びわ草子



 11月1日(木)

久しぶりに大阪まで行く。
用事を済ませ、帰ろうかな〜とは思ったのだが、折角ここまで来たんだから(用事がない限り、もう絶対に来る元気も気力もない・・・)、と大阪駅で降りて、駅周辺のデパートをめぐる。
丁度おなかもすく時間なので、たまにはとティールームに入った。ロンドンティールームだ。
今日は紅茶の日でもあるし。
(ちなみにこの「紅茶の日」は寛政3年、1791年の11月1日に、伊勢国の船頭・大黒屋光太夫がロシアの当時の首都ペテルブルグで、女帝エカテリーナによる茶会に招かれ、日本人として初めて紅茶を飲んだ日。この史実に基づいて、昭和58年にこの日を「紅茶の日」として定めた、とのことでげす)
2時を過ぎていたので、アフタヌーンティーのセットをいただく。
サンドイッチとケーキ(もしくはスコーン)、紅茶のセットである。
サンドイッチがはじめに来た時、アフタヌーンなんだから仕方がないのだが、
「ち、小さい・・・」
と思った。反対に紅茶の方はというと、ポットサービスではなかったので(私が頼んだのは)、やたらでっかいカップできた。
片手では持てないくらい、重い。いや、まじで。
(ちなみにカップ、プレートともにミントン。以前、ボンハリエという店で出たのもミントンの食器だった。
こういう店ではミントンが流行っているのだろうか?)
フォークやスプーンなどといったシルバー類はデザインが凝っていていい感じ。
「これ、高いんやろな〜」と、すぐお金のことを考えてしまう私だった。
さてと、ひと段落すると、周りが気になり始める。
どういう感じの人がいるのかとか。
ぱっと見たところ、私よりも年下らしき人は見当たらない。そして男性も見当たらない。
平日の昼間ということもあろうが、母年代からおばあさまくらいの女性だらけだ。
服装は、ジーンズの人が一人いたが、他は上品な感じの服を御召で。
真っ黒なスーツを着ている私だったが、違和感はないだろう。
これが牛丼屋だったら結構目立つ。(まぁ、気にせず一人食ったけど・・・)
帰りには、まだたくさんあるのに、また茶葉を買ってしまった・・・
だって缶がかわいかったんだもの・・・(缶が目的で買った私)



 11月2日(金)

学校帰り。
ホームで電車を待っていると、隣に立っていたおじさんに声をかけられる。
警戒しつつ(人を見たら疑えの精神の持ち主だから、私・・・)、一応答える。
ホームはここで合っているのか・・・あってますよ。と・・・
それからおじさんは京都駅の思い出などを語ってくれた・・・。
「はぁ・・・そうなんですか?」と一応笑顔で答える私。(でも警戒心は弱めない)
やたら変な笑顔のおじさんでちょい怖かった・・・。
で、「甲賀駅」はこう「が」なのか「か」なのかと聞かれる。
「こうか」ですよ、と説明。
「甲賀忍者」って、「こうがにんじゃ」だと思ってる方も多いんだろうと思うのだが、もともとは「こうかにんじゃ」なんだよね。
私も、知らなかったのだが。
もともと、この地方は(大昔)、「鹿深」(かふか)と呼ばれていた。
温泉もあるのだが、「かふかの湯」という。
何故「こうが」と発音されるようになったのかはおそらく、なまって「こうが」になったのだろうと思うのだが。(でも甲賀駅はこうかえき、です)
東京に神田甲賀町(こうかまち)という地名があるが、これは江戸時代に甲賀流(こうかりゅう)忍者が江戸城警護のために移り住んだ町であったことかららしい。
というようなことをおじさんに教えてあげた。
ほぉ〜と、おじさんは感心してくれた。と、電車が来て、別れた。
説明はしたものの、なんか気味悪さは残った。
私はよく変な人に遭遇する・・・(独り言ぶつぶついってるおばさんとか。そこらじゅうを走り回るおじいさんとか。)そんな経験が警戒心を強めているのだが。
なんか、不思議な体験だった。



 11月6日(火)

