細砂緩速ろ過
最初に開発された方法。簡単にいえば緩速ろ過池に細砂を入れたものである。覆蓋し,ろ 過速度を高くし,コストの削減を図る方法である。特徴を以下に示す。
(a) 原水:地下水,伏流
水,または2段ろ過の後段
通常は濁度が低いが時に高くなるような原水をろ過すると、濁度は0.1度以
下となり、クリプトスポリジウム対策も解決する。緩
速ろ過では漏出する場合がある。
(b)ろ
過砂:0.1〜0.2mm
(c)ろ過速度:8〜30m/日程度
(d)藻類対策:覆蓋
(e)目詰まり対策:
掻取または逆洗
(f)施設が簡単で,
建設費と維持費が極めて安く,これからの小規模水道に最適
・緩速ろ過を僅かに改造だけで本システムになる場合がある。改造費はほとんどかからず, 維持費が大幅にダウンする。
・緩速ろ過を高性能化するため細砂を使用する。当然,目詰まりが発生しやすいので原水は 濁質の少ない場合に使う。たとえば地下水や伏流水である。
・伏流水に対しは緩速ろ過が一般的であった。しかし,ろ過砂が平均0.8mm(たとえば有効径0.5mm,均等係数2)とすると,無機濁質流出が悩 みの種であった。そこでオープンとして藻類を繁殖させ,適度なろ過膜形成を促した。しかし藻類は目詰まりを招く。
細砂ろ過では濁質漏出は心配ないので,覆蓋して藻類を防ぐのである。このことによっ て,たとえば砂の掻取が年12回であったものが1,2回に減少する。ろ過速度を3倍の12m/日にしていたとすると掻取は1/10〜1/30になったことになる。
・目詰まり除去は掻取で良いが,逆洗でも良い。後者の場合,逆洗速度は200m/日と急速ろ過の1/5である。それだけ設備が小
型になる。さらにろ過速度は出来るだけ高くして逆洗の建設コスト負担を削減すると良い。
逆洗付細砂ろ過ー細砂緩速ろ過の
組み合わせによる下流原水のろ過
実証プラント