MUSASHI SPECIAL

焼き付け

 
 

買ってきたばかりの銅板は、そのままでは使えません。たこ焼きが上手く焼けるように、表面に下処理を施す必要があります。それが「焼き付け」と呼ばれる作業です。 今回は特別に焼き付けの流れをご紹介いたしましょう。(偶然にも写真を撮っていただけのことですが・・)

1) 銅板、新品の状態です。ピンク色でめっちゃキレイです。 ここから数十分で、まるで違う色合いへ変化していくので、このピンク色はここで見納めになります。

「銅板クン、武蔵へようこそ!」という気分で挑みます。

2) まず、すべてのバーナーに火を入れて、表面には何も塗らず「中火」で銅板を空焼きします。

銅板の色が、オレンジ色、赤色、そしてシルバーにみるみる変化します。全体が写真の色になったらほぼ完成。十分間くらいでしょうか。

これで第一段階終了。次に備え銅板を少し冷まします。

3)温度が落ち着いたら、銅板に油を引きます。 重要なのは全面にごく薄く油を引くことです。 油を引き終えたら再び中火で銅板を熱します。油が切れそうになった部分は、薄く油を引き直します。煙が出そうになったら火加減を調整して、絶対に煙を立てないようにします。約15分、格闘します。

煙を立てて行う「焼き付け」をされる方もおられますが、銅板には不向きかと思います。 表面を焦げ付かせると、武蔵のたこ焼きの生地は返せなくなるので、こういったデリケートな方法で焼き付けを行っています。

これで焼き付け完了。後は、生地を流して試し焼きと焼き具合のチェック。 そして実戦投入となります。

新品の銅板を投入したとき、使用中の銅板をクリーニングした後に、この処理を毎回行います。決して楽しいとはいえませんが、避けては通れない作業ですね。