日本海式悦楽紀行。
カニを食べに丹後へ行ってきました。JR京都駅八条口発、一泊のバス旅行。こういう旅行は初めてです。 途中、道の駅でトイレ休憩がありました。中へ入るとよくわからない(と言うと失礼ですが)名産品が山と積まれ、土産物を買って行けと言わんばかり。

あまりに風情がないよ、と外へ出るとチェーンの外食店にスーパー、これまた風情がありません。 と思っているとコンビニを発見。おぉ、雑誌でも買おうといそいそコンビニへ入ります。日本全国、変わらぬ店内。この時、我ながらイカン!!と思いました。

風情が無いと言いながら、コンビニに入ってしまう自分。変わらない品揃えにホッとしてしまう自分。旅先の風情がどうとか言いながら、巨大流通業の恩恵にはいそいそとシッポを振ってしまうんですから。

そもそも風情が無いってのも旅行者側の勝手な言い分。住む側にすれば安くて便利なスーパーや手軽な外食チェーンの利便性を享受したいと考えるのも当然です。僕達には旅行と言う非日常でも、彼らには日々変わらない日常の一日に過ぎないんですから。 旅行者の勝手な言い分を飲み込んで、バスは再び丹後へと走り出しました。


バスに揺られること数時間。宿に着くと、目の前に広がる日本海の風景。鉛色の空に荒々しい波濤が冬の日本海を象徴します。せっかくココまで来たんだし、デジカメを片手に出陣だ!!えっ、そんなんドウデモエエって?寒いのは分かりきってるんだから部屋にいる?勿体ない。MSはひとりでも意気揚々と出発します。

「ぎゃ〜!!」浜辺へ出ると容赦なく打ち付ける風。今、台風でも来てるのか?俺の行為はやっぱバカだったのか?寒いのが大嫌いなMSの脳裏に、一瞬にしてネガティブな言葉が浮かびます。いや、ココは風を堪能しなければ。いざと成れば寒風吹きすさぶ中の乾布摩擦で闘魂注入(意味不明)だ!!

宿から1kmばかり離れた小さな灯台を目指し、逆風の中を進みます。その間にどんどん勢力を増す風。荒々しく語気を強める波。灯台へ続く一本道へと差し掛かると風や波飛沫が容赦なく打ち付けてきます。潮を含んだ風のせいか、なんだか涙まで出てきました。無念だ…、とここで敢え無く撤退。

部屋に戻ってお茶を飲むと、なんだかショッカライんです。ありゃ、何で緑茶がショッカライんだ?アンタが潮風に吹かれたせいじゃない、と指摘を受けて自分の口唇を改めて舐めてみると、確かに塩味がします。ってコトは!!案の定、デジカメのレンズも塩だらけ(T-T)

日本海性気候をなめちゃいけませんね〜。さ、温泉いこ。温泉。
夜が更けても風を切る音は鳴りやみませんでした。


温泉の温熱効果を実感して部屋に戻ると、スッカリ晩メシの準備が出来てました。今回はオプションで部屋食にしたらしく、周りを気にしなくていいから気がラクです。中国人は上海蟹を食べる時、とにかく恥も外聞も無くむしゃぶり付くのが礼儀、だそうですが、日本人だって上品ぶってカニを食べられません。

まずはお造りから、とカニ刺をイタダキマス。殻に丁寧な包丁を入れられたカニは食べやすく、またその身はとろけるように甘いです♪香ばしい焼きガニ、サクサクした触感が舌を新しくするカニの天麩羅、柔らかな蒸しガニ、身が弾ぜるカニしゃぶ、濃厚なダシのかに雑炊…。うぅ、もうダウンじゃ。 ウチの職場のスタッフで「4人で17杯のカニ食べました」ってコがいました。が、それは若さと言うものか…。MSはそんなにムリじゃ〜。

あ、そうそう。部屋食ってワリとドカンと持ってきて「後は勝手に全部食え」みたいなイメージがありましたが、今回の宿はちゃんと冷たいものは冷たく、暖かいものは暖かく、その都度出してくれる心配りがありがたかったです。だからその心配りで、この食べきれないカニ釜飯をおにぎりにしてください(笑)

※本当におにぎりにしていただきました。ありがとうございました

(2005.01.04)