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新井素子さんの本の書評

 

新井素子 (あらい もとこ)

 
(プロフィール)
1960年東京生まれ。立教大学独文科卒業。
高校時代に書いた『あたしの中の…』が第一回奇想天外SF新人賞佳作入選し、デビュー。
1981年『グリーン・レクイエム』で、82年『ネプチューン』で連続して星雲賞を受賞、1999年『チグリスとユーフラテス』で日本SF大賞を受賞。
 
ひとめあなたに・・・  おしまいの日  くますけと一緒に  ちいさなおはなし
 
  
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ひとめあなたに・・・

ひとめあなたに・・・

おススメ度:(5点満点)

本体価格:420円
発行所  :角川文庫
発行日  :1985年1月
形態   :文庫・347ページ

ジャンル:日本文学(文芸)

目次
練馬 圭子−出発
世田谷 由利子−あなたの為に チャイニーズスープ
練馬−世田谷 圭子
目黒 真理−走る少女
世田谷−目黒 圭子
新横浜 智子−夢を見たのはどちらでしょう
目黒−新横浜 圭子
西鎌倉 恭子−聖母像
新横浜−西鎌倉 圭子
西鎌倉−そして湘南 圭子−ひとめあなたに・・・
 内容
 恋人の朗から突然別れ話を切り出された圭子。 理由は朗の病気のため。 落ち込んでいる圭子の耳に地球に隕石が衝突するために地球の命は後1週間というニュースが飛び込む。 もう一度朗に会いたいという気持ちから今住んでいる練馬から朗の住む湘南へ向かう。 街中には隕石の衝突に悲観する狂気の人々が・・・

 感想
 地球に隕石が衝突するという設定や、人々が徐々に壊れていく描写がすごい。 特に旦那を殺して食べてしまう由利子の話はちょっとひいてしまうぐらいすごい。 この話を若干20歳の女性が思いついてしまうんだから、この人の頭の中はどうなってしまってるんだろうと驚愕してしまう。 超おすすめの本である。
(書評作成:2003年12月22日)
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おしまいの日

おしまいの日

おススメ度:(5点満点)

本体価格:514円
発行所  :新潮社
発行日  :1995年4月
形態   :文庫・366ページ

ジャンル:ホラー小説、映画化された小説

目次
プロローグ
第1章 幻の猫
第2章 白い虫
第3章 夢と現
エピローグ
 内容
 仕事人間の夫を持つ妻が、夫にかまってもらえない寂しさから徐々に精神的に壊れていき、やがて「おしまいの日」を迎える。 その様子を、妻の日記を中心として描いている。

 感想
 話はよくある夫婦を題材にしており目新しいところはない。 また結論は妻が○○する(ネタバレになるので伏せます)だけであり、これもまた最近の小説からするとインパクトは少ない。 しかし、それでも話に引き込まれてしまうのは著者の力量に追うのであろう。
  「ひとめあなたに・・・」に比べるとインパクトや面白さという点では負けるが、十分面白い部類に入る小説だと思う。 話はかなり暗く進行するが、ハッピーエンドとはいえないが救われた気持ちにさせられるエンディングが用意されており、私的にはよかったと思う。
(書評作成:2004年3月13日)
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くますけと一緒に

くますけと一緒に

おススメ度:(5点満点)

本体価格:440円
発行所  :新潮文庫
発行日  :1991年3月25日
形態   :文庫・277ページ

ジャンル:ホラー小説
 内容
 小学4年生になっても、ぬいぐるみの「くますけ」と片時も離れられない成美は、交通事故で突然両親を亡くして、ママの親友の裕子さんに引き取られた。 成美や裕子さん、さらにその周囲の人たちを取り巻く現実と非現実の境界を描いた心理的ホラー作品。

 感想
 ホラー小説に分類したが、子供や大人たちの悩みや心の中での葛藤が描かれた切ない物語である。 もちろん心理的な怖さも描かれている。
 この作品は新井さんの中では、「おしまいの日」と対になっている作品だそうである(あとがきに書かれていた)。 そうやって見てみると、登場人物などに共通性はないものの、その関連性は良く分かる。 本作品では子供の視点から、そして「おしまいの日」では親の視点からストーリーが進行している。
 おしまいの日ではちょっとどんよりしたストーリーであったが、本作品を読むと「おしまいの日」のストーリーもまた違った形で見えてくる。 ぜひ本作を読んだ人にはおしまいの日も読んで貰いたいと思う。
(書評作成:2011年8月20日)
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ちいさなおはなし

ちいさなおはなし

おススメ度:(5点満点)

本体価格:1,200円+税
発行所  :集英社
発行日  :2007年10月30日
形態   :単行本・229ページ

ジャンル:日本文学(文芸)

目次
こゆび  くしゃみ  ごっとはんど  おふとん  ねこまた
かげ  ゆめ  いぬ  かあてん  ふしぎ   ひみつ
くものいと  おと  たまご  のっく
 内容
 過去、未来、現在、人間、動物、植物など、ひらがなの目次で表されるちょっと不思議なショートショートのストーリーを集めている。

 感想
 一つの物語は20ページ弱で平易な文章で書かれているため非常に読みやすい。 ただ女性たちの日常の恋、哀しみなどが淡々と述べられているだけの表現はちょっと合わなかった。 これまでの新井素子さんの文体からするととても異色な感じがする作品である。 ショートショートは短編小説よりも短い小説のこと。 なので一気に読みきってしまった。 いずれの話も独特の視点で不思議なストーリーが展開されていく。
 15の話の中ではちょっと感動させられる、「ごっとはんど」、「くものいと」、「のっく」の話が特に好ましく感じた。
(書評作成:2008年8月23日)
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