第三二九号
              ハラハラ ドキドキ初トライアスロン!
             (丹波市ファインキッズトライアスロン大会)


2012年5月31日
AAC会員

久野 淳子氏

       1.きっかけ
       一年前には、自分がトライアスロンの大会に参加するなんて、考えてもいませんでした。
       ただ、去年の今頃AACバイクユニフォームの注文受付があり、「今回の注文に入れて
       もらわなかったら、次いつ頼めるかわからないよ」と聞いて、おしゃれなデザインだし、
       ランの時に着るのもありらしいし、ひょっとしたらそのうちバイクに乗ることがあるかも知
       れないし・・・程度の気持ちでお願いしたのでした。
       ところが、どうも世間(AAC内)では、バイクユニフォーム注文=トライアスリート という
       公式が基本のようなんですね。

       以下、宗政会長とのやりとり。
       会:「久野さん、バイクユニフォーム注文したんだってね。ついにトライアスロンやる気に
          なったの?」
       久:「いえいえ。ただ、きれいなデザインだったので・・・。第一、私ランすら満足に走れ
          てないですから。もし、フルで330切れたら考えようかな〜と」
       会:「それは順序が逆だよ!トライアスロンやれば、ランが速くなるよ。で、いつバイク
          買いに行こうか?」

       一方、女性トライアスリートの方々からは、「女子会(後に、AACトライレディース会と命
       名)やるから来てね〜!」とのお誘い。社会見学のつもりで参加させて頂いたこの女子
       会では、楽しい話題で盛り上がり、先輩方の懐の深さや人間性の大きさにすっかり敬
       服。同時に、自分で勝手に作っていたトライアスロンへの壁が崩れた瞬間でもありました。

       2.バイク
       ・・・とは言っても、やはり初めてのロードバイクは怖いです。ランは、足さえ動かせばと
       りあえず前に進めます。スイムも、溺れない程度には泳げます。
       しかし、高いサドル、細くて溝もないタイヤ。その上ビンディングペダルで足を固定って
       ・・・!?
       夜な夜な、窓枠につかまりながらビンディングの付け外し練習。でも路上で一人いきな
       り乗れるはずもなく、「ど〜しよ〜」と思っていた時、池条さんから救いの手が。フルガー
       ド付(後輩さん数名による)ライディングスクールで、あっという間に、普通にバイクシュ
       ーズが使えるようになっていました。

       3.ファインキッズ当日
       今日まで、可能な限りスイム練習に参加してきました。バイクでも、最後尾とはいえ後
       川コース120kに付いて行きました。今日のコースはプールスイム400m・バイク20km
       ・ラン5km。たったこれだけ。それより、トランジションの手順がよくわからず・・・。と考え
       ていました、スタートまでは。受付で上腕にナンバーを書いて貰い、恰好だけはいっち
       ょ前のトライアスリート♪

       大会ボランティアとして参加の会長から、バイクラックの架け方、タオルやシューズやヘ
       ルメットの置く位置と向き、靴ひもやナンバーベルトのバックルは外しておくこと、等々
       経験者としての豊富なアドバイスを頂きスタンバイOK。バイクコースも試走済み。
       あとは、スタートを待つのみ。どきどき。

       スイムの招集場へ行くと、すでに自分と同年輩の女性が数名。同時刻スタートのピチ
       ピチ女子高生もいます。こちらはJapanの文字と名前が印字されたウェアを着ていて、
       いかにも強そう。兵庫県高校選手権としての出場選手達です。その他の女性陣は、「
       私、トライアスロン初めてなんです。」「私もですよ〜」と、和気あいあい。しかし、ナーバ
       スな私はそんな会話に加わる余裕もなく、ますます寡黙に。点呼のあとプールサイドへ。
       ここにはボランティアの中川さんや会長の姿があり、ちょっと安心。

       スイムは片道25m×8往復で、1コース毎に34人が10秒ずつずれてウェーブスター
       トする方法です。私は最終スタートということで予測はしていましたが、前の人達がとに
       かく速い!あっという間に周回遅れ。この上2周遅れにはなりたくないと必死で泳ぎ、
       終盤にはコース独占状態?でやっとスイム終了。プールサイドに上がってみるともうほ
       とんど泳いでる人はいません。

       さあ、ついにトランジションです。あせるな、イメトレ通りにいけ、と自分に念じつつバイク
       ラックに向かいます。結果から言うと、合理的なセッティングのおかげでほとんど問題な
       く終了。逆に何だか物足りなく、何か大物を忘れているかのような不安すら抱えつつバ
       イクスタート。

       濡れた体に風が心地いい。試走のおかげで不安もあまり無い。とにかく漕ぐ。しばらく行
       くと前方に私と同じ色のナンバーカードが見える。「遠いな〜。」が、そのまま行くうちに
       距離がじわじわ縮むではありませんか。これってもしや・・・!そしてついに憧れの第一
       声「右、通りま〜す!!」きゃ〜〜快感〜!!!AACでのスパルタバイク練習が実を結
       んだ瞬間です。(大げさ?)その後も、何人かの女子を抜き、何人かの男子に抜かれバ
       イク終了。

       が、落とし穴はランにありました。スタート直後は、足がふわふわ。でも、これは前もって
       聞いていた通り。たった20kmのバイクでもこんな風になるんだな〜と、のんきに考えな
       がらとことこ走ります。捕らわれたのは折り返し地点の給水所。水を受け取る為にペー
       スダウンした途端、太ももに締め付けられるような異変が・・・!「やばい!足がつる」
       まだ、2.5kmも残ってるのに、ど〜すんの〜!!あわてて、そろ〜と動かすようにし、あ
       とは「お願い、つらないで」とお願いするのみ。

       バイクのペダルを押して漕いでしまったツケが回ってきたのですね、あれほどアドバイ
       ス貰ってたのに・・・。折り返し後なので、自分の後ろの様子がよく分かります。バイク
       で抜いた人たちがどんどん来ます。焦る気持ちと足の機嫌の板挟みにあいながら「とに
       かく進まなきゃ。」かつて無いほど、長く苦しい2.5kmでした。ゴールまで300mあたりで
       やっとほぐれてきたので、ラストスパート。後ろの足音がとても気になります。

       どのレースでもそうですが、ゴールの瞬間はうれしいものですね。レースの最中は「も
       〜やだ〜!!」と何度も思いましたが(特にランで)、終わってみると清々しいというか、
       何かを制覇できた気分というか、この気分の為に人はわざわざこんなしんどい事やって
       るのでしょうね。
       「ゴールの時はサングラスを外して」という注意事項も知っていたのに、すっかり抜け落
       ちてて、「次回、気を付けてくださいね。」と叱られました。ハイ、気を付けます・・・。

