一夜明ければカニ三昧は遠い昔日の出来事。一泊二日の激安バスツアーらしく、色々な観光センターや土産物屋に寄りながらの帰途。でもこういう場所のお土産って、ドコへ行ってもあんま大差ありませんよね。雪国を旅行した時の『冬の恋人』みたいに(笑)

そういう意味では『丹波黒豆大福』あたりはまだ地元の名産品っぽいからまだいい方かもしれません。じゃあこの『丹波黒豆大福』か『丹波黒豆ロールケーキ』でも買って帰るかと思っていると視界の端にひっかかる、とあるお土産品。

日本全国の旅行者が一度は目にするであろうアノ一品。そう、『丹後へ行ってきました。ホンの気持ちです』だぁ!!この『○○へ行ってきました〜』シリーズはホントに日本全国どこにでもありますよね〜。 友人のS氏は毎年夏になるとバイクでひょいっと各地を走っていましたが、買ってくるお土産は必ずこの『○○へ行ってきました〜』シリーズ。ん〜、記憶にあるだけで青森・長野・淡路島・四国あたりかな。味はどこも変わらずスポンジケーキにカスタードクリーム。まぁこの取り合わせはキライな人少ないしね。

前述の『丹波黒豆大福』は全国ブランドである丹波産の黒豆を全面に押し出し、お土産を渡された側に「あぁ、この人は丹波に行ってきたんだなぁ」と言う非常にわかりやすいメッセージを送り、土産話のキッカケになります。しかし「丹後」を単語レベルでハッキリと記載する『丹後へ行ってきました、ホンの気持ちです』も土産話のきっかけと言う意味では負けていません。いや、「またコレかい」と笑い(失笑?)を誘う意味ではむしろ勝っているかもしれません。

さて、問題は『丹波黒豆大福』と『丹後へ行ってきました、ホンの気持ちです』のどっちを買うかだな。数と値段を鑑みて、パッケージの地名以外は全国規模のスケールメリットを生かせる後者の方が安いなぁ。数も多いし。ウチの職場は人が多いしね。資料を頼んでるヨソの科にも何か買ってく約束したし。寂しい懐具合から旅の風情はどこへやら、後者×2個で決定♪ しまったぁ!!これが業者の狙いかぁ(笑)


ツアー旅行者の義務(?)物産店でのお土産購入を果たした後、バスはMS達を出石へ連れていきます。金沢や会津若松同様、出石も”小京都”と呼ばれているそうです。全国各地に小京都と呼ばれる場所は沢山ありますが、これは応仁の乱で京の都を逃げ出した公家達が、各地で京の街並みを似せて造らせた為だそうです。随分昔に本で読んだハナシなので眉唾モノかも(^^;)

ここ出石は応仁の乱の主役を演じた山名宗全…ではなくその子孫・山名祐豊の居城(出石城)があったことでも有名ですが、もちろん当時の城は残ってません。観光用に出石城跡として一部が再現されてますが、出石城が築城されたのは群雄割拠の天正時代。但馬守護職を二百年続けた名門と言えども尼子・毛利・織田など大勢力に翻弄され、もはや但馬一国の小大名にすぎなかった山名氏の居城が豪華な白塗りの城だった可能性は低いような…。でもリアルな砦レベルの城よりも、観光にはこの方が楽しいので勝手な憶測は一休み。

昼メシに『本陣』で出石名物皿そばをいただきます。うん、十割そばだ。MSは二八そばが好きですが、出石の十割そばは素朴な味わいと柔らかな舌触りでなかなか食べやすかったです。この店は出石観光の目玉、辰鼓楼(画像参照)の隣にあって眺めはバツグンに良く、広い店内はお昼時にも関わらず、かなりのんびりできました。

雪の小京都を後にして、バスは雪のない京都へと戻って行きました。
さぁ、明日からは現実だ!!

(2005.01.05)
ただ遠き日の夢の如し。