露出時間や絞り条件の決定は間違いなくデジカメの勝ちで
する。現実の問題として,ラボから遠い人はフィルム現像に中1日を置かないと分からないことがあるでしょう。経験を積むのを条件にするのは強引です。私た
ちにそれを求めるのは無理があります。 |
暗闇のデジカメのノイズは困りものです。もちろん光量が少ないとき,
露出時間が長いとき,ISOを高くするときにノイズが出るのです。もともとデジカメは長時間露出が設計に入っていないと考えるべきでしょう。そのような撮
影はめったいないこととしているはずです。このようなことからデジカメでホタル撮影する場合は短時
間露出を心がけましょう。 |
デジカメで撮影しようとする人は,ホタル写真を合成する人が少なくな
いですが,それは「写真」とは区別される
べきです。合成したものは作品です,が,写真とはいわないです。たとえばこれが新聞に載った場合を想定すれば,その問題点がよく分かります。報道写真とな
ら
ないようなものは真実を写す「写真」とはいえません。まさか「報道写真は特殊な写真で一般的でない」とはいわないでしょう。 合成写真は写真を合成したもので,合成した写真ではなく,ひとつの芸術を目指した作品群です。その評価は芸術性ゆえに行われるべきでしょう。写真とは優 劣を比較出来ない, 世界が違うものです。 実際に,この手法を使えば東京丸の内のビルの谷間でもホタルを乱舞させることが簡単に出来るのです。それが美しく,ある思想性を持っているなら ば作品を否定する理由はありません。場所が違ったところのホタルも合成に使うことが出来,その区別が本人以外出来ない以上,丸の内のホタル乱舞を否定する ことは無理です。今の時代,本人の倫理観に期待するというのは古すぎます。 デジカメでは,合成が普通というのは勝手な理屈です。写真はあくまでもワンシャッターでなければなりません。そうであると,合成や改造は,ほとんどの場 合見抜けるのです。そして黙って合成などして「写真」としか言わない場合,本人の倫理性を追求しましょう。すなわちそのような世界と写真が分類できるとい うことです。 |
現在のところ,写真の美しさはフィルムに軍配を挙げます。それはフィ
ル
ムの情報量の多さ,ノイズの少なさ,相反則不軌特性など優れた性質によるものです。この点は原理的なものなので,ここしばらくは変わらないことと予想しま
す。 パソコン上でいろいろ加工すると写真が写真でなくなってしまうという倫理上の 問題もあります。そのような作品は,ホタル撮影をする人が見れば,その加工具合が分かってしまうでしょう。はっきり条件を記載して公表するか,あるいは友 達だけに限定して加工技術を自慢するだけにしましょう。そうでないと後で後ろ指さされて逃げることができなくなるかもしれません。 |
デジカメの真骨頂はホタル撮影においても認められるところがありま
す。それ
は撮影条件の決定に利用することです。写した直後に結果が見えるというのは大変な便利さです。しかし「本格的写真はフィルムを使わなければならない」とし
ますと,あらかじめ撮
影条件を決めるのに使うのが有効です。このような両者の混合利用は,時間制約の大きいホタル撮影に威力を発揮すること間違いありません。 フィルムカメラは今中古市場にたくさん出回っています。これを購入しておきたいものです。レンズ群も安く購入できます。 |