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畠中 恵さんの本の書評 |
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畠中 恵 (はたけなか めぐみ) |
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(プロフィール) 1959(昭和34)年、高知県生れ、名古屋育ち。 名古屋造形芸術短期大学卒。漫画家アシスタント、書店員を経て漫画家デビュー。 その後、都築道夫の小説 講座に通って作家を目指し、『しゃばけ』で日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞。 |
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【しゃばけシリーズ】 しゃばけ ぬしさまへ ねこのばば おまけのこ うそうそ |
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【現代小説】 百万の手 とっても不幸な幸運 |
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しゃばけおススメ度:(5点満点)![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 本体価格:514円+税 発行所 :新潮文庫 発行日 :2001年4月1日 形態 :文庫・342ページ ジャンル:ミステリー小説、時代小説 |
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![]() 江戸の薬種問屋の一太郎は、生まれながらにしてめっぽう体が弱く外出もままならない。 ところが目を盗んで出かけた夜に人殺しを目撃してしまう。 それ以後、江戸では立て続きに、猟奇的殺人事件が続き、ついには一太郎も命を狙われてしまう。 彼は家族同様の妖怪と事件の調査を始める。 ![]() 時代劇とSFとミステリーがうまく融合しており、非常に面白い。 また病弱で寝込みがちの主人公(ヒーロー)という設定も、斬新でかつ滑稽である。 江戸の人たちの人情、またモノを大切にする古きよき日本が物語の背景にあり、読んでいてほのぼのとさせられた。 続編もあるということなので引き続き読み進めていきたいと思う。 |
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(書評作成:2010年3月6日) | ||
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ぬしさまへおススメ度:(5点満点)![]() ![]() ![]() ![]() 本体価格:514円+税 発行所 :新潮文庫 発行日 :2005年12月1日 形態 :文庫・318ページ ジャンル:ミステリー小説、時代小説 目次 ぬしさまへ 栄吉の菓子 空のビードロ 四布の布団 仁吉の思い人 虹を見し事 |
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![]() 江戸の薬種問屋の病弱の若旦那・一太郎と、一太郎を見守る妖怪たちの引き起こす騒動の第二段。 今回の話では、一太郎の兄・松之助の苦労話や、仁吉の恋愛話など、の6つの短編集となっている。 ![]() 漫画の感覚で気軽に読めるという点では前作と同様に楽しめる。 今回は続編ということであり、さらにその後も続編が予定されているということで、各登場人物についてより詳しく紹介するような構成となっている。 今回の話の中では、人の醜さが描かれている「空のビードロ」、妖怪の純情が描かれ、最後にどでん返しの仕掛けが待っている「仁吉の思い人」の話が特に面白いと思った。 |
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(書評作成:2011年4月10日) | ||
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ねこのばばおススメ度:(5点満点)![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 本体価格:476円+税 発行所 :新潮文庫 発行日 :2006年12月1日 形態 :文庫・321ページ ジャンル:ミステリー小説、時代小説 目次 茶巾たまご 花かんざし ねこのばば 産土 たまやたまや |
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![]() 江戸の薬種問屋の病弱の若旦那・一太郎と、一太郎を見守る妖怪たちの引き起こす騒動の第3段。 今回の話では、迷子になった子供を保護した若旦那が騒動に巻き込まれる「花かんざし」や、手代の一人・佐助のこれまでの生活を描いた「産土」など5つの短編を掲載している。 ![]() 漫画の感覚で気軽に読めるという点では前作と同様に楽しめる。 ただ今回の作品は前に二作と比べると多少趣が異なっている。 ひとつにはミステリーの色合いが強くなったこと(『ねこのばば』『たまやたまや』)。 もうひとつにはかなり重いテーマも取り上げていること(『花かんざし』『ねこのばば』『産土』)。 これらの新しい試みのおかげで、マンネリ化することなく本作も楽しむことができた。 |
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(書評作成:2011年5月28日) | ||
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おまけのこおススメ度:(5点満点)![]() ![]() ![]() ![]() 本体価格:476円+税 発行所 :新潮文庫 発行日 :2005年12月1日 形態 :文庫・322ページ ジャンル:ミステリー小説、時代小説 目次 こわい 畳紙 動く影 ありんすこく おまけのこ |