       かくして、本当にたくさんの方々の助力のおかげで、初トライアスロンは無事終了でき
       ました。結果は116432/4人中) 1位の方が他府県在住だったので、兵庫県民
       賞も頂きました。わーい♪
       この大会、子供と初心者ばかりかと思いきや、ベテランアスリートのリピートが多いらし
       いです。つまり、良い大会ってことですね。
       反省点:スイムの技術向上が不可欠。バイクも然り、回転ペダリングを習得すべし。
       バイク直後のラン練習をすべし。みなさん、これからもよろしくお願いいたします。
       (大会開催日:2012・5・27)



第三二八号
      親子で楽しんだ!「芦屋浜浜風カヌーアスロン」


2012年5月30日
滋賀県大津市在住

吉岡 茂行氏

      去る5月13日(日)に「芦屋浜浜風カヌーアスロン」大会に、8歳の長男 怜音(レオン)
      と一緒に参加させて頂きました吉岡茂行と申します。
      
今年の3月頃、出場する大会をRUNNETで検索していた際に、ふと私の目に留まったの
      が、この「芦屋浜浜風カヌーアスロン」大会でした。先ず、その企画が珍しく、楽しげに思
      われました。次に、小学校3年生からエントリーできる点も魅力でした(^^)
      咄嗟に、これなら、「長男の怜音と一緒に出場できる」との思いが、私の頭に浮かびまし
      た。私が怜音と一緒に出場することを思いついたのには理由があります。

      個人的な話になりますが、私の長男である怜音は、少し自己肯定感が低い男の子です。
      そこで、親としては「何か成功経験を積むことで自信を持たせてやりたい」と、以前から
      妻とは話しあっておりました。今回のカヌーアスロンのショート部門は、ラン(3キロ)→カ
      ヌー(1キロ)→ラン(3キロ)です。この組み合わせが、以下3点の理由から、怜音にピッ
      タリだと思えました。
      まず、1)カヌーについては、昨夏、琵琶湖でレクリエーションカヌーを独力で3キロ漕い
      だ経験があり、怜音本人も多少自信を持っていること。次に、2)ランニングについても、
      今年4月に地元のイベントで2キロを完走しており、持久力もそれなりに持っていそうだ
      と私が認識していたこと。最後に、3)小学校3年生からのエントリーということで、自分
      よりも年少者に負ける可能性がないこと。(笑)
      しかしながら、それでも怜音は当初、出場することになかなか同意しませんでした。
      しかし、妻が応援に行くということと、さらには、妻による幾分厳しめの叱咤激励(笑)の
      効果もあり、最終的には、親子2人での出場が決定しました。

      
そして、迎えたレース当日。幸い天気は良好、波も一週間前の練習時に比べると幾分、
      穏やか。まずまずのコンディションのようです。先ずは、一安心(^^)  あとは、怜音の踏
      ん張り次第です。とはいえ、波をじっと見ていると、心なしか、高くなっていくようにも思わ
      れ、不安が募ります。
      ロング部門の方々が出発された後、和やかなムードの中で記念写真。いよいよ、レース
      開始です。出場者のうち、未成年は怜音のみという状況でしたが、スタート時刻までに
      妻と長女が会場に到着できたこともあり、怜音も幾分、リラックスモードのようです。

      そして、スタート!伴走・激励役の私は、まず、怜音に最初から飛ばさないように指示し
      ました。親として、なんとしても、完走させてあげたい。そのためにも、最初のランで力尽
      きないようにしなければなりません。恐らく、小学校3年生という学年を考えると、前述致
      しました「私と一緒に走った4月の2キロRUN」が彼の人生での最長距離の筈。6キロ走
      破のためにも、まずは体力を温存です。
      案の定、私たち2人は不動の最後尾です(笑)。怜音と二人、マイペースで走っておりま
      すと、大会関係者の皆様をはじめ、折り返して来られた出場者の方々が、次々と怜音に
      励ましの言葉を掛けてくださります。怜音も激励を受けてモチベショーンがアップするよう
      です。途中、足を故障された方をかわして、最初のラン終了。ここまでは、私の目論見通
      りです。

      次は、カヌーです。(これが、想定外でした) 一週間前に一度、練習しており、かつ、波
      もその時と比べれば穏やであるにも関らず、怜音のカヌーは、なかなか前進してくれま
      せん。身に余る大きめのパドルを抱えて、体を反らせながら漕ぐ怜音の姿が、健気に思
      えてきます。
      しばらくすると、「下着が濡れた」、「手が痛い」などといった泣き言が、少し離れたカヌー
      から聞こえてきます。それに対して、戦意を喪失しないように励ましながらレースを続け
      ます。横にいた私は、怜音がいつギブアップするかヒヤヒヤです。しかし、怜音は「リタイ
      ヤする」とは言いません。恐らく、私に怒られるのが怖かったのでしょう。この点、大人は、
      自分を制約するものが少ないので、止めたくなったらすぐに止めてしまいがちです。
      (自戒の念を持ってそう思います) しかし、子供はそうはいきません。なんとか、堪えて、
      奮闘します。
      しかし、アクシンデントが発生。苦労の果て、折り返しまであと少しという地点で、怜音は
      いきなり方向転換を始めます。恐らく、ブイを回ってくるという発想がなかったようです。
      「もう一度方向転換の上ブイを回るよう」に指示すると、怜音の顔には明らかに疲労の
      色が広がります。(精神的なダメージが大きい様子)
      その瞬間、思わず審査員の方に「ブイを回ったことにして下さい」とお願いすることが、
      私の頭を過ぎりました。しかし、私自身が小心者であるためか、フェアプレーを愛する精
      神によるものなのかは判りませんが、(笑)実際に、言葉になることはありませんでした。
      (その間も怜音は踏ん張ります)
      なんとか折り返し地点を過ぎると、怜音にも復活の兆しありです。怜音なりに考えたよう
      で、波に乗れば、あまり漕がなくても、岸に戻れると判断したようです。よって、時間を
      要しましたが、(大会関係者の皆様 遅い到着で大会の運営を妨げまして申し訳ござい
      ません)「復路は往路ほどには苦労しなかった」というのが怜音本人のコメントです。
      そうこうするうちに、岸に近づくと、既にゴールをされた皆様方が怜音を応援してください
      ます。その中を、ようやくカヌーを終えて上陸。

      いよいよ、最後のラン!カヌーから降りると、諦めずに競技を続けることに対する応援の
      拍手を背に、怜音は、2度目のランに突入します。とりあえず、最後の100メートルまで
      は無理をさせないようにしながら、6m30s/km前後のペースで走ります。しかし、私には、
      怜音の顔色が悪く見えてなりません。「体調が悪いのではないか?」と怜音に何度も確
      認するのですが、「体調は悪くない」との返答。(どうやら、私の心配し過ぎだったようで
      す f^_^;) )
      
