)シティ・ターボの開発、(2)F1新エンジンの開発
三章 公言してやり抜く勇気を持て
(1)F1チャンピオン戦略の発表、(2)フォード出向の一年
(3)桜井流、目的達成への第一歩
四章 絶え間なき”ゼロからの挑戦”
(1)CVCCエンジンの「その後」、(2)技術評価委員時代
五章 チャレンジ集団をいかに作るか
エピローグ 新たなるチャレンジ
 内容
 ホンダの元技術者であり、1984〜1987年にホンダF1チーム総監督を務めた桜井氏の体験(成功談と失敗談の両方)がまとめられたビジネス書である。 CVCCエンジン、シティ・ターボ、ホンダF1エンジンの開発秘話を例にしてホンダ(というよりも本田宗一郎)の考えを述べている。

 感想
 本書で印象に残っているのは、「初めてのときこそ、そのエキスパートになるチャンス。 ゼロからのスタートこそ最大のチャンス」、「有言実行は不言実行にまさる」、という言葉と、仕事上の目標達成のためには、
@真実を知る、
A目標と課題を明確にする、
Bできると信じてチャレンジする、という考えである。
  また実際の商品(CVCCエンジン、シティ・ターボ)やF1チーム(ウィリアムス、ロータス、マクラーレン)を引き合いにして話を展開しているので、話がイメージしやすく理解しやすかった。 ホンダやF1チーム(しかも当時最強)で成功した人の話なのでいろんな人にも積極的に紹介したい本である。
(書評作成:2003年12月31日)
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カルロス・ゴーン (Carlos Ghosn)

フィリップ・リエス (Philippe Ri`es)

 
(プロフィール)
(前者)日産自動車社長兼CEO
(後者)AFP通信社
 
 
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カルロス・ゴーン経営を語る

カルロス・ゴーン経営を語る

おススメ度:(5点満点)

本体価格:1,600円
発行所  :日本経済新聞社
発行日  :2003年9月
形態   :単行本・434ページ

ジャンル:ビジネス

目次
第1章 旅立ち、第2章 パリ、第3章 ミシュラン、
第4章 リオデジャネイロ、第5章 北米での挑戦、
第6章 さらばミシュラン、第7章 ルノー、第8章 アジアへ、
第9章 日本で、第10章 ルノーの人々、
第11章 聴診、そして診断へ、第12章 仕事について、
第13章 ショック療法、第14章 コミュニケーションの必要性
第15章 弱点の強化−デザイン・財務・販売、
第16章 新しい企業文化、第17章 提携を活力あるものにするために、
第18章 経営者とは、第19章 明日の自動車産業、
第20章 中国市場、第21章 希望のメッセージ
 内容
 AFP通信社のフィリップ・リエスがカルロス・ゴーンにインタビューしてまとめた原稿に、カルロス・ゴーン本人が加筆するという形式でまとめられた本である。 ゴーンの生い立ちから、現在の日産自動車社長兼CEOとなるまでの半生がつづられ、特に経営に関してゴーンの考えが生の声で収録されている。

 感想
 カルロス・ゴーンに対して関心があったので興味深く読むことができた。430ページ程度と非常にボリュームがある本ではあったが、二日で一気に読みきった。 ゴーンに関する本は数多くあるが、本人の生の声が収録されているという点ではこの本がゴーンの考えの真意をより反映しているといえる。 失敗談や挫折、そこでの苦労話なども書かれているかと思ったが、書かれていなかった。 そもそもミシュランやルノーそして日産自動車での活躍を見ると失敗そのものがなかったのかもしれない。 日産自動車の奇跡の復活劇を見るにつけゴーンの考えや実践している内容というのはビジネスマンのみならず多くの人に参考になるであろう。
 特に口先ばっかりで行動がまったく伴わない政治家にはぜひともこの本を読んでもらいたいものである。
(書評作成:2003年11月23日)
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板垣英憲 (いたがき えいけん)

 
(プロフィール)
1946年8月7日、広島県呉市生まれ。
中央大学法学部法律学科卒、毎日新聞東京本社入社、社会部、浦和支局、政治部、経済部に所属。
首相官邸、総理府、通産省、公正取引委員会、東京証券取引所、野村証券、野村総合研究所などを担当。
1985年6月、経済評論家として独立。
 
