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関口 尚さんの本の書評 |
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関口 尚 (せきぐち ひさし) |
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(プロフィール) 1972年、栃木県生まれ。 茨城大学大学院人文科学研究科修了。 2002年、『プリズムの夏』で小説すばる新人賞を受賞してデビュー。 07年、『空をつかむまで』で第22回坪田譲治文学賞を受賞。 |
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パコと魔法の絵本 シグナル | ||
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パコと魔法の絵本おススメ度:(5点満点)![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 本体価格:495円+税 発行所 :幻冬舎 発行日 :2008年7月25日 形態 :文庫・253ページ ジャンル:日本文学(文芸)、映画化された小説 |
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![]() とある病院に入院した大富豪の偏屈じじい大貫は人に心を開くことなくみんなから嫌われていた。 そんな大貫は絵本好きな少女パコと出会う。 ある日、大貫は勘違いからパコの頬を叩いてしまう。 その後大貫は、彼女が事故の後遺症で一日しか記憶がもたない病気だと知り、自らの行為を深く反省する。 次の日にパコのほおを触った大貫に対し、パコは「ねえおじさん、前にもパコのほっぺに触ったよね?」と答える。 大貫は機能を失った少女の心に特別な思い出を残そうと病院のみんなを巻き込んでパコのための劇を演じることを決める。 ![]() 不思議な世界観に対して最初は多少戸惑わされるもののものすごく感動できる話である。 まさに読まないと損といえるであろう。 病院に入院している患者たちはみんな一癖もふた癖もあり、また何らかの心の傷を負っている。 そんな彼らがパコのためにと一致団結するににまず心を打たれる。 さらにネタばれになるので詳細はかけないが、衝撃のラストシーンにまたもや心打たれてしまう。 本当に感動で涙が出てしまう本です。 |
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(書評作成:2008年12月15日) | ||
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シグナルおススメ度:(5点満点)![]() ![]() ![]() 本体価格:648円+税 発行所 :幻冬舎 発行日 :2010年10月10日 形態 :文庫・397ページ ジャンル:日本文学(文芸)、映画化された小説 |
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![]() 大学生の恵介は学費を稼ぐため、実家近くの映画館でアルバイトを始めることにした。 そのアルバイトとは女性の映写技師であるルカの補助をするというものである。 ただしそのアルバイトには奇妙な条件がつけられていた。 ![]() 著者の前作である「パコと魔法の絵本」があまりにも秀逸であったため、大きな期待を持って本書を読んだ。 結論から言うと、楽しくはあったが読む前の大きな期待にこたえるというものではなかった。 「パコと魔法の絵本」との比較で言うと、シナリオのリアリティという面では本作品のほうが上回り、感情移入はしやすい。 ルカと恵介が徐々に心通わせていく様子はそこそこ感動できた。 ただし、その感動の度合いは「パコと魔法の絵本」には遠く及ばなかったというのが率直な感想である。 また未完了感の漂うストーリーもちょっと納得がいかなかった。 ルカと慶介のその後の関係はもちろんのこと、ストーリーをかき乱す悪役についてもその後どうなったのかは書かれていない点はすごく気持ちが悪い。 設定は面白いだけに、ぜひとも続編でこれらの未完了感に対する回答を示してほしいと思う。 |
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(書評作成:2014年1月5日) | ||
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