二度目のランの最後の折り返し地点を回ると、いよいよゴールはあと少しです。この(群
      れを抜いて遅い)最後のランナーを根気強く待って下さった審査員の方々、ありがとうご
      ざいました。また、励ましの言葉をかけて頂き、怜音と私も恐縮です。

      そして、ゴール前100メートル地点。怜音が最下位ランナーにならないように、怜音にラ
      ストスパートを指示すると、怜音も残りの力を振り絞って私の前を駆けていきます。怜音
      が大好きなママは、もう彼の眼の前です。
      
そして、ゴール! 妻と長女、そして、皆様方の歓声と拍手を受けてのゴール、怜音は
      かなり嬉しかったようです。そして、私自身にとっても、怜音の頑張る姿を目の当たりに
      するとともに、その苦労を一緒に分かつことができ、歓びに包まれた瞬間でした。

      
以下に、家族の感想です。
      
長男 怜音 : 「最初の方は苦しかったけど、途中からは楽しくなってきた。
                 来年も参加したい。」
      妻            : 「皆様、ありがとうございました。これをきっかけに怜音が自信を持ち、
                何事にも積極的になってくれることを願っています。」
      長女 真凛  : 「怜音の姿をみて、私も挑戦したくなった。来年は参加したい。」

      
最後になりましたが、大会関係者の皆様、私どもに素敵な体験をさせて頂きありがとう
      ございました。怜音に声援を送っていただきました参加者の皆様、ありがとうございまし
      た。来年は、必ずや3人で参加し、脱最下位を目標に頑張ります。(笑)
      
又、私、吉岡茂行、弱小アスリートではございますが、近畿界隈のレースにときおり出
      場しております。今後、芦屋浜アスリートクラブが主催されるレースを含め、どこかで、ご
      一緒させて頂くこともあろうと思いますが、その節はよろしくお願いします。
      
それでは、芦屋浜アスリートクラブの益々の発展と、皆様方のご健勝&ご健走を祈念し
      つつ、筆をおきます。
      (大会開催日:2012・5・13)



第三二七号
             比 良 山 系 縦 走 !


2012年5月25日
AAC会員

本地 敏行氏

       交通機関
       JR東海道線始発電車  〜(6:29京都(6:31)〜安曇川(6:31
       江若バス          安曇川(7:47)〜朽木学校前(8:15)

       道具食糧
       水(1.5Lと予備2.8L)、レスキューシート、ホイッスル(滑落時の救難用)、方位磁石、クマ鈴
       アーミーナイフ(10得ナイフ)、ヘッドライト、ファーストエイド用品
       着替え、タオル、ウインドブレーカー、雨合羽
       食事(おにぎり、飴、菓子、チョコ、粉体栄養剤その他)      総重量7.5kg

       走路行程
       朽木学校前8:20〜蛇谷ガ峰(901.7m)9:30〜須川峠10:00〜横谷峠10:15〜地蔵山
       (789.7m)10:33〜イワクタ峠11:00〜釣瓶岳(1098m)11:30〜武奈ヶ岳(1214.4m)12:00
       
〜イブルギノコバ12:30〜金糞峠13:00〜南比良峠13:25〜烏谷山(1076.7m)13:50
       比良岳(1051m)14:07〜琵琶湖バレイ(打見山1108m)(自動販売機あり)14:40
       蓬莱山(1174.2m)15:14〜小女郎峠15:26〜ホッケ山15:36〜権現山(996m)15:50
       霊仙山登山口16:17JR和邇駅17:20 (約40km弱)

       事前考察
       決行の日の天気は数日前から観察しており、上手く天候のとても良い日を選ぶことが
       できた。JR大阪〜京都間の休日切符も何日か前から用意している。今回の縦走は一
       般的なトレイルランとは違い、それには向かないコースと理解した上での決行でした。
       トレイルランで携行していくべき道具や荷物や水の量を何度も今回のコースを想定し
       ながら準備を行なった。

       個人的なトレイルランの基本的な考えがある。それは「自己完結」。昨今、スポーツブ
       ームのあおりを受け、山道林道を走る老若の男女の姿を多く見かける。しかし、その
       多くのトレイルランナー達は雑誌などの影響を受け、ウエア等のファッション性だけを
       追求し、安全に楽しむという考えをおろそかにしてはいないか?と疑問に感じている。
       山はとても危険で、何が起こるか分からない。トレイルランは言葉通り 早歩きや走り
       で林道や山道を進むため、徒歩の登山より多くの危険が伴う。またそのような行為を
       目的としているため、行動中(行為中)の快適さを求めるあまり装備も軽装になりがち
       になるため安全性が損なわれてしまう傾向がある。

       集団で走ることも遠まわしでトレイルランや登山を安全で楽しむことを少しは意味して
       もいると思う。私的な「自己完結」という言葉の認識を話すと、どのような事象(事故)
       に遭遇しても自己の責任で処理し、完結が出来、無事に山を降りることができること
       と考えている。山では危険も多く、足をくじく。転倒する。崖などで滑落する。道に迷う。
       危険動物(昆虫)に出会う。食料(水)が底を付きダウンする。大きな事故を上げると
       骨折や死亡なども考えられる。そのような事故が発生すると山ではすべて自己責任
       となり、レスキューを呼ぶにしても多額の費用がかかる。そのような場合には山岳保
       険などに入ることも考えの一つである。

       今の世の中、安全というものは与えられるもの?あるもの?集団でいれば安全?常
       に誰かを頼ればいいと考えている?安全を少し軽く見られるようになったと思います。
       では今回の手記の冒頭で書いた、比良縦走はトレイルランには向かない理由は、コ
       ースの途中に水場や自動販売機がないこと。(自動販売機や食事は(びわ湖バレイ)
       打見山のみ)途中で事故に遭遇しても車道までは自力で山を降りなければならない。
       六甲山では周遊バスやケーブル、場合によってはタクシーや救急車も呼ぶことができ
       るが、深い山に入るとそれができない。今回のコース取りもロングコースため集中力
       がとぎれる可能性もあり、おもわぬ事故を招く可能性がある。

       トレイルラン
       朝はJRの始発に乗り、朽木学校前バス停に到着するまでに約3時間弱もかかった。
       その後、朽木温泉てんくう(登山口)までは 無料バスもあったが、さらに1時間もの
       間、朽木学校前バス停で待たなければならない。同じ江若バスで乗り合せたほかの
       登山者は横のローソンに立ち寄ったりしてそのバスを待つ様だが、私は登山口近くま
       ではたったの2.5km程度だったので走ることにした。バス停から登山口まではたい
       した登りはなかったが、登山口から蛇谷ガ峰までは菊水山を想像させるくらいに階段
       ばかりで勾配もきつい。菊水山は高低差こそたいしたこともないが、今回の高低差
       (約600m)はかなり堪えた。朝の柔らかい木漏れ日の中で重い足を進める。ハウチ
       ワカエデ?オオタヤメイゲツ?イワウチワ?早歩きのため判別も上手くできなかった
       が、木々やカエデの葉などは日常で見ることができないものも多く見られ、関西の山
       と違うことを目で実感でき、先の山々がとても楽しみになった。

