私が購入した最初のデニムジャケット、エヴィスの1507XXである。ちなみに購入は 96年の春。既に8年になるが、なかなかどうして、ジャケットの色落ちは手強い。 現行モデルよりも幾分アームホールが太く、着た時のシルエットがちょっとばかり、 バタくさい。勿論、その辺りは現行モデルでは改良され、スマートなシルエットに 変更されている。そんなコトもあって、最近はチョイスする回数は少なくなってしまった。 |
エヴィスには防縮加工が施されたNo.2デニム と、デニム自体のクォリティを徹底追求した No.1デニムがあるが、この1507XXはNo.2 デニムを採用したモデルである。 軽く2インチは縮むNo.1は裾や袖口の収縮に 伴う強烈なアタリが出るが、同時にダメージ も受けやすい。No.2の縮みは1インチ程度で あり、程良いアタリが出ている。 エヴィスはデニムジャケットをシャツのように タイトに着るスタイルを提案しているため、 全体的に身幅はタイトで着丈は短くアレンジ されている。 |
エヴィスの特徴であるコントラストの明確な色落ちに加え、オリジナリティのあるシルエットが 独特の存在感を示している。街でデニムジャケットを着ている人を見かけることがあるが、 遠目にもエヴィスのそれはハッキリと判る。 |
現在はエヴィスやドゥニーム、フルカウント 等、様々なメーカーの直営店が京都にも 出店しているが、私が1507を購入した 当時はメーカーの直営店は京都になく、 セレクトショップでの購入が主流だった。 あくまでもデニムを多数のアイテムのひと つとして取り扱うに過ぎないセレクトショッ プでは、ウォッシュサンプルがないことが 多かった。ジーンズよりも複雑なパーツで 構成されるデニムジャケットでは、rigidで の試着は大きな意味を持たず、失礼なが ら収縮率を十分に把握していないスタッフ のアドバイスはあまり参考にならなかった。 そもそも、欲しい欲しい病に罹患した時の MSが「イケそうですかね?」と聞く時は、 もう欲しくてどうしようもないのだ(笑) |
そうしてMSはドゥニームやウエアハウス、フルカウントにジョー・マッコイと様々なブランドのデニム ジャケットを購入した。…が、お湯洗い&乾燥機攻撃でガンガンに縮ませても小柄なMSの身体に ちょっぴり合わず、ドゥニームはY氏に、ウエアハウス&フルカウント&ジョー・マッコイはT氏へと 格安で売却することになってしまった。気分は旧長銀(現新生銀行)に4兆円もの公的資金を投入 したのに、米系ファンドのリップルウッド(実際にはオランダ系投資組合のLTCB)にわずか10億円 で売却することになった日本政府の気分だろうか。まぁ瑕疵担保特約がないだけマシだ(苦笑) それに全く着ないままハンガーに吊されているよりも愛着を持って着てくれる人の元へ嫁いだ 方が、新たなユーザーとなったY氏やT氏は言うに及ばず、デニムジャケットもシアワセなはずだ。 そう、多額の資金を投入したにも関わらず着ることのなかったMSを除いては…(号泣) |
ジャケットの前後からの画像。かなり着丈の短いジャケットであることは、画像からも判る。このアレンジ
されたシルエットはエヴィスの証でもある。下記の画像のように、各部位ごとに見ると確かに色落ちが進
んでいるが、全体的な色落ちはまだまだこれから、というトコロだ。またアームホールの太さも実感できる。
かなり着込んだカンジの出ている首周り。全体的には濃い
インディゴ・ブルーの面影を強く残している。同じNo.2デニム
でも1213XXに見られるような緑がかった色落ちではない。
使用されたデニムや染色が改良された結果なのだろう。
かなり印字の薄くなったレザーラベル。
現行のデザインとは異なり、左上に
漢字で「戎」に、恵比寿様が描かれ
ている。最初期タイプのバッファロー
に続いて採用されたセカンドタイプだ。
フラップポケットの裏地にはライトオンスの
デニムが用いられているが、収縮率の差
から生じるフラップの反り返りはあまり見ら
れない。またエヴィスは「虎ミミ」など、様々
なカラーのセルヴィッジが使われてきたが、
これは所謂「赤ミミ」である。
ジーンズに比べ、全体的に
擦れる機会の少ないデニム
ジャケットにおいて最もダメ
ージを受け易い袖口。しかし
同時に最も色落ちを感じられ
る部分でもある。
肘を付いている時間が長いのだろう。ジーンズの大腿部と
同様の色落ちが見られる。エヴィスの染めはかなり濃く、
まだまだ5〜6年は着込めそうだ。