 
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日産カルロス・ゴーンの世界制覇戦略

日産カルロス・ゴーンの世界制覇戦略

おススメ度:(5点満点)

本体価格:952円
発行所  :秀和システム
発行日  :2003年12月1日
形態   :単行本・83ページ

ジャンル:ビジネス

目次
序章 カルロス・ゴーンと日本企業経営者の決定的違い
―「人・モノ・カネ、情報を活かす企業蘇生の名人」
第1章 人を動かす―「卓越した人心収らん術」
第2章 資産を活かす―「売却、モノをカネに」
第3章 資金を活かす―「ルノーが筆頭株主」
第4章 情報を活かす―「情報の共有」
第5章 技術を活かす―「フェアレディZ」
最終章 世界制覇戦略と目標必達―「満額回答」
 内容
 主にカルロス・ゴーンにより策定された日産リバイバルプラン(NRP)以後の日産復活劇の舞台裏について記している。 目次にもあるが、従来の日産式(日本式)では考えられなかった、大胆な人材・資産・資本・情報・技術の活用術について記している。

 感想
 カルロス・ゴーンに関する著書の中でベストセラーになった「カルロス・ゴーン経営を語る」では主にNRP以前のことが多く語られているが、本書ではNRP以後の復活劇について詳しく述べられている。 新聞の情報では知りえなかったことが紹介されていて非常に興味深い。 日産の復活劇(現在も進行中)は今後、成功したビジネスプランとして後世に語られるはずなので、知っておいて損はないであろう。
 本書はわずか83ページであり、また図も多用されているため、非常に分かりやすい。 ただし430ページで1,600円の「カルロス・ゴーン経営を語る」に対し、83ページで952円の本書の価格を高いと見るか、妥当と見るか。
(書評作成:2004年3月21日)
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長谷川洋三 (はせがわ ようぞう)

 
(プロフィール)
1943年、東京都生まれ。1967年、慶応義塾大学経済学部を卒業後、日本経済新聞社に入社。
産業部、外報部記者を経て、1982年から85年までワルシャワ支局長兼ウィーン支局長。
帰国後、産業部編集委員を経て編集局長付編集委員となる。
BSジャパン解説委員、日本大学大学院グローバル・ビジネス研究科客員教授、学習院大学非常勤講師。
 
  
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カルロス・ゴーン5つの革命

カルロス・ゴーンが語る「5つの革命」

おススメ度:(5点満点)

本体価格:1,600円
発行所  :講談社
発行日  :2004年4月20日
形態   :単行本・247ページ

ジャンル:ビジネス

目次
<革命その1>
第1章 経営革命―危機の原因はトップにある!
第2章 “貧者同士の結婚”か? 最高の提携か?
第3章 “燃えさかる甲板”からの脱出
<革命その2>
第4章 ヒット車革命―創造的、大胆かつ情熱的なクルマをめざして
<革命その3>
第5章 マーケティング革命―どこまで顧客の視点に迫れるか?
<革命その4>
第6章 人材開発革命―徹底したコミュニケーションと信賞必罰
<革命その5>
第7章 異文化の共存革命―「違い」が力に変わるとき
終章 「成功する企業」 の条件
 内容
 著者がカルロス・ゴーンに取材した内容をベースとして、ゴーンが日産で行ったこと、それによって日産がどう変わったのか、についてまとめている。 また日産でのビジネスモデルの成功事例についての考察、またトヨタやGE、キャノン、松下電器など他の成功事例についても解説している。

 感想
 話の内容は「カルロス・ゴーン経営を語る」とダブるところが多い(特に第6章までは)。 しかし本書は主に日産180以後のことを取り上げており、内容的には新しい。 カルロス・ゴーン関係の本は多いが、目標設定のしかた、人の使い方・育て方など参考となるべきところは多い。 本書でもそれらについて学ぶことができ、一読の価値はある。
 また本書では三菱自動車についても触れられており、ダイムラークライスラーに支援により再建が図られる見込みだ、と記載されているのは愛嬌である(2004/4/20当時では誰も予想できなかったので仕方のないことである)。
(書評作成:2004年8月21日)
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山田徹也 (やまだ てつや)

