一口に<クラシック音楽>と呼ばれる音楽には、たくさんの種類があります。
代表的な分け方をしてみると、
交響曲 | シンフォニーという言葉も定着。 |
ハイドン「時計」、モーツァルト「ジュピター」ベートーヴェン「運命」 | |
管弦楽曲 | シンフォニー以外のオーケストラ曲 |
ムソルグスキー「展覧会の絵」、ラヴェル「ボレロ」 | |
協奏曲 | 独奏楽器とオーケストラが共演 |
ベートーヴェン「皇帝」、モーツァルト「戴冠式」 | |
室内楽 | 小さい編成のアンサンブルが演奏する曲 |
弦楽四重奏・トリオなど | |
器楽曲 | ひとつの楽器で演奏する音楽。独奏曲 |
ピアノやヴァイオリンのソロ | |
声楽曲 | ソプラノ・アルト・テノール・バスなどのソロ歌手の歌や合唱曲 |
リート(ソロの歌)や合唱曲、ミサ曲 | |
オペラ | 音楽を主体にした劇 |
モーツァルト「フィガロの結婚」、ヴェルディ「椿姫」、ビゼー「カルメン」 |
ヨーロッパは、キリスト教を中心に発展した来たところ。音楽もその例外ではなく、教会と深いかかわりを持っている。
カトリック教会での典礼音楽、<グレゴリオ聖歌>として広く普及
14〜16世紀くらい
教会で歌われる音楽とともに、世俗的な歌が現れる。
バロック音楽の時代(1600年から1750年くらい)
器楽の音楽が発達してきた時代であり、オペラが音楽の劇という形になった時代。つまり今われわれが耳にする西洋音楽の始まりのとき。
この時期の最後の巨匠が、バッハ(Bach)でありヘンデル(Händel)である。
西洋音楽の集大成の時期。内容・形式ともに今に通じる音楽である。
ハイドン・モーツァルト・ベートーヴェン・シューベルトという、西洋音楽の巨人達の時代。
教会音楽としての歴史から解き放たれ、器楽演奏で自分を表現する時代に入ったといえるかもしれない。交響曲の完成、ソナタ形式の確立などで、大きく言えば、作曲家達が自分を表現する、あるいは人生を語るようになった。
均整のとれた古典派の音楽は、いつまでもその形を保つことはできない。
もっと自由に、もっと自分の心を思いっきり表現するには、決まりきった型の中に収まっていてはできなくなるのは自然の道理。よりロマンチックな方向へと進んでいく。
ウェーバー・ベルリオーズ・シューマン・ショパンなど。そして後期になると、ブラームス・ブルックナー・ワーグナーという巨匠達の時代。
ロマン派の音楽が発展し尽くしてくると今度は、今までの制約を取り払った新しいものへと向かう。
マーラーたちの後期ロマン派の時代から、いろんな形が生まれてくる。
民俗音楽を基にしたもの、無調の音楽など。
これからどんな方向に向かうのでしょうか・・・・?
器楽音楽の集大成といえる形で、バロック時代からの変遷を経てハイドンによってひとつの形が確立された。以下のような4つの楽章で構成され、いわば音楽による人生観の表現を目指したものといえる。
第1楽章・・・ソナタ形式による速いテンポ |
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第2楽章・・・叙情的で緩やかな速さ | ||
第3楽章・・・メヌエットまたはスケルツォ(舞曲) | ||
第4楽章・・・ロンド形式の早い音楽 |
これを私なりに言い換えてみると、
第1楽章・・・自分自身の決意表明 | ||
第2楽章・・・少し距離を置いて見つめなおす | ||
第3楽章・・・気分転換 | ||
第4楽章・・・もう一度初心に戻り、新たな決意で出発! |
文学の世界と比較するなら、交響曲=長編小説といえる。
シンフォニーの作曲者たち
ハイドン | 交響曲の父といわれ、シンフォニーの形を作り上げた |
(Josef Haydn) | 104曲あり、第100番<軍隊>・101番<時計> |
モーツァルト | 41番まであり、後期の35番以降が有名 |
(W. A. Mozart) | |
ベートーヴェン | シンフォニーを大きく発展させた人 |
(L. van Beerthoven) | 全9曲、音楽史に残る一大モニュメント |
シューベルト | ロマン派を想わせるような“歌”にあふれる |
(Franz Schubert) | 8番<未完成>・9番<グレート> |
ブラームス | 4曲しかないが、ベートーヴェンに次ぐ作曲家 |
(Johanes Brahms) | |
ブルックナー | 敬虔なカトリック信者が、9曲の大曲を作る |
(Anton Bruckner) | 教会のオルガンを思わせる堂々としたシンフォニー |
マーラー | 世紀末にシンフォニーを極限まで作り上げる |
(Gustav Mahler) | 大オーケストラを必要とする |
ショスタコーヴィチ | 旧ソヴィエトの作曲家。15曲。 |
(D. Shostakovich) | マーラーに続いてブームになりつつある |
古典派の時代に完成した、大規模で、今でも音楽の構成に欠かせない形。
基本的に3つの部分から成る。
1.提示部 | まづ主要な主題を提示することから始まる。第1主題(テーマ)があり、それに対比するような第2主題を配置。 | |
2.展開部 | テーマをいろいろ変化・発展させる | |
3.再現部 | もう一度最初のテーマを簡潔に再現する |
(提示部の前に導入部が、再現部の後に終結部(コーダ)を置くことが多い)
<起・承・転・結>という言葉と似ているかもしれない。
問題提起があり、それを受け継ぐ部分が続き、一度別の角度から見直し、最後に結ぶ、こんなイメージに近い。
音楽に限らず、想いを表現する方法として一番わかりやすいパターンと言える。
少しおどけたような早いリズムの、3拍子の音楽。
かたちは A:B:A 。つまり、リズミカルな音楽のA、次に趣を変えてややゆっくり目の音楽のB、そしてもう一度最初のリズミカルな部分が繰り返される。
ハイドン・モーツァルトが交響曲の第3楽章に、貴族の優雅なダンス音楽とも言うべきメヌエットを持ってきてたが、ベートーヴェンはそこにスケルツォを置くようになって、シンフォニーが一段とスケールの大きいものになった。
現代の感覚で言えば、メヌエットは社交ダンス、スケルツォはさしずめ、ヒップ・ホップ系のダンス。
中心となる主題(主要楽節)が何度か繰り返され、その間に趣の違う主題を挟むという形。 A:B:A:B:A というのが基本的な形。
これがいろいろ変化すると A:B:A:B1:Aプラス終結部(コーダ)など、いろんなヴァリエーションがあるし、よくその形を考えてみると、A=第1主題、B=第2主題と考えると、どこかで見たような形・・・・・そう、ソナタ形式のようでもある。
音楽の形式なんて、一つの枠にはまることが少なくて、いろんな作曲家によっていろいろ変化するものなんですね。
平原綾香の歌として親しまれているこの曲、彼女が説明しているように、クラシック音楽に歌詞を付けたもの。本の曲は、イギリスの作曲家グスタフ・ホルストの作った、管弦楽のための組曲「惑星」の中の1曲。