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西村京太郎さんの本の書評

 

西村京太郎 (にしむら きょうたろう)

 
(プロフィール)
1930年東京生まれ。
1962年、双葉新人賞に『病める心』で入選。1965年、『天使の傷痕』で江戸川乱歩賞を受賞。
1981年には『終着駅殺人事件』で日本推理作家協会賞に輝く。
その後次第に多彩な作風に転じ、1978年、十津川警部を主人公にした鉄道ものを刊行。
 
紀伊半島殺人事件  伊勢志摩殺意の旅  出雲神々の殺人  明日香・幻想の殺人  十津川警部 特急「雷鳥」蘇る殺意
湖西線12×4の謎  十津川村天誅殺人事件  十津川警部捜査行 愛と哀しみのみちのく特急
十津川警部捜査行 愛と幻影の谷川特急  東京上空500メートルの罠  近鉄特急 伊勢志摩ライナーの罠
岐阜羽島駅25時
 
  
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紀伊半島殺人事件

紀伊半島殺人事件

おススメ度:(5点満点)

本体価格:762円+税
発行所  :双葉社
発行日  :1999年12月10日
形態   :新書、221ページ

ジャンル:ミステリー小説

目次
第一章 白浜−東京
第二章 後を継ぐ者
第三章 青岸渡寺
第四章 戦いの始まり
第五章 追跡
第六章 攻防
第七章 対決と結末
 内容
 南紀白浜のホテルで男性が転落死する事故が発生した。 時を同じくして新宿のホテルで女性が服毒死する事件が発生する。 この二つの事件には思わぬ共通点があった。 十津川警部が事件の捜査に乗り出すが、さらにこれらの事件に関係した死者が増えていく。

 感想
 西村京太郎氏、十津川警部シリーズの小説をはじめて読んだが、充分に楽しめた。 200ページ強とページ数はまずまずながら話に引き込まれ一気に読みきった。 まさにノンストップノベルである。
 話としては南紀白浜と新宿のホテルでの殺人事件の間に共通点があり、またその殺人事件の背後には大きな事件が隠れており、第二、第三の殺人事件が起こると言う典型的なミステリーである。 話の節々に伏線が張られており、エンディングまで読者をあきさせることなく次々と謎が準備されており、最後まで楽しむことができた。
 惜しむらくは、話の途中で中央(本庁)に対する、地方(和歌山県警)の意地という点で、和歌山県警が対決姿勢を見せる記述があったが、それが最後のほうでは無くなり、互いに協力すると言う構図に変わっていた。 どうもその点だけが中途半端に感じられた。
(書評作成:2007年2月18日)
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伊勢志摩殺意の旅

伊勢志摩殺意の旅

おススメ度:(5点満点)

本体価格:800円+税
発行所  :実業之日本社
発行日  :2000年1月25日
形態   :新書、238ページ

ジャンル:ミステリー小説

目次
第一章 地下鉄
第二章 真相への道
第三章 都市制圧計画
第四章 神の掟
第五章 戦いの場
第六章 重圧の下
第七章 騒乱の中で
 内容
 地下鉄丸の内線の車内で若い男が刺殺される事件が発生した。 男は死ぬ間際に「セコ」という謎の言葉を残していた。 男の身元が割り出せる遺留品はなく、身元不明であったが、彼が伊勢名物・赤福餅を持っていたことが判明する。 十津川警部は伊勢へ飛んだ。 伊勢は平穏に見えたが、恐るべき陰謀がひたひたと進行していた。

 感想
 話の最後は警視庁vs○○(ネタバレになるので伏せます)と非常にスケールが大きく、最後までハラハラさせられた。 スケールの大きさはさることながら、犯人の推理がちょっとご都合主義なのが残念。 十津川の推理(というか勘)で犯人が推測され、確たる証拠もないまま事件解決に向かってしまう。 もう少し推理に根拠があればよかったのにと思った。
(書評作成:2007年2月26日)
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出雲神々の殺人

出雲神々の殺人

おススメ度:(5点満点)

本体価格:800円+税
発行所  :双葉社
発行日  :2004年3月20日
形態   :新書、195ページ

ジャンル:ミステリー小説

目次
第一章 最後の罠
第二章 絵馬
第三章 犯人像
第四章 夜の闇の中で
第五章 プラス1の殺人
第六章 神火
第七章 神々の死
 内容
 10月の東京で、東京で若い女性を狙った連続殺人事件が発生。 殺された女性の下には「神が人を殺した。 これは神々の殺人の始まりだ」などの奇妙なメモが残されていた。 女性たちの特に共通点はなく、わずかに「出雲」というキーワードだけが共通していた。 捜査にあたった十津川警部は亀井刑事と共にメモを手がかりに出雲に向かう。