夕方になって、急に幼馴染のまいちゃんが家に来た。
いつもなら、連絡してから来てくれるのに、いきなり。
「どうしたん?」と言うと、「横を通ったら車があったから、いるな〜と思って来た!」と。
外に出る予定のなかった私は、めちゃくちゃな格好やし・・・
ちょっと恥ずかしかったが、まあまいちゃんやしいっか!
家に入ってもらって、おやつを食べつつ、やはり過去話に花が咲く・・・(笑)
いや、現在の話もしたけど。
就職活動がどうだとか、給料は手取りいくらか、とか。
どういうことに金がかかるとか、挫折を味わうのもいい、とか・・・(笑)
でも、後半はとにかく思い出話ばかりしていましたね。
暗くなってきたので、雰囲気を出そうと、部屋のあかりを消して、ろうそくをつけて。
薄暗い部屋で、こんなこともあった、あんなこともと話して。
私が一度部屋を出て、戻ってくると、彼女はコタツにひじをついてぼーっとしていて。
「おーい」と声を掛けると「はっ、今小学生時代にトリップしてたわ〜」と。
思い出話をし始めたのっていつのころだったんだろう。
少なくとも、小学生の頃は「幼稚園の頃はさ〜」なんて話はしなかった気がする。
中学生の頃も、あんまりしなかったなぁ〜。
高校生になってからかな。部活の思い出とかよくしてた。
大学生になってからは、小学生の頃の話をしたり。
過去が増えてってるのもその理由のひとつだとは思うけど、やはり年を重ねるにつれて、今現在の話よりも昔の話をするほうが楽しくなってきたのだろうか。
共通の話題となると小中学時代だからというのもあるかもしれないけど。
まぁ、そんな昔の話を飽きもせず延々話し続けることができること、そういう友人がいることを嬉しく思ったりする私だった。
今度、ミュージカルを見に行こうと約束して(なぜミュージカルなのかは謎)、明日は仕事だと彼女は帰って行った。



 11月7日(水)

朝(?)起きたら、下で母が朝のミステリー(ドラマ)を見ていた。
「一億二千万円をネコババした女たち・・・」
捨てられた一億二千万をねこばばして、さらに株に投資して、なんと3億以上の金にしてしまった女たちの話(ちょっとズレてる)。
本当は殺人があって、犯人は・・・?というような話のはずだが、3億円の行方に話が集中してしまう。
女たちは手に入れた金を冷蔵庫に入れたり、トイレットペーパーの芯にかくしたり、コートの裏に隠したり・・・と様々な場所に隠す。
「それあかんやろ〜」
「冷蔵庫に本来入れるものはどうなるんやろ?不便やんな〜」
と大盛り上がり。
「もしうちやったらどこに隠す〜?」
「冷蔵庫買って、そこにかくそ」
「いや、冷蔵庫をわざわざ買うくらいなら、金庫買った方がいいやろ」
「あ、このソファの下をこっそり切って、中に隠すのはどお?」
「えー、ああ、3億もあるからいいんか、切るのもったいないと思ってもた」
「じゃあさ〜」
と二人、真剣に考える。
「ていうか、絶対ありえへんし・・・考えても・・・」
「・・・・。」



 11月18日(日)

いやぁ、この三日は死んでました。
労働で。
16日。学校から帰ってすぐ仕事。入りたくなかったが、頼まれ、断れなく・・・。
11時半あがり。ホテルを出たのは、0時過ぎていた。
一緒に仕事していた後輩と、「また明日〜」ならぬ、「また今日〜」といって別れた。
17日。10時半入りだったのがまだ救い。しかし、仕事自体はめちゃくちゃしんどい・・・。11時にあがる。
家に帰ったら、0時過ぎていた。
18日。9時半入り。10時半にあがる。
これは昨日の疲れがとれないまま、突入したので、終わりのほうはかなりひどい状態。
足痛い、腰痛い・・・
テンションもおかしくなってきて、歌をうたったり、どこを見ているやらわからない遠い目をしたり・・・。
立っているだけでふらふら。
洗い物をしながら、友人と「やりきれんよな〜」と話していた。
そこで友人が言っていた話だが。やりきれないで思い出したらしい。
披露宴で、新婦のおじさんか誰かが、長渕剛の「乾杯」を歌ったらしい。
この「乾杯」という歌は、やはり披露宴での定番の曲となっている。
若者で歌う人は少ないが、40歳〜のおじさんがよく歌う。
で、歌が終わって拍手があって、次に新郎の友人の歌。
司会者から、紹介がある。「新郎のご友人で○○さま、○△さま、□○さまで、“かんぱい”です」
なんとまぁ、と友人は思ったらしい。
披露宴で歌う歌だから大体毎回同じだが、やはりかぶることもあるのね、と。歌う人同士が話し合うわけでもないしね。
にしても、同じ曲が、続くのは運が悪いなぁ、と思っていたら・・・・。
みなさん、この話のオチはわかりますか?
私は話を聞き始めてすぐわかったのだが。
母に話したら、さっぱりわかりませんでしたね。
オチ。新郎の友人が歌った「かんぱい」は、友人は長渕剛の「乾杯」だと思ったのだが、そうではなくて、TOKIOの「カンパイ!」だったのですよ。
某ビールの宣伝で使われてるやつ。「カンパイ、ラ○ー、ラ○ー、いえー!」ってやつね。
「かんぱいって聞いて「乾杯」しか思い浮かばなかった私自身に、ちょっとショックを受けた・・・全く、思いうかばなかった・・・」
「・・・・・ふぁいと。」
二人で「カンパイ、カンパイ、いえ〜」と(細かいところの歌詞がわからないのでわかるところだけ適当に)うつろな目で歌った、そんな一日。

机の上にある、よんだぱんだの日めくりカレンダー。
ふと見ると、11月6日になっていた・・・
いつからめくってへんねん^^;

お茶とトイレと。