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![]() 病弱の若旦那・一太郎が活躍するしゃばけシリーズの第4弾。 人からも妖怪からも嫌われる妖・狐者異(こわい)が登場する「こわい」、厚塗りの少女おひなさんと屏風のぞきの交流を描いた「畳紙」、幼きころの一太郎が近所の子供たちと怪奇現象の謎を追う「動く影」、吉原の禿の足抜けを一太郎が手伝う「ありんすこく」、大粒真珠の盗難と一人の鳴家のかわいい冒険の「おまけのこ」の5編の短編集。 ![]() これまでの「しゃばけ」シリーズというと、殺人事件をはじめとする何らかの事件が起こり、病弱の若旦那があやかしの力を借り、自らの知恵とあわせて事件を解決するというのが大まかなストーリーであった。 一方、本作品ではあまり事件性のあるものはなく、もっぱら若旦那とあやかしたちとの交流に焦点が当てられていると感じた。 今回の作品の中では、若旦那の登場はあまりないが、おひなさんの心の葛藤と成長が描かれている「畳紙」の話が面白いと思った。 |
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(書評作成:2012年9月17日) | ||
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うそうそおススメ度:(5点満点)![]() ![]() ![]() ![]() 本体価格:514円+税 発行所 :新潮文庫 発行日 :2006年12月1日 形態 :文庫・348ページ ジャンル:ミステリー小説、時代小説 |
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![]() 病弱の若旦那・一太郎が活躍するしゃばけシリーズの第5弾。 病弱な若旦那は湯治のために箱根まで出かけることとなった。 しかしその旅の道中、便りとなる手代は姿を消し、また侍や天狗にも襲われる始末。 しかも箱根では奇妙な地震も相次いでいた。 なぜ次々と若旦那は不幸に相次いで見舞われることになったのであろうか? ![]() 「しゃばけ」シリーズの長編小説である。 今回の作品でずばりテーマとなっているのは、人間の欲であると思う。 人間は自らの欲のために後先が見えなくなり行動してしまうという裏の一面が全編にわたって描かれている。 このように書くと非常に重たいストーリーのように感じるが、軽快なテンポで重いテーマを面白く描いているのはさすがであると思った。 |
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(書評作成:2012年9月17日) | ||
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百万の手おススメ度:(5点満点)![]() ![]() 本体価格:800円+税 発行所 :創元推理文庫 発行日 :2006年6月16日 形態 :文庫・397ページ ジャンル:ミステリー小説 目次 プロローグ 第一章 燃える 第二章 現れる 第三章 出会う 第四章 飛び込む 第五章 追う 第六章 知る 第七章 話す 第八章 死ぬ 第九章 探す 第十章 迫る 第十一章 願う 第十二章 思う エピローグ |
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![]() 主人公の中学生・音村夏貴は、友人の正哉の家が火事になっているのを目撃する。 家事の現場で正哉は家族を助けるために家の中に飛び込もうとしているのを見かけ、その行動を止めようとするが、正哉は家の中に飛び込み結局帰らぬ人となってしまう。 夏貴の手には正哉愛用の携帯電話が残された。 友の死を悲しむ夏貴に対し、携帯電話の中から正哉が火事の原因を調べて欲しいと話しかけてきた。 ![]() 畠中さんというと「しゃばけ」シリーズの代表されるように時代小説で有名であるが、本作品は著者にとって初の現代小説である。 しゃばけシリーズが非常に面白かったので本作品も非常に期待して読んだのであるが、ちょっと期待はずれであった。 ミステリーとして読んでみるとあまり謎に奥行きがない。 また謎の解明に向けてもご都合主義がかなり気になる。 何よりしゃばけシリーズではキャラクターがすごく活き活きとしていて魅力があるが、本作品ではキャラクターに魅力がない。 携帯電話の中から亡き友が話しかけてくるという設定は面白いが、その設定もかなり中途半端に終わっている。 |
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(書評作成:2011年8月21日) | ||
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とっても不幸な幸運おススメ度:(5点満点)![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 本体価格:590円+税 発行所 :双葉文庫 発行日 :2008年3月20日 形態 :文庫・330ページ ジャンル:ミステリー小説 目次 序章 第一話 のり子は缶を買う 第二話 飯田はベートーベンを聴く 第三話 健也は友の名を知る 第四話 花立は新宿を走る 第五話 天野はマジックを見せる 第六話 敬二郎は恋をする 終章 |
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![]() ズバリその名も「酒場」という酒場には、一癖も二癖もある店主や客が集まっている。 そこに「とっても不幸な幸運」という名のいわくつきの缶が持ち込まれる。 その缶をあけてしまうと、それをあけた人に関連する大変な出来事が起こってしまう。 その出来事は果たして「災い」かはたまた「幸せ」か? 「とっても不幸な幸運」の缶を開けた人に降りかかる事件を5話+1話を収録。 ![]() 畠中さんというと「しゃばけ」シリーズをはじめとして時代小説が有名であり、なおかつ面白い。 現代モノはどうかと思いこの本に先立ち「百万の手」という本を読んだが、どうも面白くなかった。 畠中さんの現代モノは本当にだめか?と思い再度、この本を読んでみた。 結論から言うと、すごく面白かった。独特の不思議な世界観があり、なおかつ一人ひとりの登場人物が個性豊かに描かれている。 続編や、またこれを原作とするドラマを見てみたいと思った。 |
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(書評作成:2012年1月8日) | ||
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