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仙川環さんの本の書評

 

仙川 環 (せんかわ たまき)

 
(プロフィール)
1968年、東京都生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、大阪大学大学院医学部修士課程修了。
医療技術、医療問題を中心に取材を続けるジャーナリスト。
『感染―infection』で、第1回小学館文庫小説賞受賞。
 
感染 infection  転生
 
  
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感染

感染 infection

おススメ度:(5点満点)

本体価格:1,400円+税
発行所  :小学館
発行日  :2002年8月1日
形態   :単行本・248ページ

ジャンル:サスペンス・ハードボイルド
 内容
 第1回小学館文庫小説賞受賞作品。
 ウィルス研究者・葉月は外科医の夫・啓介とのすれ違い生活に不安を抱えていた。 そんな中幼児が誘拐され、惨殺される事件が立て続けに発生する。 その事件が起こった日に夫が決まって外出することを知った葉月は不安にかられ、独自の調査を行う。 そこには単なる誘拐事件に留まらない医学の闇が隠されていた。

 感想
 医療現場を題材にしたサスペンスである。 医療倫理、バイオハザード、誘拐殺人が絡み合った設定であり、その設定の新鮮さ、スピーディな話の展開、複雑に絡み合う事件の謎、など飽きることなく一気に読める。 良質な医療サスペンス映画を見たかのような感じであった。 主人公が女性であるため、ハードボイルド色もあまり強くなく、またハードボイルド、サスペンスにありがちなバイオレンスな表現もない。 その分、話の設定や展開に強引さがなく、もしかしたらありうるかもというリアリティさが感じられたのは好ましい。
(書評作成:2006年8月7日)
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転生

おススメ度:(5点満点)

本体価格:571円+税
発行所  :小学館
発行日  :2006年10月1日

ジャンル:サスペンス・ハードボイルド
 内容
 フリーライターの深沢岬は、仕事の依頼で訪問したホテルのロビーで、見知らぬ男から赤ちゃんを押し付けられる。 岬はその赤ちゃんには見覚えがなかったのであるが、その赤ちゃんは以前に報酬目当てに違法と知りつつ提供した卵子から生まれた子供であるということを知る。
 警察を頼ることができない岬は自ら赤ちゃんを押し付けた男を捜すが、その調査の過程で殺人事件に巻き込まれてしまう。

 感想
 手に汗握るストーリー展開は非常に楽しいのであるが、残念ながら登場人物の魅力がない。 主人公はもちろんのこと、その他の主要人物についても書き込みや設定が不足しておりどの登場人物についても感情移入することができなかった。 特に残念であったのが主人公である岬の人物像である。 ちょっとアウトローのハチャメチャな主人公にしたかったのであろうが、かなり中途半端な人物像にとどまってしまっている。
 医療を題材にした謎解きの要素は面白かったが、一本調子の謎解きでありもう一ひねりほしいと思った。
(書評作成:2013年11月17日)
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