       蛇谷が峰では360度ビューで琵琶湖や田園風景も遠くまで見ることができ、通りすぎ
       る風も冷たくてとても気持ちがいい。今回のトレイル全工程で一つ言える不快なこと
       は、どの場所でもハエ、アブ、蜂が多数いること。景色はいいものの、視界を飛び回る
       小昆虫を無視しなければならない。

       その先から地蔵山をすぎるくらいまでは峠続き(標高が低め)のため、景色の展望は
       少ない。展望がない場所は不人気のようで、人の行き来も少なくなりがちになり、結
       果 山道(足の踏み跡)はところどころ確認できなくなるため、何度も道に迷った。昔
       (過去)に、ほかの登山者が巻きつけたと思われる木々に巻かれたカラーのビミール
       テープ(コースを意味している目印)を辿り、全く違う方向へ降ろされた苦い経験があ
       る。今回も一応はビニールテープも参考にし、そのほかに持参した地図も参考にした。
       地図に書かれている登高線の形状で尾根や谷(沢)の線図の確認し、実際に見える
       景色の地形と比較して確認しながら前に進むため、ほとんど走ることができずに立ち
       止まっては方位と地図を確 認する作業となった。

       地蔵山からは登山者の踏み跡もはっきりしており、六甲山のように山道がUの字にえ
       ぐられているため分かりやすい。おそらくここから先は景観(展望)が良いため、多くの
       人が訪れているので足の踏み跡もはっきりしたのだろうと推測される。地蔵山を過ぎ
       てからは視界が開け、遠くまで景色を見ることができる。ただ、日差しを遮る木々も少
       なくなるため暑さをかなり感じる。イワクタ峠の木陰の下で休憩していると、武奈ヶ岳
       でキャンプを予定している人に出会った。天候がいいのは珍しいらしく、武奈ヶ岳山頂
       でテントを張りワインを飲みながら夜を過ごすことを目的とし、週末を山頂でのんびり
       するらしい。荷物の重量も20kgくらいあるらしく、早朝からこのイワクタ峠まで十分な
       時間をかけて登ってきたようだ。私自身 水の心配があったので、比良山系の水場
       を聞いてみたところ、比良山系にとても詳しく、金糞峠の支流は湧水のため、川の水
       が飲めるらしい。(実際は水に若干の余裕があったため飲むことがなかった。)そのほ
       かの川は池からの水が流れ込んでいるので飲み水に適さないことを教えてもらった。

       話を楽しみ、時間も押していたので別れて急ぎ足で釣瓶山へ向かう。イワクタ峠から
       は見上げるくらいに更に登る。釣瓶山を過ぎ、更に見上げる山が最高峰の武奈ヶ岳
       だ。そこで大休憩をするため、釣瓶山では休憩をせずにいっきに急登を登り進めた。
       比良山系で一番奥(北)に位置する武奈ヶ岳では登山者がとても 多く、ここまで通過
       してきて出会った人は5人程度だったが、武奈ヶ岳では正午でも有った事もあり50
       以上はいて、各々昼食をとっていた。年配の方も多く居て、今流行りの服装の若い人
       も多くいる。中には私のようなトレイルランナーも2人ほどいた。沢山のハエ、アブが飛
       び交う中、大休憩を行なった。

       山頂の杭(名称入)を横に写真撮影してもらい先へ進んだ。初めてのコースのため雑
       誌の縦走路を参考にしたこともあり、この先烏谷山まで峠続きで、八雲が原や深い木
       々の山道を進むことになった。もし経験があったなら景観もよく道のりも短い別のコー
       スを選んでいただろう。八雲が原(湿地帯)を過ぎ 川を伝って 途中その川の支流へ
       入り金糞峠に向かう。八雲が原では2歳弱の子供連れの家族がいたことに驚いた。
       どのようにしてここに来たのだろう?またこの場所は昔、比良山スキー場だったらしい。
       いもりが多くいる八雲が原(湿地帯)や川の横には山小屋が幾つか建てられていた
       が、個人が建てたため、一般登山者は利用禁止となっている。冬山では寒い中どの
       ようにして登るのだろう?そのような疑問が浮かんだ。

       金糞峠では10人くらいの登山者と出会い、ここでも少し話が湧いた。自分自身、江若
       バス(えわかばす)(正:こうじゃくバス)を降り、朽木温泉てんくうを出発して武奈ヶ岳
       を越えて来たことと、和邇駅(わに)駅までを目的としていることを話すととても驚いた
       様子だった。その場にいた多くの登山者は半分は下山で半分は釈迦岳に行くらしい。
       (景色がいいのかな?)ほのぼのとした時間を頂き、それから辛い2山越えに向かっ
       た。若干のスタミナ切れを起こしながら烏谷山と比良岳をやり過ごすことができた。
       比良岳に到達するころには琵琶湖バレイからの大音響の音楽が届いていた。音楽に
       導かれ、琵琶湖バレイに続くなだらかな山道を急ぎ足で進む。琵琶湖バレイの麓まで
       届くと目を疑う超急登が目の前を覆った。スキー場の急勾配である。前に進みづらく
       なった足を何度も何度も休憩をしながら足を前に進め、ようやくびわ湖バレイのケー
       ブル基地に到着することができた。

       琵琶湖バレイは360度ビューで景色も良く、通り過ぎる風もとても気持ちいい。琵琶
       湖バレイは観光地のため、沢山の人で賑わっていた。私はころがるように建屋に入
       り自動販売機に向い、コーラ1本とスポーツ飲料2本(各200円)を購入しベンチに座りこ
       んで休憩した。(背中の水はまだ1L残っていたが、甘いものを飲みたかった。)遠く
       向こうに見える武奈ヶ岳を眺めたり、たくさんの人の行き来を眺めたり、次に向かう蓬
       莱山の急登を眺めてのんびりと時間を過ごした。さすがに疲労もたまり、ケーブルで降
       りようか考えたが、せっかくここまで来たので、蓬莱山に登ってから考えることにした。