 感想
 2時間ドラマの題材としては面白いと思う。 犯人を割り出すための推理、犯人を徐々に追い詰める過程、などはスピード感があって悪くないと思う。
 ただ犯行の動機があまりにも短絡的である点、犯人の割り出しがあまりにもスムーズに行き過ぎている点、犯人逮捕があまりにもあっけなさ過ぎる点、などにわずかに不満が残った。 この作品はわずか200ページ弱であり、一気に読み進められて点はよかったが、もう少しストーリーにふくらみや事件に伏線があってもよかったと思う。
(書評作成:2007年2月24日)
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明日香・幻想の殺人

明日香・幻想の殺人

おススメ度:(5点満点)

本体価格:819円+税
発行所  :徳間書店
発行日  :2003年5月31日
形態   :新書、220ページ

ジャンル:ミステリー小説

目次
第一章 幻想の明日香
第二章 明日香の歌
第三章 明日香の旅
第四章 新生明日香の会
第五章 王家の谷
第六章 挑発
第七章 幻想の終わり
 内容
 東京で数店のレストランを経営する資産家・小池恵之介が失踪し、一週間後、奈良県明日香村の高松塚古墳の傍で、古代貴人の衣裳を身に着け、絞殺死体となって発見された。 さらに彼の個人資産のうち、三十億円が引き出されていた。 その後、この事件は連続殺人事件に発展する。 十津川警部は事件解決のため、明日香に向かう。

 感想
 ミステリーでありながら、日本の古代史(飛鳥時代)の仮説に触れることができ興味深い内容である。 歴史ファンにとってはより楽しく読むことができるであろう。 また殺人事件の背景も謎に包まれておりミステリーとして読み応えがあった。 事件の舞台も私の郷里のすぐ近所であり、土地勘が働くので非常に興味深く読むことができた。
 一点残念なのは犯行の動機があまりにも短絡的であるということ。 ネタバレになるので詳しくは書けないが、子供の喧嘩レベルの動機であり、もう一ひねりあれば、と思った。
(書評作成:2007年5月16日)
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十津川警部 特急「雷鳥」蘇る殺意

十津川警部 特急「雷鳥」蘇る殺意

おススメ度:(5点満点)

本体価格:819円+税
発行所  :集英社
発行日  :2006年3月8日
形態   :新書、203ページ

ジャンル:ミステリー小説

目次
第一章 謎の青酸中毒死
第二章 ブログの世界
第三章 最初に戻って
第四章 新展開
第五章 ある小説
第六章 真相への接近
第七章 終章への扉
 内容
 平成元年2月、特急「雷鳥」のお座敷グリーン車で若い女性が不審死を遂げる事件が発生したが、結局迷宮入り、時効となった。 15年以上経って、事件の起きたお座敷グリーン車を買い取り、庭先に展示する男が現れる。 彼は、事件当日この車両に乗っていた人に話をききたい、謝礼に10万円払うという掲示を出す。 やがて、彼のもとへ話をしに来た若い男が殺され、これを発端として事件に関係する人々が次々と亡くなる。

 感想
 話の内容は上に書いたとおりであるが、ミステリーとしてもいくつもの謎が仕掛けられており、非常に面白い。 また2006年にかかれた小説と言うこともあり、事件解決にブログが利用されているのは面白い。 西村さんは1930年生まれで、現在70歳をはるかに越えているにもかかわらず、今話題の新しい素材(ブログ)を小説の中に取り入れようとする意識には、敬服させられる。 ただ話の内容からすると、ブログというよりもどちらかと言うと掲示板に近いような気がしたけれども。
(書評作成:2007年3月10日)
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湖西線12×4の謎

湖西線12×4の謎

おススメ度:(5点満点)

本体価格:800円+税
発行所  :カドカワ・エンターテインメント
発行日  :2005年11月30日
形態   :新書、187ページ

ジャンル:ミステリー小説

目次
第一章 KOKOKU
第二章 近江今津駅
第三章 遺骨
第四章 絵馬の言葉
第五章 第三の死体
第六章 切迫
第七章 終わりよければ
 内容
 元刑事で私立探偵の黒田が失踪した。 彼のマンションには男の射殺死体があった。 十津川警部たちが部屋を捜索すると<KOKOKU12×4>という謎のメッセージが残されていた。 やがて琵琶湖で黒田の水死体が上がった。 十津川警部たちは事件の舞台となった琵琶湖・湖西地区に向かう。

 感想
 近所の湖西地区が舞台ということもあり本書を手に取った。 話の展開がスピーディーで、かつページ数も少ないので一気に読みきってしまった。 次から次へと謎が仕掛けられ、よどみなく話が展開していく様は見事。
 ただしすべての謎が解き明かされないまま終わったのは少々いただけない(第四章、第五章の内容)。 すべての事件の背景を書ききってほしかった。
(書評作成:2007年3月26日)
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十津川村天誅殺人事件

