![]() |
||
後藤康浩さんの本の書評 |
||
後藤康浩 (ごとう やすひろ) |
||
(プロフィール) 日本経済新聞社論説委員兼産業部編集委員。 1958年福岡市生まれ。 1984年に早稲田大学政経学部政治学科を卒業後、日本経済新聞社に入社。 |
||
モノづくり日本の「現場力」強い工場 モノづくりの新日本モデル 勝つ工場 | ||
![]() |
||
![]() ![]() ![]() ![]() |
||
![]() |
モノづくり日本の「現場力」強い工場おススメ度:(5点満点)![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 本体価格:1400円 発行所 :日本経済新聞社 発行日 :2003年5月 形態 :単行本・238ページ ジャンル:ビジネス 目次 1章 世界最強の現場−ニッポンの自動車の底力 2章 生産現場を救え−業師たちの想い 3章 小粒で強い現場−こだわりのコストダウン 4章 セルが工場を変える−リードタイム・イズ・マネー 5章 マイスターの誇り−人材活性化への道 6章 部品こそ命−完成品メーカーを超える 7章 ネットワークに活路−目指すは世界市場 8章 どうする、日本のモノづくり−これからの「強い工場」 |
|
![]() 中国との競争により、とかく不調が伝えられる日本の製造業。 それら製造業の現場である工場において、中国の安い労働力に対抗するためにいろいろな知恵が生み出されている。 この本ではムダを極限まで廃している自動車(トヨタ、ホンダ、スズキ、マツダ)の生産方式や、テレビなどで取り上げられて(一部で)有名となったセル生産方式、キャノンのマイスター制度など、日本独自の生産方式について解説している。 ![]() この本を読んで思ったのは、「確かに中国の安い労働力は脅威ではあるけれども、日本の工場はまだまだ捨てたものではない」ということであった。 マネ好きの中国でも、この本で紹介されている生産方式の本質までは真似できないであろう。 この本で紹介されている生産方式はいずれも人をある程度の期間を通じて育て、その人自ら知恵を出して生産方式を進歩させていくというものであり、中国のように(アメリカも)数年の契約で会社を変わって行くという方式ではとうてい本質までは真似できないためである。 最近元気がない日本が勇気付けられる本であり、製造業に携わる人にはぜひとも読んでもらいたい本である。 もっとも自分の職場に合わせてアレンジや進歩させていく必要はあるが。 |
||
(書評作成:2004年4月5日) | ||
トップ > 書名別検索(ま行) トップ > 作者別検索 トップ > ジャンル別検索(ビジネス) |
||
![]() |
||
![]() ![]() ![]() ![]() |
||
![]() |
モノづくりの新日本モデル 勝つ工場おススメ度:(5点満点)![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 本体価格:1,400円+税 発行所 :日本経済新聞社 発行日 :2005年6月20日 形態 :単行本・247ページ ジャンル:ビジネス 目次 1章 中国から日本へ 2章 日本生産の新たな強み 3章 シャープ亀山の闘い 4章 白物ルネサンス 5章 日の丸パソコンの挑戦 6章 日本から世界に 7章 日本製造業の勝ち残り |
|
![]() 「強い工場」の続編。中国の脅威に対抗するために日本オリジナルのビジネスモデルを構築し、成功を収めている企業(工場)の現場について報告されている。 安い中国の人件費に対応するための、高付加価値の商品、製造プロセスについて紹介されている。 主に取り上げられている商品・現場;キャノンのセル生産方式、スズキのチョイノリ、シャープの「アクオス」、「ヘルシオ」、富士通の「ノートパソコン」、トヨタの「プリウス」。 ![]() 2000年初頭には、中国への工場移転が相次ぎ、国内産業の空洞化が問題視された。 それに対抗するための日本企業の努力の跡がありありと語られている。 そしてその努力の跡が徐々に花開こうとしている。 本書を読むと、企業努力の重要性、日本のモノづくりの方向性が強く伝わってくる。 また日本のモノづくりもまだまだ捨てたものじゃない、と勇気付けられた。 中国脅威論は少なくとも事実であるが、日本企業がこの本に書かれているような創意工夫と絶えず行い、変化し続けることで「強くて勝つ工場」であり続けられれば、中国(韓国)は全く恐れなくてもよいと思う。 少なくとも現状の「コピー天国」で人の商品をパクることに何の罪悪感も感じない中国などは、その体質を改めない限り日本に決して追いつくことはできないであろう。 会社の昇格試験などで、「中国の安い労働力に対応するためにはどのすればよいか?」と問われることがある。 そのようなケースに対しては、本書か「強い工場」を読んでおけば大丈夫であろう。 |
||
(書評作成:2006年10月13日) | ||
トップ > 書名別検索(ま行) トップ > 作者別検索 トップ > ジャンル別検索(ビジネス) |
||
|
||
Copyright(c) 2015 My Little Library. All Rights Reserved. |