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津本 陽さんの本の書評

 

津本 陽 (つもと よう)

 
(プロフィール)
1929年、和歌山市に生まれる。東北大学法学部卒業。
1978年、「深重の海」で第79回直木賞を受賞。95年、「夢のまた夢」で第29回吉川英治文学賞を受賞。
 
前田利家  覇王の夢
 
  
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前田利家

前田利家

おススメ度:(5点満点)

本体価格:524円(税別)
発行所  :講談社文庫
発行日  :1997年9月
形態   :文庫・317ページ(上)、294ページ(中)、317ページ(下)

ジャンル:歴史小説

ジャンル
上巻
朱武者、赤母衣衆、越前衆、賤ヶ岳、北陸探題
中巻
北陸探題(承前)、昵懇衆
名護屋出陣
下巻
秀頼後見、南坊、暮雲
 内容
戦国時代を生き抜くバサラ武者で、加賀100万石の石杖を作った前田利家の生涯を描く。

上巻
 織田信長の小姓として初陣で二つの首級をあげた戦から、信長による勘当、桶狭間の戦いなどを経て、信長配下の武将として出生していく様、本能寺の変、本能寺の変後の秀吉との交わりについて記している。

中巻
 本能寺の変後、時代は秀吉の天下となる。 秀吉の信頼を得、その配下として秀吉の全国制覇を助けるまでの活躍を描く。

下巻
 秀吉、利家ともに寄る年波には勝てず、病がちとなる。 秀吉の没後、家康の勢力が急激に増大する。 家康の対抗できるのは利家を置いて他にはいない。 秀吉との約束を守り家康に対抗して豊臣家と守るのか、それとも家康の下にくだり前田のお家を守るのか。 死に際し、そちらを選択するのか苦悩する様を描く。

 感想
 戦国時代の主だった武将がすべて登場するため、前田利家だけでなく戦国時代末期の時代背景、時代の流れ、武将の特徴や関係がよく分かる。 1巻300ページ程度×3巻で非常に読み応えが合った。 単なる小説に留まらず、手紙や書物の内容を多く引用しており、歴史書としてもためになる内容となっている。
 ただ昔の言葉をそのまま流用している箇所が多く(特に会話)、古文をあまり理解できていないと読むのにかなり骨が折れる。 もう少し平易な書き方であればよかったのにと思う。
(書評作成:2005年3月27日)
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覇王の夢

覇王の夢

おススメ度:(5点満点)

本体価格:648円(税別)
発行所  :幻冬舎文庫
発行日  :2008年8月10日
形態   :文庫・374ページ

ジャンル:歴史小説

目次
序章 天下  第一章 安土の城  第二章 鉄甲船
第三章 雑賀衆  第四章 前人未到  第五章 野望
第六章 公儀  第七章 弥四郎  第八章 鬼のごとく
第九章 伴天連  第十章 本能寺  終章
 内容
 日本の天下統一だけでなく、さらに世界までも見据えながらも本能寺の変で非業の死を遂げた織田信長の半生を描く。

 感想
 本書の内容をずばり言い表しているのは、地球儀をじっと見つめている表紙の絵であろう。 日本という小さな世界だけでなく世界という大きな舞台をも視野に入れていた信長の野望。 歴史にタラレバはないがもしも本能寺の変がなければ中世以後の世界地図は大きく変貌していたかもしれない。
 本書では信長の大いなる野望に大多数のページが割かれており、クライマックスとなる本能寺の変はわずか数ページで説明されるのみ。 そのあたりがちょっと物足りなく感じてしまった。
(書評作成:2011年2月27日)
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