 イチバン好きなパティスリーは？と問われた時、あなたは何処を思い浮かべますか？北野の『パティスリー
イデミ・スギノ』に御影の『高杉』、元町の『コム・シノワ』など、神戸の名だたる実力店。それとも『菓子sパトリー』のようなホテルの人気店や『クィーン・アリス』など、デパ地下へ出店する有名店を思い浮かべる方も少なくないでしょう。
では京都のパティスリーと言えば、あなたはどこを思い浮かべますか？ 古都の台所として多くの観光客を惹きつける錦市場のほど近くに、一件のパティスリーがあります。お店の前には道行く人を誘引する大きな看板も、外からショーケースを眺められる大きな窓もありません。ただ主張しすぎないフラッグが、この店の名が『オ・グルニエドール』であることをそっと示してくれるだけ。 目立たない扉を開けると店の中には大きな窓から射し込む光、そしてショーケースの中に広がる優雅な仏蘭西菓子の世界。苺のショート、ミルフィーユ・ショコラ、パリブレスト…。美しく飾りあげられたケーキを口に含めば、ふわりとスポンジがほどけるように広がって、淡雪のような生クリームの優しい味と香りがそっと味蕾を抱きしめてくれます。 パティシェが厳選した素材を、洗練された技術で創り上げる精緻な世界観。それはきっと、食べる人を笑顔に導いてくれます。 この街にどんな有名なパティスリーが出来るより、MSはこの『グルニエドール』が京都にあることを、心から誇りに思います。 （2005.1.26） |
