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森村誠一さんの本の書評

 

森村誠一 (もりむら せいいち)

 
(プロフィール)
1933年熊谷市生まれ。青山学院大学卒。
1969年に「高層の死角」で江戸川乱歩賞、1973年「腐蝕の構造」で日本推理作家協会賞を受賞。
 
殺人倶楽部  新・新幹線殺人事件  終着駅  
 
  
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殺人倶楽部

殺人倶楽部

おススメ度:(5点満点)

本体価格:419円+税
発行所  :角川春樹事務所
発行日  :2000年8月28日
形態   :文庫・166ページ

ジャンル:ミステリー小説

目次
第1章 殺意解消店
第2章 人生の同士
第3章 羽ぶりのよい連死者
第4章 常連の容疑者
第5章 追突されたアリバイ
第6章 保険をかけた共通項
第7章 ワンチャンスの情報源
第8章 拒否された忘却
第9章 砂漠の旅人
 内容
 世の中の不条理から心身ともに荒廃している人々。 そんな人々は「雑談クラブ」と呼ばれるクラブで雑談滓、自らの傷を癒していた。 そんな折、雑談クラブに来る人々に傷を負わせた加害者たちが相次いで死傷する事件が発生した。

 感想
 166ページとページ数が少なくすぐに読み切れてしまう。 話の展開もスリリングであり読み始めるとおそらく一気に読みきってしまうであろう。
 雑談クラブに集まった人々に関係する加害者たちが次々と死傷するという事件について次から次へと謎が仕掛けられている。 ネタばれになるのであまり詳細にはかけないが、犯人像や犯行動機についてトリックが仕組まれており、最後の展開にはやられたと思った。
(書評作成:2007年12月8日)
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新・新幹線殺人事件

新・新幹線殺人事件

おススメ度:(5点満点)

本体価格:819円(税別)
発行所  :ワンツーマガジン社
発行日  :2005年10月20日
形態   :文庫・301ページ

ジャンル:ミステリー小説

目次
プロローグ   静かなる被害者
別行の容疑者   すり替えられた誘拐
鳥渡る赴任   王国のための罪
犯行の攻め口   殺しの視点
崩壊の論理   本命の死体
第三の共犯者   矛盾する死体
逆転した被害者   二重の容疑
欠損した出所   空白を埋める常連
最後の晩餐   単行本あとがき
 内容
 博多発東京行のひかり116号で、不動産ブローカーが刺殺された。 容疑者として、被害者と交際していた博多のホステスが浮かび上がったが、彼女には、犯行の時刻に、死体の発見されたひかりより44分遅れのひかり4号に乗車していたという鉄壁のアリバイがあった。

 感想
 単なる殺人事件だけでなく、いくつかの事件が複雑に絡み合って、話を複雑に、しかし面白くしている。 最後の最後まで誰が犯人かわからない展開で、非常に読み応えがあった。
 いくつかのご都合主義的な偶然を足がかりに謎解きが進行していくが、その展開に強引さはない。 トラベルミステリーとしては秀逸の出来だと思う。
(書評作成:2010年4月24日)
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終着駅

終着駅

おススメ度:(5点満点)

本体価格:514円(税別)
発行所  :角川文庫
発行日  :2002年3月25日
形態   :文庫・333ページ

ジャンル:ミステリー小説

目次
第一章 束の間の仲間  第二章 父の肉
第三章 運命の出会い  第四章 買い叩いた売春
第五章 かぐや姫の旅立ち  第六章 隣り合った愛人
第七章 騒々しいアリバイ  第八章 行路病死の遺品
第九章 再会した乗客  第十章 葬られた隠し場
第十一章 同じ屋根の下の正体  第十二章 放置された秘蔵車
第十三章 アリバイを連絡するドア  第十四章 幻の愛の形見
第十五章 キイの身許  第十六章 生き倒れた宿泊カード
第十七章 両様の死因  第十八章 チェンジされた密室
第十九章 最後の犯人  第二十章 部分的完全犯罪
 内容
 田舎から東京へと向かう列車に3人の男女が乗り込んでいた。 各々が田舎を捨てて東京で成功するという野心をもって、終着駅・新宿に降り立った。
 そのうち一人・浅川真が新宿のホテルで殺され、また残りの二人・宮地杏子と軍司弘之が失踪した。
 捜査線上にある一人の男が浮かび上がるが、そこには鉄壁のアリバイがあった。 そんな中、5つの事件が次々と起こる。

 感想
 途中から犯人はほぼ特定され、焦点はそのアリバイ崩しになっていく。 それだけだと話にふくらみがないが、5つの事件が複雑に絡み合い、それらの関連性も含めて謎解きの要素が強くなっていき、最後まで楽しめる。
 事件解決のためにはいくつかの偶然が積み重なり、ちょっとご都合主義的なところもあるが、全然強引な感じがない。
(書評作成:2011年1月23日)
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路

おススメ度:(5点満点)

本体価格:1,200円+税
発行所  :集英社
発行日  :2007年10月30日
形態   :単行本・229ページ

ジャンル:日本文学(文芸)

目次
プロローグ  不明の移転  悪魔の標準
蹴飛ばした空き巣  釈然としない解決
事件を解く鍵  悲しい路上
新たな受益者  轢き逃げされた容疑
不安な見舞客  第三の窓
やりきれない追跡  エピローグ
 内容
 資産家の木部信夫が突然失踪した。 そしてその直後に彼が所有する時価十数億円の土地とマンションが売買されたことが判明した。 木部はなぜ、姿を消したのか。 真相を追う新宿署の牛尾は、無関係に思えたタクシー強盗殺人から、解決の糸口をつかむ。 だがその後、関係者が次々と殺人や轢き逃げに巻き込まれ、事件は混迷を極めていく。

 感想
 最後の最後まで犯人が絞り込めず、ミステリーとして非常に楽しむ読むことができた。 また複数の無関係に思える事件が最終的には有機的につながって謎の解明につながるところは面白かった。
 ただし、かなりのご都合主義があり、半ば強引に謎が解明されているようにも感じられた。 もう少し、偶然に頼らない必然性のある謎の仕掛けがあったらさらに面白いのに、と感じた。
(書評作成:2011年8月21日)
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