 
(プロフィール)
1968年島根県生まれ。
1992年、毎日新聞社入社。1998年から東洋経済新聞社。
現在、「週刊東洋経済」編集部に所属。
 
  
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トヨタ式とホンダ流

トヨタ式とホンダ流 どこが違うか

おススメ度:(5点満点)

本体価格:1,400円+税
発行所  :こう書房
発行日  :2003年7月1日
形態   :単行本・231ページ

ジャンル:ビジネス

目次
第1章 世界に冠たるビッグネームとなったトヨタとホンダ
第2章 経営戦略や社風にみるトヨタとホンダの違い
第3章 激化する国内市場・磐石のトヨタに挑むホンダの死角
第4章 品揃えのトヨタvs.センスのホンダ―アメリカ市場での戦い
第5章 未来の大市場・中国で先行するホンダ、追うトヨタ
第6章 燃料電池開発でリードせよ!次世代「エコカー」への両社の取り組み
第7章 トヨタvs.ホンダ―さらなる強さを求めて
 内容
 著者の執筆当時、日本の自動車メーカーのワン、ツーを占めていたのがトヨタとホンダ。「国内」「アメリカ」「中国」の市場、および次世代技術「燃料電池」をの視点からトヨタとホンダの違いについて解説されている。

 感想
 トヨタとホンダはビジネススタイルが全く違い、そのスタイルについて多くのビジネス書が発売されている。 この本のタイトルを見た時、各々のビジネスモデルを対比して考察するビジネス書かと期待したのであるが・・・。
 内容はただトヨタとホンダを比較しているだけで、期待は見事に裏切られた。 安い自動車雑誌に書かれているレベルの内容である。 1,400円を出して購入してまで読む価値なし。
(書評作成:2004年9月28日)
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碇 義朗 (いかり よしろう)

 
(プロフィール)
1925年鹿児島県生まれ。
東京都立航空工業学校卒。陸軍航空技術研究所を経て、戦後横浜工業専門学校(現横浜国立大学)卒。
航空、自動車、鉄道などのメカニズムと人間の係わり合いをテーマにドキュメントを発表。
 
  
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ハイブリッドカーの時代

ハイブリッドカーの時代 世界初量産車トヨタ「プリウス」開発物語

おススメ度:(5点満点)

本体価格:1,500円+税
発行所  :光人社
発行日  :1999年11月21日
形態   :単行本(ソフトカバー)・ 199ページ

ジャンル:ビジネス

目次
第一部
1 モーターをつくる自動車技術者たち
2 「G21」プロジェクト発足
3 強力な助っ人、「BRVF室」
4 純沌のはざまで
5 すべてを自分たちの手で
6 熱がうらみ、IGBT開発
第二部
1 バッテリーの戦い
2 エンジンを止めよう
3 新時代の自動車デザインを
4 工場が動き出した
5 新たなる出発
6 未来が走り出した
 内容
 世界初のハイブリッドカーであるプリウスの開発背景、開発経過などについてまとめているドキュメント。 当時のチーフエンジニアをはじめ、多くの技術者たちへのインタビュー、綿密な取材を通してプリウス開発秘話を明らかにしている。

 感想
 トヨタと言えば圧倒的な財力を武器に、他のメーカーアイデアやデザインをまねる(徳大寺氏は後だしジャンケンと称している)オリジナリティがない会社というイメージを持っているが、プリウスは数少ないオリジナリティを感じさせる車である(他にオリジナリティがあるといえばはセルシオやMR-S、ヴィッツくらいか)。
 本書は特に技術上の難しい話については触れず、さらっとしかも楽しく読むことができる。 これまでに世界にないオリジナリティだらけ(オンリーワン)の商品を世に送り出す際の開発の苦労がよく伝わってきた。 人々の協力の重要性や、信念を持ち続けて困難に立ち向かうということの重要性について改めて認識することができた。
(書評作成:2004年10月2日)
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宮本喜一 (みやもと きいち)

 
(プロフィール)
1948年奈良市生まれ。
71年一橋大学社会学部卒業、74年一橋大学経済学部卒業。
同年、ソニー入社。94年マイクロソフト入社。
98年独立して翻訳をはじめ、現在に至る。
 
  
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マツダはなぜよみがえったのか

マツダはなぜ、よみがえったのか?

