一般的比較
直ぐに結果が分かる
○デジカメの長所はなんといっても,写したら直ぐに結果が分かることです。撮影に失敗した場合,直ぐに写し直すことができます。それに対してフィルムカメ ラは現像しなければ見えません。フィルムをラボに持っていって一時間待たないといけません。この違いは大きいです。たとえば新聞記者が取材に走り回ってい ますが,当然写真撮影は本人がします。デジカメだからこそ失敗がないのです。インタビューして顔写真も撮りますが,屋内であっても写して,直ちに映像を確 認すればよいのです。
 この点は完全にデジカメに軍配が挙がります。

値段
○友達はいいます「実質上ただで写真が写せる。撮ったデジカメの情報はパソコンに入れ,いつでも欲しいときに取り出せて,友達にも送れる。これみんなタ ダ」と。
*タダと言うが,そのようなデータを貰ってもパソコンに入れていくと,何がなんだか分からなくなってしまうでしょう。パソコンの情報は多くなればなるほど 分からなくなる。ないと同じになってしまいます。アルバムによい写真を貼り付けているから見えるのだ。2人で写真を見て楽しむには焼き付けた写真集に限る よ。
○パソコンからプリンターできれいな写真が作れるよ。A4サイズにするとすばらしい。安いよ。ちょっと高くなるが30年は色が変わらない写真も作れるんだ から。
*何言っているの,パソコンにプリンターを購入するとどれだけするの。15万円は下らないよ。カメラの値段はどうだ。一眼レフは安いものでも7万円もする じゃないか。ちょっとしたデジカメは20万円だよ。
 パソコン一式揃えると普通15〜20万円かかります。プリンターだけでも使えます が,編集,メールなどを利用してこそのデジカメですから,高額な投資になることは間違いないでしょう。寿命も6,7年というところ。使わなくてもいつの間 にか旧式となって,捨てる運命が待ち受けています。パソコンをいつもと使う人にとっては投資は必要ないので,デジカメが安価になりますが,普段あまり使わ ない人にとってはデジカメはかなり高価な持ち物といえましょう。
 メモリをラボに持ち込んで焼き付けて貰うこともできます。この場合,必要な写真だけ焼き付けてもらえるのですが,これでは,フィルムとあまり違いがなく なってしまいます。
 カメラ本体の値段もコンパクトデジカメは安いのがありますが,一眼レフは高価です。これも10年間も使えるものではないでしょう。結局値段に入れると相 当高価な写真となるでしょう。
 デジカメが安い写真が撮れるというのは,維持費だけの話で,減価償却を正式に入れると大変高い写真となるでしょう。写真を毎日撮るという人でもそんなに 長くは興味が続かないでしょう。遅かれ早かれカメラはお蔵入りするのです。

写真の出来
○デジカメの分解能はすばらしい。A4に引き延ばしてもくっきり写っている。何も高価なカメラでなくてもコンパクトデジカメでぱちっと写っているのだ。

*フィルムカメでもすばらしく分解能も高いよ。撮影が下手なのだ。それ よりデジカメは薄っぺらな写真しか撮れないではないの。やはり映像はフィルムカメラだよ。
 デジカメは手ぶれ防止機能が付いているのが普通です。素人が昼間写す限り においてはフィルムは分解能が低い写真になるように思います。薄っぺらかどうかは,明らかにフィルムカメラに軍配が挙がるでしょう。フィルムは長い年月を かけて改良されてきましたからデジカメはなかなか勝てないでしょう。分解能は画素数を増やせば,絞って写す場合は,増えていきますが,色調や深みとなると 話は別です。
 デジカメにはホワイトバランスが調整できます。フィルムは太陽光を基準にしているので白熱球では赤っぽく,蛍光灯では青っぽく写りますが,デジカメで は,オートにしておけば全ての場合にほぼ満足できます。これはデジカメの長所です。フィルムではレンズの前にフィルターをつけるなどややこしいですね。
 デジカメの欠点の典型的なものは白飛びです。少し明るいところは真っ白になって,その周辺の情報が無くなってしまいます。たとえば日陰の写真を撮る場 合,快晴ですと直ぐに空が白飛びを起こします。そこで暗めに写すと肝心な被写体が暗くなってしまいます。ギリギリ白飛びを起こさない露出時間を決めてやっ と撮れますが映像としてはよいものとはいえません。ところがフィルム写真は白飛びという現象がありません。白っぽくなっても写ります。
 デジカメを使う場合は,この長短所を承知してうまく使いこなすことが肝要と思います。普段の写真はデジカメ,質のいい写真を撮りたい場合はフィルムとし ましょう。

夜景撮影
○露出時間が直ぐに決まるのはすばらしい。フィルムカメラではオートも役に立たないじゃないか。
*でも夜景を撮ると,フィルムが美しいよ。デジカメなど目じゃない。
 夜景撮影の場合,露出時間を決めるのが面倒です。フィルムではあらかじめテストして から本番ということになるでしょう。あるいは露出を色々変えて撮影することになります。この点は結果が直ぐ分かるデジカメに軍配が挙がります。
 写真の質となると,やはりフィルムカメラでしょうか。特に 真っ暗な場合,デジカメでは感度を上げて長時間露出することになり,ノイズが多くて写真になりません。特にコンパクトデジカメはそうです。さらにコントラ ストがつきにくい夜景ですが,フィルムではそれが上手につきます。これは相反則不軌という性質があるためです。残念ながらデジカメにはありません。

まとめ
 簡便さでは文句なしにデジカメです。フィルムカメラはいくら頑張っても勝てません。しかし,美しい写真を撮るとなるとフィルムカメラです。総合的に通常 我々はデジカメを使うことになるでしょう。