やってしまった!!あまりにマーク15の
白文字盤&ブレスモデルが気に入っ
たため、なんと黒文字盤&革ベルト
モデルを購入してしまった。
現在、マーク15は風防を両面無反射
コーティングを施した物に変更してい
るが、どうも個人的にコーティングを
施された風防は好きではない。

と言うワケで、コイツは某ディスカウント
ショップで晒しモノにされていた言わば
文字通りのデッドストック=不良在庫
であり、なかなかのGood priceだった。
また風防以外にも文字盤の夜光に使わ
れた塗料がトリチウムから現行のルミノ
バに変更された過渡期のモデルであり、
文字盤には「 T SWISS MADE T 」と記載
されながらも、若干ながら退色が見られ
るのは針だけという、過渡期のモデルに
ありがちな仕様である(笑)

 

ステンレス・スチールのケースに、シンプル
な三針にデイト表示。ドーム型のサファイア
クリスタルの風防…。クロノグラフに計算尺
を備えたブライトリングのナビタイマーやロレ
ックスのGMTマスターなど、他のパイロット
ウォッチと比較すれば、機能的には不思議
なほどシンプルな腕時計である。

しかしマーク15は、太平洋無着陸単独飛行
という「冒険」や、パンナム航空の国際線パ
イロットが「業務」に使用した腕時計とは異
なり、あくまでもそのルーツを「軍事」に持つ
腕時計である。
その為、あくまでも特殊スポーツモデルのひ
とつとして開発されたロレックスのGMT等とは
明らかに開発の前提条件が異なっている。

風防には無反射コーティングが施されていないため、反射
した光や周囲の風景が映り込んでいる。コーティングの施さ
れ、光にかざすと蒼く浮かび上がる風防も美しいが、パイロ
ットではないMSには、実用性よりも周囲の風景を映し込む
レトロな風防が好きだ。

ベルトを痛めにくいとして、昨今人気の高い
デュプロイン・バックル。手放してしまおうか
とも思ったが、いつか使いたいと思った時に
再度購入する手間と費用負担を考えて思い
とどまった。現在はIWCのボックスの中で静
かに出番を待っている。

IWCのマーク12用の純正尾錠。代理店である
リシュモン・ジャパンに問い合わせてもマーク
15に対する尾錠単体での販売はない。

茶谷製作所に依頼したベルト。剣先の処理や
へり返し仕立ては非常に丁寧な仕事がなされ
ている。また時計のモデルや前腕周径を告げ
ると最適の厚みやベルト長を提案してくれた。
少し日数はかかったが、非常に満足している。

IWC Cal.37524への情熱。

非常にシンプルなデザインながらも、瞬時に時間を読みとる
ことの出来る視認性の高さ、コックピットに溢れる磁気から
ムーブメントを守る40,000A/mの耐磁性。その機能性の高さ
は現代にも色褪せることはない。

IWC Cal.37524への情熱。

1930年代には民間用として既にマーク9が製造されていたが、軍用として用いられたの
は40年代のラージパイロットウォッチが最初のモデルである。ラージパイロットウォッチ
がドイツ空軍に納入された40年代において、飛行機は既に戦闘機・爆撃機として高い戦
果が期待される最新鋭の兵器であり、のんびりと計算尺で自機の飛行可能距離を計算
したり、GMT機能で適地のローカルタイムを知る必要はない。求められたのはあくまでも
瞬時に時間を読みとる視認性とミッション・タイムを正確に刻む高精度のムーブメント、
何より磁気の影響を受けない耐磁性であった。

マーク9に端を発したIWCのパイロット・ウォッチは、軍用時計として鍛えられてラージパイ
ロットウォッチとなり、二度の世界大戦を経て、マーク11を最後に84年、その幕を下ろした。
しかし93年にマーク11の復刻モデルとしてマーク12が登場、モデルチェンジによって現在
のマーク15となった。マーク・シリーズの機能性は現在でも色褪せることなく、今日も私の
右腕で、変わらず時間を刻んでいる。

そしてこのマーク15は革ベルトのモデルである。
純正ベルトを使いたいものの、MSは腕が細い。
肩関節周囲や上腕はそうでもないが、前腕周径
は女性並みに細い(TT)ベルトに穴を足してもいい
が、そうなるとデュプロインバックルが随分サイド
に寄ってしまい、あまり装着感が良ろしくない。

そんなワケで同じ悩みを抱える多くのユーザー
同様、私も革ベルトをオーダーすることにした。
どうせオーダーするならと、ステッチをダブル
ステッチ仕様に、カラーもブラックからブラウンへ
と変更した。ついでにデュプロインバックルから、
IWC純正尾錠に交換した。理由はないが、あまり
デュプロインバックルが好きではないのだ。

「1万円くらい?」と言われ、悲しいほど見栄えの
しないこの時計で、唯一「高そう」と言われたパー
ツではあるのだが…。