       100m近くあるスキー場の急勾配を何度も休憩しながら蓬莱山山頂に着いた。山道
       よりもスキー場の急登のほうがはるかに辛い。蓬莱山上でも360度眺めがよく関西
       200
名山に選ばれる理由を納得する。ここからは権現山へ続く山道の状態も確認す
       ることができた。眺めから察するに、先の山道の状態は良く、そのほとんどが下りテン
       ポのため走りやすいと想像した。眺め通りに ここから先の展開は背の荷物も大分軽
       くなっていることもあり、速いペースで走り続けることができ、権現山までは一気に到
       達できた。陽も大分傾き始めたのが心配だったので、権現山からは気をつけながら
       危険な急勾配を下る。山道が林道に変わり、コミニティバス(9人乗りのボックスカー)
       の停留所についた。バスを利用したかったが、残念なことに3分前に最後のバスが出
       発したばかりだった。一日にたった2本で朝に1本、私がここに到着する3分前に1本
       の2本。もともと和邇駅まで走る予定だったが、バスに乗ることができれば乗りたかっ
       た。和邇駅まで歩いたり走ったりを繰り返し、ようやく和邇駅にたどり着くことができた。
       和邇駅のトイレで着替え、一度駅を出させてもらい、近くのスーパーでビールを買い込
       み、再入場させてもらい、無事帰途についた。
       (大会開催日:2012・・)



第三二六号
           第8回日本横断「川の道」フットレース参加レポート!


2012年5月16日
AAC会員

原  典昭氏

       「川の道」フットレースとは
       【スポーツエイドジャパン「第8回日本横断「川の道」フットレース」パンフレットより】
       ◆「川の道」とは、太平洋(東京湾)から日本海(新潟市)までを結ぶ道です。
       日本を代表する大河、荒川(173km)と信濃川(長野県内では千曲川:367km)は、山
       梨県(甲州)、埼玉県(武州)、長野県(信州)の三国境に鎮座する甲武信岳によって、
       水流の行き先をそれぞれ太平洋と日本海に分けられています。荒川を太平洋から上
       流へと遡上し、甲武信岳北側の三国峠(海抜1,828m)を越えて信濃川沿いに日本海
       へと続く道を私たちは「川の道」と呼ぶことにしました。海から山へ、そして山から海へ
       と2つの大河の生涯をたどる「川の道」は森羅万象の息吹すら感じられる道でもありま
       す。日本横断「川の道」フットレースは、荒川と信濃川の総延長に近い距離520kmを
       東京、埼玉、長野、新潟の1都3県をまたいで走り抜く、壮大でロマンあふれる「日本
       横断ステージ」です。

       ◎大会完走記
       この大会は一昨年(2010年)に初参加、心身とも限界状態で109時間35分かけて8
       位でゴールした。そして、自分なりに走り込んで自信をつけて挑んだ昨年の大会は、
       残念ながら二日目に不幸な事故(酒気帯び運転の車にはねられ参加ランナーが死
       亡)があり大会中止となる。今年は、亡くなった走友と日本海まで走る事+レベルアッ
       プした走力を証明するレースとして、100時間以内での完走と入賞(3位以内)を目標
       に参加した。

       429日≫
       午後、東京ドーム近くの開会式・前日受付会場にて競技説明会(今年から必須)に参
       加。久しぶりに会う主催者・スタッフ・走友達と挨拶&雑談。スタート会場に近いビジネ
       スホテルにて宿泊。

       430日≫ 初日:走行距離120km
       ホテルにて朝食後、都バスにて葛西臨海公園駅前のスタート会場へ。何人かの知人
       と会話しているうちに午前9時にスタート、応援に駆けつけてくれたJogNoteリンク友
       「のんたん」とハイタッチして、勇気を貰って荒川沿いへ走り出す。暑さを覚悟していた
       が、幸い曇天で走りやすい。少しずつ前に出て、しばらく一昨年のチャンピオンとトッ
       プを併走した。3箇所の私設エイドで栄養・水分を補給させて頂き、単独トップで第1C
       Pへ。その後に過去2回優勝のYさんと前後しながら、65キロ過ぎの第3CPまでは先
       頭で通過した。この頃から身体が一気に重くなる。曇天でも蒸し暑さが堪えていたよ
       うで熱中症の初期症状(目眩や吐き気)がでてペースダウン。コンビニ等での休憩を
       しているうちに、前半ハーフの部(265キロ)の方を含めて何人かのランナーに抜かれ
       る。熊谷に向かう途中、突然の雷と雨。レインジャケット・リュックカバーを装着するが、
       すぐに止む。明るい街灯の下で畳んでリュックへ格納。 秩父市内に向かう途中で日
       付が変わった。

       51日≫ 2日目:走行距離130km
       午前7時半、レストポイント「こまどり荘」へ3位で到着。気分が悪かったので食事前
       に入浴して胃薬「ガスター10」を飲み、カレーライスを頂く。サポートスタッフでJogNo
       teリンク友「pi」さんに我がまま言って、フルーツポンチの蜜汁だけを分けてもらって
       飲む。低血糖対策に即効性があり気分が回復。その後は暖かい布で2時間の仮眠
       をとった。仮眠所に後着した、秋のレース「Kansupa320km)で2年連続先頭争いを
       したNさん(川の道優勝経験者)が先に出発。4位でのスタートとなった。三国峠へ向
       かう途中でコースレコード保持者の女将Fさんが追いついて来られ、しばらくは早歩
       きしながらランニング談義の楽しい一時。勾配のキツイ登りが続き出した頃に、前に
       出る。峠の手前で先行していたNさんも追い越した。三国峠の頂上付近で待望の雪
       を発見。夕暮れ時に到着した一昨年と比べて4時間ほど早いせいか、たいした寒さも
       なく、快調に長野県側の村へ下山できた。まだ営業中のコンビニ(夜9時に閉店)で
       食料を補給して先へ。時間が早いと良い事が多い。途中で小雨が降ったり止んだり。
       レインジャケットの脱着が忙しかった。単調で店の明かりがないR141をひたすら走り、
       コンビニや食堂が出てきた佐久市内に入る頃に日付が変わる。

       52日≫ 3日目:走行距離120km
       第2レストポイント小諸キャッスルホテルまで残り10キロを切った頃、久しぶりに空腹
       感が出て、吉野家で牛鍋丼とサラダ・味噌汁で夜食。深夜2時半に3位でホテルに到
       着した。仮眠室に備え付けのお風呂に浸かって(大浴場=温泉は、この時間は使用
       不可)布団の中へ。このホテルでは後の眠気に備えて3-4時間の睡眠をとるつもりが、
       ピッタリ2時間で目覚めた。第一レストポイント到着時に右向こう脛の右上付近が腫
       れていたが、かなり炎症が広がって膨れ上がっている。主催者や後から到着のFさん
       (ナース)に見てもらうが決め手となる対応なし。ゴールまで残り255キロ。ごまかしや
       気力でもたせるには長過ぎる距離だ。仮眠する寸前のNさんから補強用テープを頂き、
       患部の上に貼ってホテルをスタート。動かなくなるまでは走れると開き直った。ホテル
       を出てすぐのコンビニで弁当の朝食を済ませ次のチェックポイント上田城跡へ。ここで
       50分前にスタートしていたFさんを追い抜いた。彼女は腰痛で走れないと言いながら
       もスピードのあるウォークで休憩も短く着実に前進していく。さすが優勝経験者。長野
       市内に入り善光寺への往復参道で後発のNさんとすれ違う。Fさんもすぐ後ろとか。
       どうやら上位5名までと6位以下との差が大きく開いたらしい。飯山駅前のCPを過ぎ、
       町並みがすっかり無くなった頃に日付が変わる。