十津川村天誅殺人事件

おススメ度:(5点満点)

本体価格:800円+税
発行所  :小学館
発行日  :2006年5月20日
形態   :新書、233ページ

ジャンル:ミステリー小説

目次
第一章 メッセージ
第二章 十津川村に入る
第三章 来訪者たち
第四章 川湯温泉
第五章 草莽の会
第六章 斬奸状
第七章 第二の天誅
 内容
 東京・月島の高級マンションで、十津川村の世界遺産登録に尽力したといわれる元高級官僚が殺され、現場に“義によって天誅を下す”の血文字が残されていた。 また事件当夜、被害者宅を「十津川」と名乗る人物が訪問していたことが分かる。 事件を調査するうちに十津川警部は、事件に対し奈良県の十津川村が関係している可能性があることを突き止め、十津川村に捜査に向かった。

 感想
 明治維新の歴史に埋もれた十津川郷士を題材にした、歴史ロマンとミステリーの融合である。 どちらかと言えば、明治維新の歴史に重点を置いた感じである。 ミステリーとして読んでも犯人や動機に多くの謎が隠されており、読み応えがある。
 その他、紀行文としても十津川の大自然がうまく表現されている。 歴史、紀行、ミステリーが楽しめ、お買い得感が高いと思う。
(書評作成:2007年3月18日)
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十津川警部捜査行 愛と哀しみのみちのく特急

十津川警部捜査行 愛と哀しみのみちのく特急

おススメ度:(5点満点)

本体価格:819円+税
発行所  :実業之日本社
発行日  :2007年11月25日
形態   :新書、267ページ

ジャンル:ミステリー小説

目次
ゆうづる5号殺人事件
急行べにばな殺人事件
特急あいづ殺人事件
愛と絶望の奥羽本線
謎と絶望の東北本線
 内容
 東北を舞台にした十津川警部のトラベルミステリーの短篇集。

ゆうづる5号殺人事件
 商社の営業課長が殺される事件が発生した。 その事件を追う十津川は一人の女性にたどり着く。 しかし彼女も阿武隈川で死体となって発見された。 十津川たちは二人の被害者に共通する一人の男にたどり着くが、彼には鉄壁のアリバイがあった。 そのアリバイを崩すため十津川は「ゆうづる5号」に乗り込む。

急行べにばな殺人事件
 十津川の部下・亀井の友人が急行べにばなの車内で殺され、亀井が殺人の容疑者として疑われる。 真犯人を突き止めるため、十津川は鉄道のダイヤに潜んだトリックに挑む。

特急あいづ殺人事件
 十津川の妻が乗り合わせたあいづの車内で、女性ルポライターが殺された。 彼女は「アキ・・・」というダイイングメッセージを残していた。 犯人として一人の男が浮かぶが、彼にはアリバイがあった。 アリバイを崩すため十津川は鉄道のダイヤに潜んだトリックに挑む。
その他、2篇。

 感想
 短篇であり一気に読み切れてしまう。 短篇であるが故、話の展開はスピーディーであり話に引き込まれてしまう。 まさに電車の中で読むのに適切な遼、内容であろう。
 ただしその裏返しとしてミステリーとしてみてみると話の内容は一本調子であり、どんでん返しなども無い。 その点がちょっと物足りなかった。 まあ短篇だからその辺に期待するのは無理かもしれないが。
(書評作成:2007年12月18日)
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十津川警部捜査行 愛と幻影の谷川特急

十津川警部捜査行 愛と幻影の谷川特急

おススメ度:(5点満点)

本体価格:819円+税
発行所  :実業之日本社
発行日  :2008年5月25日
形態   :新書、310ページ

ジャンル:ミステリー小説

目次
鬼怒川心中事件
死を運ぶ特急「谷川5号」
恋と幻想の上越線
ATC作動せず
死への近道列車
 内容
 関東近郊を舞台にした十津川警部のトラベルミステリーの短篇集。

鬼怒川心中事件
 ある雑誌社に人気作家から「鬼怒川心中事件」という題名の原稿が届く。 しかしその作家はそんな本を書いた覚えはないという。 やがてその未発表の小説に書かれたとおりの殺人事件が起こる。

死を運ぶ特急「谷川5号」
 過去のある出来事がきっかけでデザイナーの世界で孤立してしまった男が、その孤立のきっかけとなった出来事に関与した2人の男に対する復讐のための完全犯罪を練る。

死への近道列車
 二億円の詐欺事件を起こした男が、その金を騙し取った女から脅しを受ける。 身の危険を感じた男は、女を殺して海外への高飛びを計画する。
その他、2篇。

