ホタル撮影比較

使い安さ
○ デジカメは写した直ぐ後で結果が見える。露出時間が長すぎると昼のような写真になるのでは。昼間にホタルが飛んでは困るでしょう。反対に露出時間が短 いと背景が写らないですね。 ホタルだけ写っても写真とはいえないのじゃないですか。フィルムでは,その時間を決定するのが困難と思う。前日に試験として条件を変えて写し,それをラボ に持っていって現像しな いと露出時間が決められないですね。ラボが遠いと数日かかることになりますよ。
○ 現像は確かに問題だが,車でラボまで飛ばし,30分待つと現像焼き付けが出来る。遠くの人でも勤めの途中や帰りに現像できます。ほとんどの人が次の日 には撮影条件を知ることが出来て,夜には本格的な撮影が始められる。
 経験を積むと,あらかじめ露出を決めるための撮影は不要だ。
  露出時間や絞り条件の決定は間違いなくデジカメの勝ちで する。現実の問題として,ラボから遠い人はフィルム現像に中1日を置かないと分からないことがあるでしょう。経験を積むのを条件にするのは強引です。私た ちにそれを求めるのは無理があります。
ノイズ
○フィルムはノイズフリーだ。実際2年ぐらいストックしていてもノイズはまったく拾わない。ところがデジカメは露出時間が3分を超えると暗闇はノイズだら けだ。ホ タルは5〜40分程度露出するから,原理的にホタル撮影には不向きなのだ。
○フィルムも暗闇で写して現像焼き付けすると,暗いところの粒子が荒れているではありませんか。デジカメでもノイズレダクションモードを使えばうんとすく なくなりまする。これだと5分程度はいけるはず。それで十分な時間ではないですか。
○そのモードは平均化モードだから画像全体が甘くなるから賛成できないです。
 暗闇のデジカメのノイズは困りものです。もちろん光量が少ないとき, 露出時間が長いとき,ISOを高くするときにノイズが出るのです。もともとデジカメは長時間露出が設計に入っていないと考えるべきでしょう。そのような撮 影はめったいないこととしているはずです。このようなことからデジカメでホタル撮影する場合は短時 間露出を心がけましょう。
合成
○そもそも,デジカメによるホタル撮影は合成を基本としているはずだ。この場合背景を一枚昼間に撮っておいて,夜間のホタル写真を数十枚ほど写してこれを 重ね方法。撮影は一回を15〜30秒程度とするのです。ホタル以外の背景は全て黒く塗りつぶしてから背景に重ねていくので,100枚も重ねる人もいます よ。すばらしい写真になるよ。
○それは写真とは言わないのじゃないですか。イラスト,改造画像などと言うべきです 。
 デジカメで撮影しようとする人は,ホタル写真を合成する人が少なくな いですが,それは「写真」とは区別される べきです。合成したものは作品です,が,写真とはいわないです。たとえばこれが新聞に載った場合を想定すれば,その問題点がよく分かります。報道写真とな ら ないようなものは真実を写す「写真」とはいえません。まさか「報道写真は特殊な写真で一般的でない」とはいわないでしょう。
 合成写真は写真を合成したもので,合成した写真ではなく,ひとつの芸術を目指した作品群です。その評価は芸術性ゆえに行われるべきでしょう。写真とは優 劣を比較出来ない, 世界が違うものです。
 実際に,この手法を使えば東京丸の内のビルの谷間でもホタルを乱舞させることが簡単に出来るのです。それが美しく,ある思想性を持っているなら ば作品を否定する理由はありません。場所が違ったところのホタルも合成に使うことが出来,その区別が本人以外出来ない以上,丸の内のホタル乱舞を否定する ことは無理です。今の時代,本人の倫理観に期待するというのは古すぎます。
 デジカメでは,合成が普通というのは勝手な理屈です。写真はあくまでもワンシャッターでなければなりません。そうであると,合成や改造は,ほとんどの場 合見抜けるのです。そして黙って合成などして「写真」としか言わない場合,本人の倫理性を追求しましょう。すなわちそのような世界と写真が分類できるとい うことです。
美しさとコントラスト
○フィルムの方が明らかにきれいに撮れる。それはホタルが鮮やかにコントラストをつけて写っているためだ。デジカメではこうはいかないだろう。
○デジカメにはホワイトバランス調整があります」です。それをうまく使わなかったのではないか。オートで撮るだけでは能がない。rawという手もある し・・・。これをうまく 処理すればすばらしくなるはず。
○デジカメは浅い写真になると言われてきたが,ホタルでは特にそうだと思う。ホワイトバランスを調整した程度ではだめだ。
○デジカメはパソコン上で処理するのが標準ではないですか。その処理が上手になればきれいになるはず。
 現在のところ,写真の美しさはフィルムに軍配を挙げます。それはフィ ル ムの情報量の多さ,ノイズの少なさ,相反則不軌特性など優れた性質によるものです。この点は原理的なものなので,ここしばらくは変わらないことと予想しま す。
 パソコン上でいろいろ加工すると写真が写真でなくなってしまうという倫理上の 問題もあります。そのような作品は,ホタル撮影をする人が見れば,その加工具合が分かってしまうでしょう。はっきり条件を記載して公表するか,あるいは友 達だけに限定して加工技術を自慢するだけにしましょう。そうでないと後で後ろ指さされて逃げることができなくなるかもしれません。
デジカメは露出条件設定に生かす
 デジカメの真骨頂はホタル撮影においても認められるところがありま す。それ は撮影条件の決定に利用することです。写した直後に結果が見えるというのは大変な便利さです。しかし「本格的写真はフィルムを使わなければならない」とし ますと,あらかじめ撮 影条件を決めるのに使うのが有効です。このような両者の混合利用は,時間制約の大きいホタル撮影に威力を発揮すること間違いありません。
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