       53日≫ 4日目:走行距離125km
       千曲川の土手から県境に続く真っ暗な荒れた道路を一人で走る。眠気対策にウォー
       クマンを装着。県境付近の急な下り坂は折れた大きな枝が散乱していたり側溝のコ
       ンクリート蓋が壊れていたりで、油断してると大怪我の原因になる。何度か脚をとられ
       かけて、ヒヤッとした。途中で雑誌の自販機があるトタン板で囲まれた建物(というよ
       り空間)のコンクリートで横たわり、寒さ対策にリュックをお腹に当てて目を閉じる。
       ほんの一瞬でも眠れた。これが眠気覚ましには効果絶大。県境を超えて新潟県に入
       った頃、2日目から気になっていた脚・膝の痛みが、かなり酷くなる。一昨年と比べて
       かなりゴール寄りになった第3レストポイントまでが異常に長く感じた。誰もいない道
       路で何度も大声で悲鳴をあげて走る。 すっかり夜が明けた午前7時前に民宿「かみ
       や」到着。入浴・食事の後、両脚に冷湿布(各レストポイントで寝る前に毎回貼ってい
       た)を10枚以上貼り付けて休む。ここでも3時間以上寝るつもりが2時間で目覚めた。
       何故だろう。ここまで来たらどこが痛もうがゴールを目指すしかない。宿を3番目にス
       タートした。出発直前までかなり降っていた雨が、ほとんど止んだ。慌ててレインジャ
       ケットを脱ぎ、リュックへ格納。開き直ったせいか走り出しは身体が軽くて胃の調子が
       良い。十日町駅前のコンビニで大盛弁当とデザートの甘いお菓子を食べたら気分が
       悪くなった。調子にのって食べ過ぎた・・・昼過ぎまで腹痛と吐き気に苦しむ。十日町
       から小千谷市内にかけて、あちこちで積雪が残っていた。さすが越後の国。その割
       には日が差すと少し暑くて何度も雪を掴みたい気分になる。午後3時頃に寿司が食
       べたくなって廻る寿司屋へ。珍しい食材とか見つけて満足。美味しかったが6皿で切
       上げた。その後、私設エイドでお餅を頂く。長岡市内では方角に悩み、通りすがりの
       方に何度か道を尋ねる。親切な方達ばかりで助かった。R8に入ってからは延々と続
       く側道を進む。この辺りは路面が良い箇所が多く、脚への衝撃が少なくて助かった。
       今までよりは雨脚が強くなったが、それでも降ったり止んだりの繰り返し。シャツを濡
       らしてせいで寒さがたまらない。またまた気分が悪くなり吐き気がひどくなった。何も
       食べたくないがエネルギーゼリーを無理やり吸って体力をつなぐ。新潟市の中心部を
       通過する頃、日付が変わった。ゴールは近い!

       54日≫ 5日目:走行距離25km
       新潟市内の広さは半端じゃない。直線の道を日本海目指してひたすら進む。道路に
       はコマ目に距離表示があるが、なかなか縮まらなくて嫌になる。唯一の目印=CP
       大野大橋を越えてサイクリングロードを目指すが、手前の高速ICが直進できず迂回
       路となっていて方角を見失ってコースアウト。コンビニショップの方や通りすがりのドラ
       イバーに道を尋ねながら何とかコースに戻った。慌てて緊張してアドレナリンが分泌
       されたせいか、迷っている間は脚の痛みを忘れてかなりのペースで走る。最終CP
       関谷分水路口(信濃川の河口=日本海)に辿りつき、事務局にTEL1キロ先に先行
       のランナーが走っていると聞くが、追いかけるような気力はない。土手沿いの見渡し
       のよい所から振り返ると後続のランナーらしい灯りもなし。3位(入賞)確定と思い、そ
       こからは歩きを交えながらゴール会場へ。さすがにゴールテープが見えた瞬間にはこ
       み上げてくるものを感じた。
       54日午前43分、感動と安堵のゴール。520キロを91時間03分のタイムだった。
       到着後に2位と知らされて驚く。間違いなくトップと思っていたYさんが腰の痛みにより
       スローダウン&度々のコンビニ休憩をしているとの事。知らないうちに抜いていたよう
       だ。優勝は韓国のランナーPさんで私より21分の先着だった。二人で一時間ほどY
       んの到着を待つが連絡もなく、仕方なく健康ランドで入浴・仮眠した。6時半に目覚め
       (どうも長時間眠れないらしい)て身支度をしているとゴールしたYさんにばったり出会
       う。ラスト30キロから腰の痛みで走れず、5度ほど仮眠したそう。それでも3位ゴール
       はさすが。お互いの健闘を称え合って別れた。
       主催者に挨拶した後に一人で路線バスに乗って帰路へ。新潟駅では大盛ライスの
       朝食セットを食べた後、大阪への特急列車の待ち時間・乗ってからのほとんどを寝て
       は脚の痛みで目覚めるの繰り返し。食欲は旺盛で列車内で幕の内弁当、乗り換えの
       金沢駅では、かき揚げ蕎麦+お握り2個を頂いた。午後7時半過ぎに自宅着。

       ≪後記≫
       今回の大会は過去の優勝経験者を含む多数のランナーが参加したが、昨年の事故
       の教訓から歩道の走行を徹底され、以前なら路面が悪くて車道を走ったような箇所
       でも辛抱して歩道を走行した。その中で国や自治体は、誰の為に歩道をつくったのか
       疑問を感じる事が多かった。民家や会社の入口の度に大きな段差がある歩道が多く、
       単純につくっただけでお年寄りや小さな子供の通行は配慮されてないと感じた。また
       歩道が途絶えたり道路の反対側に移ったりしている箇所があり、車本位の道路建設
       としか思えない。走りながら、こんな経験を多くの方に伝えて今後の道路整備に役立
       てればと考えたりもした。
       帰宅後、二日間はまともに歩けなかった。両脚の腫れがひき終日、ビジネスシューズ
       を履けるようになったのがゴールの1週間後。8日後の今も右向う脛の腫れが残って
       いる。速くなった分、脚への負担が大きいせいか。ようやく13日からジョグOKとの診
       断を鍼灸院より頂いたが、大腿部の張りとか脚・腰のいろんな箇所に疲労が残って
       いる。
       自分の記録については、当初の目標をタイム(100時間切り)・順位(3位以内)ともク
       リアした。初参加した一昨年より遥かに強くなった自分を確認できて、ほぼ満足してい
       る。来年はどうするか?未だ考える気にもなれない。これから年末にかけて幾つかの
       目標レース(ウルトラ・フル)を目指して走る事になるが、この大会の疲れ(身体・気持
       ち)を完全に癒して新たな気持ちでスタートしたいものだ。とはいえ、復活レース第一
       弾のしまなみ海道100キロウルトラ遠足(目標=サブ9)は62日。そんなにゆっくり
       は、できなさそうだ。
       (大会開催日:2012・4・30〜5・5)



第三二五号
         「芦屋浜浜風カヌーアスロン」大会が盛大に開催されました!