おススメ度:(5点満点)

本体価格:1,500円+税
発行所  :日経BP社
発行日  :2004年11月22日
形態   :単行本・235ページ

ジャンル:ビジネス

目次
はじめに 〜なぜ、マツダの復活をとりあげるのか?
第1章 RX-8開発物語
〜フォードの「無理難題」にマツダの現場が「答え」を出した
マツダは、いかにして堕ち、いかにして再生したのか?
第2章 一本目のトンネル とにかく火を消せ
第3章 二本目のトンネル マツダブランドを再構築せよ
第4章 三本目のトンネル フォードが導いたマツダの経営改革
第5章 マツダの成長はマツダ自身の手で行う
おわりに 〜モノづくり企業のブランド戦略とは
 内容
 バブル経済以後の経営不振から立ち直りつつあるマツダの復活劇について解説している。 第1章では、マツダ復活のシンボルであるRX-8の開発秘話から、ブランド戦略によるマツダ復活のシナリオを紹介している。 第2〜4章では、マツダの凋落から復活までの道筋、出来事について時系列で解説している。 第5章では、現在の社長に対するインタビュー形式で、マツダ復活劇についてマツダ内部の意見を解説している。

 感想
 第1章は、プロジェクトX的な内容で楽しめた。 第2〜4章では、こんなことをやったら会社は危ないということや、一度落ちぶれた会社はどうやったら復活できるのか、ということが分かって比較的ためになった。 ただし、日産(カルロス・ゴーン)に比べると、復活のシナリオ、復活のために何をすべきなのか、ということが明確ではない。 そういう意味ではゴーンに関する本を読んだほうがためになる。 ただ、マツダというこれまでほとんど取り上げられることがなかった会社を題材にしているという点で読む価値はあるかもしれないが。
(書評作成:2005年3月26日)
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片山 豊 (かたやま ゆたか)

財部誠一 (たからべ せいいち)

 
(プロフィール)
(前者)1909年静岡県生まれ。
慶応義塾大学経済学部卒業後、日産自動車に入社。
60年アメリカへ赴任、アメリカ日産社長となる。
77年退任後、帰国。98年米国の自動車殿堂入りをする。
(後者)1956年東京都生まれ。
慶応義塾大学法学部卒。野村証券、出版社勤務を経てフリージャーナリストに。
 
  
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Zカー

Zカー

おススメ度:(5点満点)

本体価格:680円+税
発行所  :光文社新書
発行日  :2001年10月25日
形態   :新書・196ページ

ジャンル:ビジネス

目次
序章 Zカー復活
1章 アメリカ日産を作る
2章 Zカー誕生
3章 Zカークラブ
4章 ダットサンが消える
5章 ブランド・アイデンティティ
6章 またルノーがやってきた
7章 継承されていたDNA
8章 ニューZ
9章 夢
終章 ビジョナリーであること
 内容
 日産自動車の栄枯盛衰の一例として、アメリカ日産の礎を作りながらも社内的に冷遇された片山豊氏を題材として紹介している。 Zカーはまさにその象徴として取り上げられている。

 感想
 カルロス・ゴーン以前の日産自動車は、やってはならないことをすべてやってきたのかということがよく分かる一例である。 日産自動車の没落は起こるべくして起こったということが非常によく分かった。 今の企業でも反面教師として見習うべき点が非常に多いのではなかろうか?
 ゴーン体制になり片山氏の名誉は回復されたわけであるが、非常によかったと思う。 ゴーン体制になったときにZの復活が象徴的であるとアナウンスされたとき、なぜZなのか?と半ば嘲笑する記事を載せた自動車雑誌がいくつかあったが、その背景が把握できていなかったということ。 その記事を書いた自動車評論家は己の無知とうわべだけのコメントを深く恥じるべきである。
(書評作成:2005年3月26日)
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