 感想
 執筆時期が違う短篇を集めているので、中には古臭い内容のものもある。 しかしおおむねトラベルミステリーとして楽しむことができた。 特に、「鬼怒川心中事件」では話のストーリー、トリックともに秀逸であると思った。
 その他では倒叙推理(まず犯人の立場から犯罪を描く)の形式を取った「死を運ぶ特急「谷川5号」」と「死への近道列車」の2つが面白かった。
(書評作成:2008年6月28日)
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東京上空500メートルの罠

東京上空500メートルの罠

おススメ度:(5点満点)

本体価格:800円+税
発行所  :双葉社
発行日  :2008年12月29日
形態   :新書・211ページ

ジャンル:ミステリー小説

目次
第一章 突然の危機
第二章 北東へ進路を取れ
第三章 パラシュート降下
第四章 訓練空域
第五章 着地点は遠野
第六章 高度を維持せよ
第七章 嵐のち快晴
 内容
 日本の著名人を乗せた大型飛行船が東京上空でハイジャックされる事件が発生した。 飛行船の高度が500メートル以下に降下すると飛行船に仕掛けられた爆弾が爆発する。 数少ない情報から十津川警部は犯人像に迫る。

 感想
 非常にスケールの大きな設定であり、楽しめた。 十津川警部というと列車を使ったトラベルミステリーという印象が強いが、この話ではあくまでも主役は飛行船(移動手段として列車は登場するが、あくまでもそれだけの存在)。
 ごくわずかな犯人に関する情報から徐々に(でもスピーディーに)犯人が絞り込まれていくところには多少のご都合主義も垣間見えるが、強引さはない。
 これまでに読んだ十津川警部シリーズの中では設定やその話のスケールの点でかなりユニークな物語であり、単純に楽しめた。
(書評作成:2009年10月30日)
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近鉄特急 伊勢志摩ライナーの罠

近鉄特急 伊勢志摩ライナーの罠

おススメ度:(5点満点)

本体価格:819円+税
発行所  :祥伝社
発行日  :2008年9月10日
形態   :新書・205ページ

ジャンル:ミステリー小説

目次
第一章 還暦の旅
第二章 失踪
第三章 小さな秘密
第四章 円空に賭ける
第五章 脱出・救出
第六章 京都別宅
第七章 逆転
 内容
 熟年層を対象とした月刊誌「マイライフ」では一組の夫婦(鈴木夫妻)の伊勢旅行の様子を取材する企画を立案した。 しかし旅行当日になり、その夫婦が失踪した。 さらに鈴木夫妻の名を語る別人が代わりに旅行を続けた。 さらに数日後、その別人がしたいとなって発見される。
 十津川警部が捜査に乗り出すが、鈴木夫妻の周囲に不審な点はまったく見当たらない。 しかし鈴木夫妻宅を捜査した際に、厳重に保管された円空仏が発見された。 事件の謎を追って十津川警部は伊勢志摩に向かった。

 感想
 夫婦の失踪、夫婦の名をかたる別人の登場、さらにその別人の死、と矢継ぎ早に事件が進行していく。 また夫婦からはまったく事件性が感じられないという、捜査の閉塞感が漂ってきて、物語がどのように進行していくんだろうというある意味予測困難な設定となっており、どんどんページを読み進めていってしまう。
 ネタばれになるので詳細は書けないが、最後にどんでん返しが用意されており、最後まで楽しく読み進めることができた。
(書評作成:2009年11月15日)
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岐阜羽島駅25時

岐阜羽島駅25時

おススメ度:(5点満点)

本体価格:800円+税
発行所  :新潮社
発行日  :2010年1月20日
形態   :新書・205ページ

ジャンル:ミステリー小説

目次
第一章 不老不死の誘惑
第二章 誘惑の論理
第三章 警視庁OB
第四章 緊急手術
第五章 自殺者
第六章 幻想の罠
第七章 25時の脱走
 内容
 東京と横浜で相次いで高齢の資産家が殺される事件が発生した。 両方に被害社宅には「不老不死」を解説した本が残されていた。 十津川警部は、岐阜羽島の研究所で不老不死を研究し、「不老不死」の本を出版した謎のドクターを捜査する。

 感想
 今回の話はかなりの点で残念であった。 ネタばれになるのであまり詳しくはかけないが、殺人事件の背景が不明な点、話の設定のリアリティさが薄い点が面白さを害してしまっていた。 さらに一番すっきり来なかったのが、エンディングである。 かなり中途半端な終わり方であり、読後にかなりのもやもや感が残ってしまった。 十津川警部ファンの人は読まないほうがいいかもしれない。
(書評作成:2010年3月6日)
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