2012年5月15日
AAC会員

野上  亨氏

       513日、「芦屋浜 浜風カヌーアスロン」が、芦屋市の兵庫県立海洋体育館(芦屋
       マリンセンター)を中心に開催されました。
       これは、ラン→カヌー→ランでタイムを競うもので、日本でも珍しい、いやこの形式で
       の大会は「日本唯一」だろうと思われる大会です。今年は、インターネットでも大々的
       に募集した結果、東は東京、長野から、西は福岡から ご参加いただき、皆さん真剣
       に、そして楽しくゴールを目指しておられました。

       借りられるカヌーの数に限りがある関係と、我々クラブの会員がスタッフをしている関
       係もあり、100名くらいの方しか お世話できないのが残念ですが、今回も和気あいあ
       いの雰囲気の中で、事故も無く、無事に終わることができました。
       ご参加いただきました選手の皆様方、スタッフや、お手伝いいただきました方々に、
       この場をお借りして、改めましてお礼申し上げます。ありがとうございました。
       事故はありませんでしたが、「沈」<カヌーでひっくり返り海に落ちること=「珍?」>
       事故はありましたが (^_^)V・・・

       さて大会では、10時スタートの「ロング競技」(ラン 5km→カヌー 3km→ラン 5km)と、
       11時スタートの「ショート競技」(ラン 3km→カヌー 1km→ラン 3km)が、それぞれ開
       催されました。
       ポイントは、やはりカヌーを如何に上手く乗り切るかにあります。ランが いくら速くても、
       カヌーで時間が掛かってしまうと、順位に大きく影響します。そこが、主催者の狙いで
       もあり、面白いところなんですがね。

       上位に来る選手は、当然ながら両種目の記録を、しっかり揃えた方ばかりでした。
       しかし、今回の ヒーローは、何と言っても「ショート競技」で、お父さんと一緒に参加さ
       れた8歳の少年でしょう。最初は小さな子供さんが、ゼッケンを付けて走って来ました
       から驚きました。しっかりした走りで、その後カヌーに乗り込み海へ出ましたが、まだ
       慣れていなかったんでしょう、苦労していた様子です。制限時間が迫る中、なんとか
       カヌーをこなし、お母さんやお姉さんも応援され、スタッフや選手の大声援の中、2回
       目のランへ。時間は掛かりましたが立派に完走し、ゴールではこれまた大声援を受け
       て、何度もゴール写真を撮ってもらっていました。

       我々も感動しましたが、完走した男の子は「精一杯頑張れた!」という感動を味わっ
       たことでしょうし、これからも必ずや自信になることでしょう。本当に、おめでとうござい
       ました。そして、お疲れ様でした。
       やはり、スポーツはいいですね。競技する人はもちろん、応援する人、スタッフにも感
       動を呼ぶ、素晴らしいものであることを改めて感じました。
       本当に楽しい一日でした。また来年、この芦屋の地で お会いできることを、スタッフ
       一同 楽しみにしております。皆さん、お疲れ様でした。
       (大会開催日:2012・5・13)



第三二四号
                  初 め て の ト レ イ ル ラ ン !


2012年4月20日
AAC会員

田村 友加氏

        私がAACに入会してから5ヶ月が過ぎました。そして、入会当時から木練で話題
        となっていた「縦走」に、私も応募しました。木練の方々や、当日の出発までの間
        に聞いた話といえば、「月曜日が仕事にならない」とか、「明日は会社の休みを取
        った」とか。かなりビビッて「ど〜しよ〜!!明日、会社休みにしとけばよかった〜
        !()」と、後悔したのですが・・・結果から言うと、できれば休みにしていた方が
        いいですね(^^;)。翌日はミンミンで飲んだお酒も手伝って(といっても一杯だけな
        んですが)、汗だくで起きました。どんだけ筋肉の炎症起こしてるんだ!()

        神戸というところは山と海がとても近く、当日の天気にも恵まれて絶景を見ること
        ができました。山を登って見渡すたびに景色が違い、とても開放的で自然を大い
        に満喫することができました。と、美しく書きましたが()、現実は「顔が怒ってる
        よ!」と何度も言われるほど肉体的にも精神的にもキツいものでした。まず、須
        磨浦公園からの坂道。初っ端からいきなりキツイ坂!「えっ!いつまで続くの!?
        もしかして、ずっとこんな感じ!?」と思っていたけれど、少しの間だけでした。
        「最初だけだったんだ〜♪」と安心してしばらく進んでいくと、来ました、「すんごい
        階段!」。階段は山道とはまた違った疲労感。動くと暑い、休憩や給水・給食で
        止まるとすごく寒い。体温調節が忙しいです。掬星台や山頂は3月末とは思えな
        いほどの寒さ!見間違いかと思っていましたが、あちこちに雪が残っていて、しか
        もちらついていました(- - ;) そして、前日の夜から往復するレースに参加して
        いる方々と遭遇。片道でよかったね・・・って、片道だけでもめちゃしんどいんです
        けど!()

        そんな感じで驚きの連続でしたが、チームの皆様に励まされ励まし合い、無事に
        塩尾寺までたどり着くことができ、ほっとしました。あとは下るだけ♪・・・なのに結
        構な疲労、そしていつ着くの〜〜!?意外と長かった。7:30に出発して、18:00
        
頃に宝塚温泉前のコンビニに到着しました。宝塚温泉に着くとまず、シューズが
        脱げない!体が動かない(- - ;)そして足の爪がかわいそうな状態に・・・。
        体を洗うのも、髪を洗うのも、ううっ()、いろんな動作すべてがある意味新鮮で
        した。温泉に浸かってボー・・・生き返りました。

        一日中山にいたのに、あっという間だった気がしました。本日の締めにミンミン♪
        ギョーザとチャーハンとラーメンのセットをペロリと食べてしまいました()
        走ってる間ずっと食べ続けてたはずなんですけど★

        大した怪我も無く、全員が無事にゴールにたどり着けてすばらしい一日になりまし
        た。ひとりでは到底できない、やろうとも思わないことを達成できたのは、AACの
        皆様のおかげです。そして終わった後の温泉と打上会への思いが動力になって、
        苦しいときも自分を励ますことができました。とても充実した一日でした。
        ありがとうございました。次はウルトラ!がんばれ私!!
        (大会開催日:2012・3・25)



第三二三号
              京 都 マ ラ ソ ン 走 っ て き ま し た !


