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栗田有起さんの本の書評

 

栗田有起 (くりた ゆき)

 
(プロフィール)
1972年、長崎県生まれ。名古屋外国語大学外国語学部英米語学科卒業。
2002年「ハミザベス」で第26回すばる文学賞を受賞。
 
マルコの夢  オテル モル
 
  
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マルコの夢

マルコの夢

おススメ度:(5点満点)

本体価格:1,300円+税
発行所  :集英社
発行日  :2005年11月10日
形態   :単行本・132ページ

ジャンル:日本文学(文芸)
 内容
 大学を卒業後も定職につくことができない一馬。 彼は姉の仕事を手伝うためフランスに渡り、そこで三ツ星レストランできのこ番の仕事をすることになる。 そのレストランで有名なのが幻のきのこ「マルコ」を使った料理。 ある日一馬はレストランのオーナーから日本へ「マルコ」の買い付けに言ってもらいたいと依頼される。

 感想
 132ページしかないのであっという間に読みきってしまう。 なんとも不思議なストーリーだと思った。 幻のきのこ「マルコ」を捜し求めるだけの話であるが、それで充分に一つの物語になっている。 ネタバレになるので詳細にはかけないが、マルコはすぐに見つかるのでマルコを捜し求める冒険譚の話ではない。 マルコと一馬を巡る不思議な因果が描かれた、なんとも不思議な話であった。
(書評作成:2008年6月21日)
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オテル モル

オテル モル

おススメ度:(5点満点)

本体価格:1,500円+税
発行所  :集英社
発行日  :2005年3月10日
形態   :単行本・180ページ

ジャンル:日本文学(文芸)
 内容
 これまで100社あまりに就職を断られ続けた希里が一風変わったホテルに就職できることとなった。 そのホテルは「オテル・ド・モル・ドルモン・ビアン」といい、地下に存在するホテル。 オテルに宿泊するお客さんはいずれも安眠を求めてやってくる。

 感想
 快適な睡眠を提供するために存在するホテルという設定が非常にユニーク。 非現実な設定であるが、リアリティも同時に感じた。 もしもこんなホテルが存在したならば一度宿泊してみたいと思う。
 主人公・希里は決して幸せとはいえない境遇であり、一見するとどろどろした私生活であるが、まったく不快感を感じさせない描写である。 最後は一応ハッピーエンドとなっており、読後の爽快感もあった。 これを題材にして映画化しても結構面白いのではないかと感じた。
(書評作成:2009年9月27日)
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