My Little Library
 

貫井徳郎さんの本の書評

 

貫井徳郎 (ぬくい とくろう)

 
(プロフィール)
1968年、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業。
1993年、第4回鮎川哲也賞の最終候補となった『慟哭』で作家デビュー。
 
失踪症候群  誘拐症候群  殺人症候群
 
  
著者から検索  書名から検索  ジャンルから検索  トップページ 
 
失踪症候群

失踪症候群

おススメ度:(5点満点)

本体価格:619円+税
発行所  :双葉文庫
発行日  :1998年3月15日
形態   :文庫・349ページ

ジャンル:サスペンス・ハードボイルド小説
 内容
 警視庁人事二課の環敬吾が率いる特殊工作チームは警視庁内で事件性が薄いよくわからない案件を隠密裏に捜査するエキスパート集団である。 その構成メンバーは私立探偵、托鉢僧、肉体労働者と実に個性的である。
 そんな環たちのチームに若者たちの連続失踪の調査に関する依頼が舞い込んだ。

 感想
 本書は「症候群」三部作の第一弾にあたる作品である。 まずは、個性的なキャラクターに目がいく。 今回はチームの中でも私立探偵の原田の私生活とリンクしながらストーリーが進展していく。 若者達の失踪の裏にある事情は?などいろいろと楽しめる作品である。
 ちょうど2時間のサスペンスドラマを見ているかのようにストーリーが頭に入ってくる。 続編の「症候群」シリーズを呼んでみたいと思わせる出来であった。
(書評作成:2012年5月13日)
トップ > 書名別検索(さ行)
トップ > 作者別検索
トップ > ジャンル別検索(サスペンス・ハードボイルド小説)
 
  
著者から検索  書名から検索  ジャンルから検索  トップページ 
 
誘拐症候群

誘拐症候群

おススメ度:(5点満点)

本体価格:667円+税
発行所  :双葉文庫
発行日  :2001年5月20日
形態   :文庫・386ページ

ジャンル:サスペンス・ハードボイルド小説
 内容
 警視庁人事二課の環敬吾が率いる特殊工作チームに依頼されたのは「誘拐事件」であった。 ただしその事件における身代金は100万円という単位の小口であり、被害者達は警察にも届けずに泣き寝入り状態となっているものであった。 これらの誘拐事件は自称・ジーニアスにより仕組まれた巧妙な事件であった。

 感想
 「症候群」第二段である。
今回の作品では托鉢僧・武藤の私生活と事件がリンクしてストーリーが進行していく。 前作に比べるとミステリー色がさらに高くなってきていて、面白くなっている。 ジーニアスを追い詰めていく過程は非常にスリリングで面白い。
ただ、ネタばれになるため詳細はかけないが、事件の核心に迫る部分でインターネットが活用されている。 本作が書かれたのは1998年ということであり、インターネットが爆発的に普及する直前である。 かなりご都合主義でストーリーが進展していくのがちょっと気になった。 当時の状況ではこんなにインターネットが爆発的に普及するなんて予想できなかったのかもしれないが。
(書評作成:2012年5月13日)
トップ > 書名別検索(や行)
トップ > 作者別検索
トップ > ジャンル別検索(サスペンス・ハードボイルド小説)
 
 
著者から検索  書名から検索  ジャンルから検索  トップページ 
 
殺人症候群

殺人症候群

おススメ度:(5点満点)

本体価格:952円+税
発行所  :双葉文庫
発行日  :2005年6月20日
形態   :文庫・711ページ

ジャンル:サスペンス・ハードボイルド小説
 内容
 警視庁人事二課の環敬吾は、自らが率いる特殊工作チームに対し、一見無関係に見える殺人事件の繋がりについて調査するように命じた。 ただし、チームの一員である倉持は協力を拒否する。
 殺人事件の背景にあったのは、日本社会におけるタブーとも言える領域であった。

 感想
 「症候群」第三段である。
 まず読み始めてそのあまりにも重過ぎるテーマに絶句させられる。 ページ数が多いこともさることながら、話の重さについ読む手が止まってしまって、続完するのにかなりの時間がかかってしまった。
 社会に対して問題提起するという意味では本書の果たす役割は多いと思う。 ただ、あまりにも殺人が起こりすぎる点はリアリティがなさ過ぎる。
 また三部作の完結編とはいえ、面白い設定であると思った特殊工作チームの結末にしてはちょっと納得できないものであった。 賛否両論はあると思うが、個人的にはこのエンディングはちょっと受け入れがたいと感じた。
(書評作成:2012年9月15日)
トップ > 書名別検索(さ行)
トップ > 作者別検索
トップ > ジャンル別検索(サスペンス・ハードボイルド小説)
 
 

Copyright(c) 2015 My Little Library. All Rights Reserved.