2012年3月18日
AAC会員

辻 正治氏

        皆様ご無沙汰しております。幽霊会員(生きてますけど)の辻です。練習会に全く
        参加ができておらず申し訳ありません。
        昨年の10月に転勤があり、土曜日が思うように時間がとれず、日曜のレース中
        心で走っています。
        ただ、年明けの枚方ハーフで右アキレス腱を痛め、その後エントリーしていたレー
        ス、木津川、泉州、篠山をキャンセルし、この間の京都を走ってきました。

        故障で距離も踏めず、足も心配で完走目的で京都の雰囲気を楽しみながら(途中
        で緊急車走行のためレース中断という貴重な経験もしました。)走っていましたが、
        さすがにフルは厳しい、練習不足を隠せず、後半は、バテバテでした。
        ペースランナーをされていた中村さんに声をかけていただき生き返るも、「早く足を
        治してもっと練習をしよう!」と反省をしながらのゴールでした。

        新年度には、仕事も落ち着き、練習会に参加ができると思います。その際にはよ
        ろしくお願いします。(それまでに故障を治します。)
        (大会開催日:2012・3・11)



第三二二号
          ディズニーワールドであったマラソンのレポートです!


2012年1月24日
AAC会員

三田 博史氏

       2012年初めにOrlando, FloridaWalt Disney World で行われた大会 Walt Disney
       World Marathon Weekend
Goofy Challenge という大会に出場してきました。
       Goofy Challenge とは土曜にあるハーフマラソン、日曜にあるフルマラソン両方を走
       るというものです。どちらのレースもディズニーワールドの敷地内を走るコースでフル
       マラソンではディズニーワールドにある4つのテーマパークすべてに行けます。
       アメリカではニューヨーク、ボストン、シカゴの5メジャーに次ぐ人気大会のようで、Walt
       Disney World Marathon Weekend
と銘打って、4日間に渡りイベントが開催されます。
       参加人数は5万人を超えているとプログラムに書いていました。

       日程的には
       1/5 … Pasta in the Park Party
       Epcotというテーマパーク内でDJが場を盛り上げながらカーボパーティーを行います。
       ミッキー、ミニー、ドナルド、グーフィーとのキャラクターミーティングもありました。

       1/6 … Disney Family Fiesta 5K featuring the Three Caballeros
             Disney Kids' Races
             Mickey Mile
 
       レースは見ていないのですが、朝遊びに行くときにメダルを掛けている人がたくさん
       いました。時間帯的に6:30 a.m.スタートの5kを走った方だと思います。

       1/7 … Walt Disney World Half Marathon
       このレースが今年の初戦です。5:30 a.m.スタートなので夜明け前までにゴールする
       ことが予想され、まじめに走ってそれなりのタイムを出すつもりでした。ただ、日本で
       元旦に走っていた最中、15kmあたりでコーナーを曲がったときにアキレス腱を痛め
       てしまい、すぐに中断。何もしないまま翌日渡米したので、アメリカに入ってからも全
       く走らずに過ごしていたので不安がありました。
       さらに当日時間に余裕を持って行った筈なのに、荷物預けのテントからスタート地点
       までが異様に遠く、さらに混雑していて自分のスタートブロックであるAブロックに着い
       たらすぐにレース前のイベントが行われてスタート。
       全くアップをしていない状況でいきなり3:50くらいのペースで走ってしまったので、3
       mile
あたりでアキレス腱に違和感を覚えたので走り方を変えて騙して走ると、すぐに
       Magic Kingdomに入ったのでたくさんの応援の中を走れて気分が紛れました。しかし
       今度は4mileくらいで左右の大腿直筋が異常に張ってきて、最後まで治りませんでし
       た。結果、後半失速してしまい、1:25:27と最低1:25:00切りと思っていた予定すら
       満足出来ていないという苦い2012年初戦となってしましましたが、貰ったときに気づ
       いたハーフマラソン15th記念のドナルドのメダルに慰めてもらいました。
           http://connect.garmin.com/player/141413409#.TxEroxXH-iw.email

       1/8 … Walt Disney World Marathon Relay
              Walt Disney World Marathon
       フルマラソンのスタートも5:30 a.m. だったのですが、こちらは当初から楽しむ予定だ
       ったので現地で購入したグーフィーの帽子を被って走ることにしました。
       こちらはスタート直後にEpcotでダッフィーに会いましたが、暗くて写真を撮るのに苦
       労しそうだったので手を振るくらいでスルー。プルートも珍しく?ちゃんとお座りしてい
       ましたが、こちらもスルーしてしまいました。
       その後ぐるっとEpcot周辺を1周してMagic Kingdomへ。ここからはファンランモード全
       開で、各キャラクターと一緒に写真を撮りながら走っていました。そしてゴルフ場など
       がある道路を走っていくと、やっとDisney's Animal Kingdom Parkへ。野性味溢れる
       ディズニーを堪能してパークを出ると、今度はすぐにDisney's Hollywood Studios
       パークを出る頃にはお客さんが入園してきてました。そしてDisney's BoardWalkを通
       ってEpcotへ。最後はゴール前の観客席に手を振りながら、ドナルドとハイタッチして
       ゴール。タイムは3:19:46。たくさん立ち止まってキャラクター達と写真を撮っていた
       のとハーフの疲れが残っていたわりには良かったです。まぁ、今回はファンランなの
       でどんなタイムでも全く気になりませんでしたが。最後にミッキーメダルと、念願のグ
       ーフィーメダルを貰い記念撮影。余談ですが、レース後各キャラクターのメダルにサ
       インを貰いました。
           http://connect.garmin.com/player/141413415#.TxErMQBDvyQ.email

       振り返ると、グーフィーの帽子を被って走ったおかげでいろんな方に声を掛けてもら
       って、勘違いしそうなくらいモテモテでした。フルマラソンはファンランするなら最高で
       す。ディズニーに興味がなかった僕でも楽しめました。
       パーク内の雰囲気も楽しいし、キャラクターやキャストの方々の応援はもちろん、お
       客さんもアメリカのお祭りって感じで凄くハイテンションでした。
       飛行機に乗っているだけでも20時間近くかかりますが、興味と時間をお金がある方
       は是非、一度走ってみてください。確実に満足できると思います。
       (大会開催日:2012・1・7〜8)